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1.5型糖尿病(SPIDDM)患者にとってのコロナ闘病記

健康コラム
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新型コロナの流行から4年後に初感染

2024年4月3日の夜、勤務先から帰宅すると、妙に肩こりが気になり始めました。ストレッチをしても体がほぐれず、節々が痛くなり、微熱も出始めました。風邪をひき始めた時と似た症状なのですが、普段、めったに風邪をひくことが無いので、ひょっとするとこれは……と悪い予感がしました。とはいえ、通勤時、マスクの着用を欠かさず、職場でも食事時以外はマスクをしていたので、コロナに感染するはずがないとも思っていました。

年度末なので、持ち帰り仕事もあり、いつもより忙しくしているうちにその夜は寝るのが遅くなってしまいました。

翌朝も微熱があったため、かかりつけ医に電話し、念のため検査してほしい旨を伝えると、お昼近くに来院するように言われました。午前中の診療が終わり、お昼休みに入るため、他の患者さんがおられない時間帯なのです。

鼻の奥に綿棒を突っ込まれ、ああ、これが例の検査かぁ、などとノンビリ思っていたら、検査結果は見事、コロナ陽性。同時に検査したインフルは陰性とのこと。去年の10月に予防接種したから、まあ当然でしょう。でもでも、コロナワクチンだって、同じ10月に6回目を接種したのに。5ヶ月ちょっとしか経ってないのに、ですよ。もう(泣)。

看護婦さんが「皆さん写メを取られますよ」というので、愚者(サイト主)も慌てて検査結果の写真を取りました。ロシェの「SARS-CoV-2 & Flu A/B ラピッド抗原テスト」という検査でした。Cは検査が正常かどうかの印で、SがSARS-CoV-2陽性、AとBがインフルエンザ陽性です。PCR検査じゃなかったのでちょっとガッカリです。2024年の5月頃から出現し始めているKP.3などのオミクロン株の子孫株にあたる変異株なのかどうかが、抗原検査では分からないからです。

4日の違いで1万5000円超に

かかりつけ医の先生から、発症から5日間は家で安静にしていること、周囲に移さないため、念のためさらに2日間は外出しないようにと言われたので、次に出勤できるのは、翌週ということになります。微熱以外に特に自覚症状もなかったのですが、経口抗ウイルス薬を希望するかどうか聞かれました。

効果としては「症状のある期間が1日短くなる、後遺症リスクが軽減される」というデータがあるけれど、「値段が高い」という欠点がある、と言うのです。

運悪く4日前の2024年3月末で新型コロナ治療費の公費負担が終わっていて、かかりつけ医が指定した経口抗ウイルス薬の「ゾコーバ」は1錠の薬価は7400円、全部で7錠飲む必要があるため患者の負担額は1万5000円を超える(3割負担の場合)のだそうです。ううう。

でも、今は決算期だし、少しでも早く職場に復帰できる+家族に迷惑を掛ける期間を短くできるなら、ということで、

「お願いします」とお返事しました。

その他に、解熱剤として「カロナール」(10回分)と、喉の炎症を抑える薬「トラネキサム酸」、咳をしずめる薬「デキストロメトルファン臭化水素酸塩」(それぞれ6日分)が処方されました。また、コロナ期間中であっても、毎朝のインスリン投与と夕食後のスタチン服用はそのまま続けるように、とのことでした。

外出を控えるようにと言われても薬局には行かなければなりません(こういう時、院内処方がなくなったのは辛いですね)。いつも行っている薬局に行ったところ、

「今在庫がなく、取り寄せになります」

と言われてしまいました。症状改善までの期間が1日しか短くならないのに、「取り寄せ」では意味がありません(苦笑)。以前、家族が熱を出し、新型コロナに感染したかもしれないと疑われた時(結局陰性でしたが)、検査キットがどこの薬局でも在庫切れだったことがあり、ゾコーバも在庫切れか? と焦りましたが、向かいの薬局に行ったところ「在庫がある」と言われ、ほっとしました。お会計は1万6420円。当然、支払いはクレジットカードです。まずは帰宅してすぐ3錠服用しました。

ハーゲンダッツのアイスに助けられる

検査の日の午後も通常通りの生活を送り、5ヶ月前とはいえワクチンも打っているし、ゾコーバも飲んだので、ひょっとしたらこのまま重症にならずに済むかも、と期待していたのですが、夕食後、どんどん熱が上がり始めました。食後2時間血糖値も197とかなり高くなったので、家事を済ませた後、その日は入浴は控え、「カロナール」を飲んで早めに就寝しました。

