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ハローワークの公共職業訓練を受講しました(その6 貿易実務検定C級受験)。

サイト主自習レポート

実は役立つ貿易実務検定

貿易実務検定C級は、貿易業務に必要な基礎知識を持っているかを証明する民間の資格試験です。

公共職業訓練で貿易実務を教える教官の方も

「『貿易会社に入って仕事をするのに、役に立つのはどちらか?』と聞かれれば、通関士より貿易実務検定のC級ですね」

と仰っていましたが、法律、金融、運送、英語……etcなど、扱う範囲が広く、歴史的な知識も含まれていて、貿易に関するあらゆる業務の入り口的な内容になっています。

「深い知識は仕事しながら身につけていけばよいので、この講義ではなるべく広く、自分の興味や可能性を探しながら、受講してほしい」

とのことでした。

教官の方は貿易関係の企業をいくつか勤めた後、自分で会社も興され、引退後に教官になられただけあって、幅広い実務経験があり、最近の国際ニュースの話題にも触れていただける、大変面白く、ためになる授業でした。

テキストは、ハローワークの公共職業訓練を受講しました(その3 入学式)でも触れた、入校日にまとめて購入したうちの1冊である「最新貿易実務ベーシックマニュアル〈改訂4版〉」を使用します(B5サイズ、476ページ)。

税込4,510円

英語は自習&テキストを順番通りにやらない!

72時間という限られた時間数でC級全体をカバーするため、授業初日からいきなり、

「『貿易英語』のページ(P359~P463)は自習してください」

と言われます。

もっとも英語の授業(TOEIC対策)は別にあるし、私自身はサラリーマン時代、海外通販業務をしていたことがあるので、特に困るということはなさそうでした。授業参加者の方々も英語ができる人が多かったです(帰国子女の方や、直前まで貿易関係の仕事をされていた方、はてはスペイン語、韓国語もできる方など多彩な能力をお持ちの受講生が集まってました)。

「GW明けの5月にC級の試験があるので、皆さん、受けるように。直前に過去問もやりますよ」

3ヶ月の講習なので、2月から始めて、終わるのが4月。5月に受けるのは、ちょうど良いタイミングでしたが、ハローワークの公共職業訓練を受講しました(スケジュール)で決めたように、私は3月7日に、まずは1回目の受験をすることにしたので、公式テキスト全体をできるだけ早く読破しなければいけません。なので1章は予め目を通していたのですが、先生は、

「授業ではテキストの順番を変え、最後の13章から始めます」

と言うではありませんか!

1章 貿易取引の全体像の理解
2章 市場調査から契約の成立まで
3章 信用状の基礎知識 => 9章の後に
4章 品質条件・数量条件等
5章 インコタームズの基礎知識
6章 貿易運送
7章 貨物海上保険
8章 貿易取引に関するその他の保険
9章 代金決済
10章 船積みから輸出代金の回収
11章 「船積通知の受領」から「貨物の引取り」まで
12章 外国為替相場と為替変動リスクの回避
13章 国際貿易体制の基礎知識 => 最初に

13章を最初にやる理由として、先生は

「貿易の世界はダイナミックに動いています。今、どうなっているのか? 過去から、どうなってきて今に至ったのか? という流れを知ることが重要です。3ヶ月の間にいろいろな変化もあるでしょう。前回受け持ったクラスでも、最初と最後では貿易を取り巻く環境が大きく変わりました。なので4月になったら、13章をまたもう一度やります」

と説明されていました。さらに、お金のやり取りである「信用状」についての3章も順番を変え、お金にまつわる「代金決済」の9章を学んだ後に、学習するとのことでした。そのため私の予習もこの順番に変えなければと思いました。

貿易実務検定C級は8割が合格ライン。200点中150点が貿易実務(60分)、残りの50点が貿易英語(45分)ですので、合計して160点以上取れば合格です。英語がからきしダメでも貿易実務で満点を取り、貿易英語で10点だけ取れば合格します。

2020年3月までは、会場で行う「紙」の試験でしたが、今は自宅で受ける「オンライン」試験に変わり、問題数も変わりました。オンライン方式は自宅でできてしまうため、問題数を増やしたそうなのです(貿易英語については特に言及されてませんでした)。

2020年3月まで……貿易実務 全50問(10問、15問、10問、15問)
今……貿易実務 全65問(20問、20問、10問、15問)

