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ハローワークの公共職業訓練を受講しました(その9 ビジネス英語)。

サイト主自習レポート
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「国際コミュニケーション・貿易ビジネス科」の授業のうち、「ビジネス英語(TOEIC)」についての感想をアップするのがかなり遅くなってしまいました。

ハローワークの公共職業訓練を受講しました(その5 スケジュール)。でもお伝えした通り、全336時間の講義の中で、「ビジネス英語」は84時間と、簿記に次ぐ主要科目でした。それなのに、すぐに感想をアップしなかったのは、定年退職後の生活の中で、英語を使う機会がかなり少なくなってしまい、英語の勉強に割く時間が少なくなってしまったからなのです。

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TOEICの公式問題集を3ヶ月かけて解く授業で点数が上がるのか?

「ビジネス英語」授業は3ヶ月かけてTOEICの公式問題集を1冊解くという内容です。テキストとして購入させられたのは、試験1回分の問題と解説が掲載されている最新の公式問題集だけ。2時間で解き終わる量です。以前、TOEICを受けた時に、1度だけ公式問題集を購入し、模試代わりに使ったことがありますが、答え合わせが終わってからは、ほとんど振り返りませんでした。

正直、公式問題集を1冊やったところで、そんなに英語力が伸びるものなの? と愚者(サイト主)は疑問に思いましたが、ハローワークの公共職業訓練を受講しました(その2 講座選定)。で触れた見学会司会で、後に本講座の担任となる方から、「既にTOEICを受けた人も、この講義を受けると間違いなく、点数が飛躍的にアップします」と聞かされていたので、以下の弱点を持つ愚者(サイト主)でも英語力がアップするのかどうか、個人的には興味がありました。

・愚者(サイト主)は若くないので、800点台の自分にとって、伸びしろがまだあるのだろうか
・年と共に反射神経が鈍くなっているので、そもそも時間との闘いであるTOEICが嫌い
・年と共に老眼が進み、細かい字が読みにくい
・耳も遠くなり、学生時代、学校ではあまり教えられてこなかったリスニングが苦手&聞き取れない
・英検に比べて、TOEICの問題がつまらない

こんな自分でも、英語力を伸ばしてみせるというなら、やってみろ的な。しょーもない生徒ですよね(笑)。

受講者は女性が圧倒的に多く、平均的日本人よりは英語ができる人が多かったです。年齢は幅があり、若い人は比較的英語が得意ではなく(多分、英語が得意な若い人はハロワに頼ることも少ないのかもしれません)、この講習がまさにピッタリの人たちでした。また、経歴もさまざまで、コロナ禍の時期だったこともあり、海外旅行ができないために旅行会社を退職せざるを得なくなった人や、貿易が滞ったことにより転職を余儀なくされた元貿易マンの方などは、男性&中年でもかなりの英語上級者でした。

受講者の英語力にバラツキがある中、全員を満足させる授業を3ヶ月にわたって行うのはかなりの難題です。ところが、3ヶ月間の授業を受けてみて、1度も飽きることなく、密度の濃い、ためになる授業を受け続けられたので、講師の先生は間違いなく素晴らしい実力をお持ちの方だと実感しました。これほどすごい人材を有しているとは、大原簿記学校、恐るべしです。

初日は、受講者のレベルがバラバラということで、各自が普段やっている英語勉強法を発表し、ノウハウを皆でシェアし合おうということになりました。この参考書が良かったとか、YouTubeのこの英会話番組がいいとか、このアプリがいいとか、このコミュニティーがいいとか、いろいろ聞いたのですが、本は読み終わるとそれっきりだし、YouTubeやアプリは習慣にするのが難しく、継続するのが大変な勉強法はことごとく身につきそうにありませんでした。

NHK worldと出会う

そんな中、先生が、ラジオ放送の「NHK world」について「海外ニュースは背景が分からないと聞いていて意味不明になりますが、NHK worldは国内ニュースも多いので、何を言っているのかだいたい分かります。NHK worldだけでTOEICが980点になった受講者がいましたよ」とコメントしたのを聞いて、昔BBCやCNNなどの海外ニュースポッドキャストで、ことごとく挫折したことがある愚者(サイト主)は、「あ、これなら自分にもできるかもしれない」と思いました。

スマホにNHK worldのアプリを入れて、AudioからEnglish NewのListenを選び、再生ボタンをクリックします。10分程度の日本と海外の最新ニュースの英語ニュースが流れます。これを毎朝のジョギングの時に聴いています。

講師の先生が、「リスニングが聞き取れないのは単語を知らないから」と仰っていたので、ニュースの中で知らない単語が出てきたら、聞き取れる限り、その場でスマホにメモり(カタカナとかです)、時間のある時に調べて単語帳に記録します。ときどきそんなカタカナに相当する英語が見つからない!(笑)こともありますが、だいたいは該当する単語がヒットします。聞き取れるくらい頻出する単語なので、意味が分かると、なるほど~と思います。最近では自民党の裏金問題が話題だったので、会計責任者との共謀という話題で、collusionが単語帳に加わりました。また、中国の不動産バブルが弾けたので、speculation投機)という単語が加わり、例文として「Houses are for living, not for speculation」(住宅は居住のためのものであり、投機のためのものではない)という中国政府のスローガンを載せました。

weblio単語帳に意味と例文を登録する

愚者(サイト主)が使っている単語帳はweblio単語帳です。200語まで無料で登録でき、意味や文例を編集できるので、なるべくその時に使われた意味と例文を登録すると覚えやすいですよね。例文は毎日新聞の英語版で拾ってくることが多いです。単語で検索できるからです。