2日目。起床時血糖値が133と、これまた今までにない高い値でビックリです。朝食後、貴重なゾコーバの4錠目を服用しました。毎朝食後1錠服用なので、残りあと2錠です。家では別室に閉じこもり、家族が作ってくれた夕食を受け取る以外は、入浴もせず、ただひたすら寝るだけの1日でした。その夜から徐々に喉が痛み出しハーゲンダッツのバニラアイスを半分ほど食べました。

ハーゲンダッツのアイス、2022年にポリタスTVの津田大介さんがオミクロン株に感染した際、喉が痛く、ハーゲンダッツのアイスに頼っていたと聞いて以来、冷凍室に常備するようにしていました。昨年娘がコロナに罹患し、喉が痛くて他の食事が喉を通らない時、とても役立ちました。そして今度は愚者(サイト主)がお世話になることに。津田大介さん、ありがとうございます。

娘の場合、検査&診察を受けた当日は喉が痛くなかったので、喉の薬はもらわなかったのですが、翌日以降に喉が痛くなり、愚者(サイト主)と家人がアズレンうがい薬を求めて走り回る羽目になりました(近所の薬局では軒並み売っていなかったのです)。愚者の場合は、自覚症状がなかったのですが、ゾコーバに比べたら薬価が安いこともあり、気が大きくなっていたのか、コロナが早く良くなるためなら、何でもどんどん処方してくださいな、全部飲みますよ、という勢いだったせいなのか、何も言わないのに処方してくれましたが、娘の場合は解熱剤以外、特に処方されませんでした。1.5型糖尿病という基礎疾患*注1)を持つ愚者と違って、若い人とかにはあまり薬を出さなかったのかもしれませんね。

3日目。ゾコーバの5錠目を飲みましたが、さらに喉が痛くなり、ブルーベリー入りヨーグルトとハーゲンダッツとオートミール粥しか食べられなくなりました。アズレンうがい薬はちっとも効きませんし、風邪の時によく舐める市販ののど飴は全く飲み込めませんでした。そもそも舐めるための唾液が足りないのです。とりあえず「トラネキサム酸」は毎食後2錠ずつ服用しましたが、即効性はありませんでした。

2日もお風呂に入っていないので入浴しました。風呂で喉を湿らせても良くなるものではありませんでした。

熱が下がらないのにゾコーバがなくなる

4日目。ゾコーバ6錠目を服用。もう残り1錠しかありません。それなのに喉の痛みはなくならず、今日もブルーベリー入りヨーグルトとハーゲンダッツとオートミール粥しか食べられませんでした。その夜は38.1度と、かなり熱が出ました。

コロナが流行った当初は、サイトカインストームによる血栓形成による肺炎で亡くなる人が多かったので、愚者は恐ろしくなり、思わずパルスオキシメーター(*注2)で酸素飽和度を測ってしまいました。数値が正常だったので、安心し、一眠りしたところ、寝汗がひどく、夜中に一度着替えなければなりませんでした。

5日目。朝は一旦熱が下がっていました。これが残り最後の7錠目のゾコーバなので、さすがに症状は収まってもらわなとなあ、という気分でした。4日間ハーゲンダッツばかり食べていたので、そろそろしょっぱい朝食が食べたくなり、手軽に食べられるものはないか? と思い、低糖質うどんを薄味のめんつゆで茹で、卵でとじただけのお手軽朝食を作ってみたところ、非常に美味しく、かつ、喉にも優しい味で大満足でした(その後、結構、めんつゆ+卵の麺類にハマりました)。入浴もし、そろそろ直ってきたかな? と思いきや、なんと、夜になってまた熱がぶり返し、寝汗をかき、再度夜中に着替える羽目に。ゾコーバ、ぜんぜん効かないじゃないか、とムカつきました(笑)。

6日目、急に回復する

6日目。朝、再び熱が下がりました。起床時血糖値も98と低めでした。そして、今度は夜になっても熱は上がらず、喉の痛みもかなり楽になってきました。その分、少し咳が出るようになりましたが、喉が痛いのに比べたら、全く気になりません。夕飯から普通食が食べられるようになり、食後血糖値も158と低めでした。昨夜はゾコーバ、全然効かない! と文句をたれていたのですが、飲まないよりはマシだったのかもしれません(*注3)。

7日目。すっかり回復し、職場に復帰しました。喉の痛みは収まったのですが、声が出しにくく、職場ではなるたけ言葉を発することは控えました。久しぶりの出勤で疲れたのか、夜微熱が出てしまいました。起床時血糖値は94と低めでしたが、夕食後は普通食に戻ったせいか170と、これまた通常値に戻っていました。

コロナ後のHbA1cですが、コロナ前とほとんど変わらず、前年同時期とほぼ同じでした。

年月日HbA1c
2024/7.66.2
2024/5/76.1コロナ後
2024/3/56.0コロナ前
2023/7/45.9
2023/5/26.2前年同時期
2023/3/46.1

コロナの後遺症かもしれない

その後、目立った後遺症はありません。いえ、無い気がしただけで、実はあったのかもしれません。

というのも、職場に復帰してみたら、決算の一部が終わっていないことが判明。もう時期的に間に合わなくなっていました。

先月、担当者には、やっておく必要があると説明しておいたので、当然、終わっていると思っていたのですが、終わっていないことに担当者も監査役も誰一人気づいておらず、その責任が愚者(サイト主)にもあると代表者には思われてしまったことに憤り、とうとう転職を決意したからです。

いままでなら我慢していたのかもしれませんが、精神的に疲弊していたのか、耐えられなくなってしまったのは、もしかすると、これがコロナの後遺症なのかもしれません。

注1

高血糖が免疫機能の低下をもたらすため、糖尿病は新型コロナが重症化するリスクが高いと言われています。

2020年12月27日に53歳の若さで亡くなった立憲民主党の羽田雄一郎参院議員は糖尿病、高脂血症、高血圧の基礎疾患があり、12月24日深夜に発熱し、27日に検査に向かう車の中で容態が急変したそうです。

急死の羽田雄一郎・元国交相、死因はコロナ感染症 糖尿病、高脂血症の持病 PCR検査前に急変

このニュースがあまりに衝撃的だったため、発熱したら様子を見ずに、すぐに検査しに病院へ行ったのですが、いつでも検査できるようになった今、とてもありがたいことだったと思っています。

糖尿病だと重症化リスクが高くなるのは、血糖値が高いと、体内に入ってきた異物を排除する「白血球」の働きが鈍り、感染した病原体に対して「抗体」が作られる、いわゆる免疫反応も弱くなるからだそうです。

ただし、血糖値のコントロールが良好であれば、新型コロナの重症化リスクは糖尿病でない人と同程度になるため、愚者(サイト主)のかかりつけ医もインスリン投与やスタチン服用をやめないようにと言ったのですね。

また、糖尿病ネットワークのサイトによると、コロナ後遺症についても糖尿病の人はリスクが高いのだそうです。
【新型コロナ】糖尿病の人は長期の後遺症のリスクが4倍高い 「ワクチン接種を」と呼びかけ

SNSでは反ワクの主張をよく見かけますが、持病がある人は安易に鵜呑みにはできないかもしれませんね。

注2

2020年のはじめは新型コロナによる肺炎で亡くなる人が多く、その多くの人が酸素飽和度が標準以下であるにも関わらず、測定されるまで気づかない「サイレント(無症候性)低酸素症」に陥っていたそうです。

新型コロナに罹患し、自宅待機せざるをえない場合、パルスオキシメーターで酸素飽和度を測り、危険なレベルであれば119番するなどして自衛することが重要であるという記事(コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点。今は日本語で全文読めますが、公開されたばかりの頃は途中までしか読めず、New York Timesの元の記事を探して翻訳ソフトで読んだものです)を読み、早速アマゾンで購入しました。

2020年4月当時は人気商品だったのか、中国から日本の我が家に到着するまでに1ヶ月以上もかかり、価格は5680円でしたが、2024年の今は3000円台から購入できるようです。聞き手の中指を差し込んで測定し、95~98なら正常、92より低いと要注意だそうです。

このパルスオキシメーター、原理を発見したのは日本人で青柳卓雄さんという方だったそうですね。実用化したのはアメリカの人たちのようですが、日本の基礎研究が世界で役立ったのは誇らしいものです。日本の研究力が低下が問題となっている今後、このような研究が現れなくなるのではないかと心配しています。

注3

2024年7月、またコロナの感染が増大しているとか。2020年以来、感染増大のニュースが世間を賑わすのは、もう何度目でしょうか。5類移行以後、第9波、第10波、そして7月は第11波。PCR検査が普及せず、公費負担も打ち切られ。仕事があったのでゾコーバを処方してもらいましたが、そうでなかったら愚者も1万5000円超を払ったかどうか……。

効果があるそうですし(ゾコーバ投与、入院37%減 塩野義、コロナ患者調査を発表)、遅まきながら公費負担を求める声も高まっているようです(都医師会・尾﨑会長、新型コロナ感染増に懸念「せめて夏場だけでも自己負担の軽減を」)ので、何とか手が届く価格になってほしいですね。

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