ハロワの学校に通っていた時期は、貿易英語を覚えなくてはならなかったので、200語が貿易・会計単語でいっぱいでした。確実に覚えた単語は消していくのですが、いまだに覚えられずに残っている単語が結構あります。関税率表のHS分類に記載されている物品の英単語とかですね。

twine:ひも、より糸, (特に包装用・綱製造用などの)麻糸, 麻ひも
broom:ほうき
bovine:牛
breeches:半ズボン, パンツ(trousers, pantsと同じで複数形で使う)
……
実生活で絶対使わないだろう、と思いつつ、何となく消してしまうのが惜しくて、残し続けています(笑)。

ビジネス英語の授業では、TOEICのテキストを解くだけではなく、先生が独自に作られたプリントを使うことも多く、毎回配られるプリントの量がハンパなかったです。すべて大原で生じた裏紙が使用されていて、裏は会計のテキストだったりしました(笑)。また、先生オススメのYouTube番組の紹介や、動画や歌、独自のリスニング教材、英語のゲーム、留学時代のお話、英文履歴書の書き方や面接のコツなど、盛りだくさん。高校や大学の頃、外資系に勤めていた二十台の頃に、この講義を受けていたら、ものすごく英語力がアップしたのではないかと悔やまれます。

またTOEIC問題の解説の際も、派生語や反対語を当てさせたり、同義語、接尾語・接頭語が同じもの、英米語の違い、イディオムの言い換えなどを大量かつ高速に尋ね、それも1度だけではなく、2度、3度と日を変えて繰り返してくれたりと、ありとあらゆる方面から、ボキャブラリーを増やそうとしてくれました。

ハロワの3ヶ月中にTOEICを受けようという受講生は若い女性が多く、講義を受けてから受験すればかなりの好成績が狙えると思いました。講師の先生によるとTOEICのスコアを履歴書に書く場合、受験から2年以内の成績が求められるとか。大学時代に900点台だった人でも、それから何年も経ってしまったら、あまり価値は無いのですね。試験の内容もかなり変わってきていて、より実用的で、よく使われる、現代的言い回しが頻出する試験内容に変わってきているのだそうです。

いろいろな教材に手を出すよりも、TOEICの公式問題集を1冊丸々活用して、使える英語にすれば強力なのだということを先生は教えてくれました。確かに一読して分かったつもりでも、その表現がサッと出るか? というと、はなはだ疑問で、まるごと1冊を使えるレベルになるまで覚えればかなりの実力がつきますね。

オーストラリアとカナダの留学経験がある講師の先生は、現地のカフェでバリスタのアルバイトをしていて、お客の細かい注文に答えていたとか。将来は大原でカフェを開きたいという夢をお持ちでした。

愚者(サイト主)がセツ・モードセミナー夜間部に通っていた頃、授業と授業の間の休憩時間に、学内カフェが開かれていて、当時はセツゲリラ(研究生代表として審査を経て選出されたメンバー)の方が、ネルドリップ式のコーヒーを淹れて販売していました。これがもう、と~ってもいい香りで。当時自宅の夕飯を作らなければならなかった貧乏OLの愚者は、終わった後にセツ生たちが飲みに行くバカラ亭にも行ったことはありませんし、淹れたてコーヒーもたま~にしか飲んだことはありませんが(*注1)、学内にカフェがあって、その香りが校舎いっぱいに広がって、学生たちがコーヒー片手に楽しく将来のことについて語り合っているなんて、素晴らしい風景ですよね。是非、大原にも学内カフェをオープンしてほしいものです。

続く

注1

セツ先生は独特の美学を持っていて、缶入り飲料を缶から直に飲むことを下品だと、とても嫌っていました。缶入り飲料は必ずカップやコップに入れ直して飲めと。そのため学内には自動販売機がありませんでした。おかげで今でも愚者(サイト主)は極力、缶から直に飲まないようにしています。
セツ・カフェのコーヒーを誰が淹れていたのかについて、セツ先生自身が淹れたとか、他の先生方が淹れたとか書かれているのを読んだりしましたが、愚者が通っていた1980年代頃は、先生たちではなかったような気がします。
映画好きな愚者はセツ先生の映画エッセイを読んで、その考え方や生き方に深い感銘を受けて、「先生から直に講義を受けたい! お話を聞きたい!」と思い、入学しました。絵はそこそこ描けるほうだったので、最初に入学した時のデッサン試験も早々にパスし(OKをもらえる順に帰ることができる)、水彩画も何度か褒められました。ただ漫画に比べて、アートな絵を描くこと自体には、職業にするほどの情熱を持てなかったので、先生のお言葉をひたすら楽しみに聴くために通い、2年間の本科を卒業した後は、ファッション科に進学し、立体裁断を習い、ファッションショーに参加したりしました(この頃、雑誌「ハイファッション」を愛読していた愚者は、洋裁に異常に凝っていたのです。今でもBBCの洋裁番組「ソーイング・ビー」は大好きで、シーズン6の「折り紙風ドレス対決」の回は番組制作陣の臨機応変な対応に最高に感動しました)。
セツ・モードセミナー・ファッション科が最終学歴という箔が付いたおかげで、その後出版社に転職できましたが(役員面接には自分で作ったセットアップを着て望みました)、セツ・モードセミナーの経営が一時危なくなった時にその出版社の雑誌で特集を組んだために持ち直したという話を聞いた時は不思議な縁を感じたものです。
その後愚者(サイト主)は、その出版社に非学校法人のセツ生をアルバイトとして動員する端緒を開きました(笑)。

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