*詳しくは貿易実務検定(R)の受験要項のページをご覧ください。

1ヶ月後の試験に申し込んでしまい、自分を追い込むことに……

貿易実務検定C級受験日まであと、1ヶ月ちょっと。とりあえず、行き帰りの電車の中や休み時間などを利用して、公式テキストの13章ある単元を授業の順番に従って、1つずつ読み終えたら、章末の確認テストを解き、「分からない」・「忘れていた(まだ理解できていない)」・「間違えた」・「たまたま合っただけ」などの問題があったら、テキストの対応する箇所のポイントをノートにまとめていきます。その際、上記に該当する問題は、できるようになるまで繰り返し解くために、×印をつけておきます。

当然ながら、初回は本当にできませんでした(泣)。そして、授業で教えてもらった章はやはりよく頭に入り、正解率が俄然違いました。特に授業でよ~く分かったのが、11種類あるインコタームズ。

貿易取引条件とその解釈に関する国際規則を表す英字3文字の記号なのですが、最初テキストを読んだ時には全く頭に入ってこなくて、ネットなどで解説を見ても、覚えられず、どうしたものかと困ってしまいました。それが先生が教えてくれたポイントを踏まえることによって俄然、理解できるようになったのです。

・3×3(海上運送中心の古い条件、コンテナ以降の複合運送グループ、Dグループ)+
  2(FAS、FXW)のグループに分けて覚える
・省略する前の英単語の意味で覚える(Freightは海上運送だけ。Carrigeは航空・複合運送
 でも。Delivered=持ち込み渡し)

やっぱり3月に受けるのは無謀だったかな~、一通り受講してから5月に受けるべきかな~? と挫けそうになりましたが、もう申し込んでしまったので(C級受験料 税込6,270円)、できる限りやろうとテキストを2,3周読み進めました。

章ごとのまとめノートを作っていき、過去問でブラッシュアップ

まとめノートに使ったページ数は以下の通りでした。

1章 貿易取引の全体像の理解……1ページ
2章 市場調査から契約の成立まで……2ページ
3章 信用状の基礎知識……2ページ
4章 品質条件・数量条件等……1.3ページ
5章 インコタームズの基礎知識……2ページ
6章 貿易運送……3ページ
7章 貨物海上保険……2ページ
8章 貿易取引に関するその他の保険……2ページ
9章 代金決済……1.3ページ
10章 船積みから輸出代金の回収……4ページ
11章 「船積通知の受領」から「貨物の引取り」まで……4ページ
12章 外国為替相場と為替変動リスクの回避……2ページ
13章 国際貿易体制の基礎知識……4ページ

自分としては10章、11章、13章が大変という印象でした。

テキスト読みと章問解きの2回目を終え、2月11日からは、いよいよ過去問に手を付けることにしました。普段の日は授業が1日中あるので、祭日や土日に行うことに。

貿易実務検定C級は、過去問からかなりの割合で出題される試験のため、過去問を4年分ほど繰り返し解いておけば、かなりの確率で合格できると言われています。そのため過去問を入手しなければいけないのですが、公式サイトでは公開されていません。その辺は統計検定や通関士試験とは異なります……。

過去問題集は公式サイトで販売されています。

税込6,270円

公式サイトには、違法に複製した問題集などをメルカリなどで入手しないようにと、注意書きが掲示されていますので、くれぐれもお気をつけください。もっとも公式問題集の古本を入手することは違法ではないので、安い出物があったら入手してみても良いかもしれません。

章末問題と同じように、解いていて、「分からない」・「忘れていた(まだ理解できていない)」・「間違えた」・「たまたま合っただけ」などの問題に対応するテキストのポイントをノートに書き足します。既に書いてある事柄だったら、赤ペンでなぞります。1ページに収まらなくなったら、再度複数ページに、きれいにまとめ直します。まとめ直す際、もう十分分かっていることや暗記してしまった項目は転記しないようにします。

過去問2回目の時点でまだ解けなかった場合は、ポイントをさらに青ペンでなぞります。こうして試験直前に丸暗記しなければならないポイントを最低限に絞り込んでいきます。

2月11日(祝)……貿易実務 時間不明……120点(27+45+21+27)80%
         貿易英語 19分……45点(15+20+10)90%

トータル165点。82.5%。何とかギリギリ合格ライン。実務の問3(暗記系)と問4(ちゃんと分かっていないと解けない)が悪いことが判明。英語の問1(暗記系)も良くありません。時間が足りないということはないけれど、ケアレスがあったり、読み飛ばし(早合点)があったりしました。

2月13日(土)……貿易実務 30分……132点(27+45+30+30)88%
         貿易英語 21分……42点(17+20+5)84%

トータル172点。87%。前回より英語は悪くなってしまいました。特に問3はひどすぎます……。

2月23日(祝)……貿易実務 26分……129.75点(24+33.75+27+45)86.5%
         貿易英語 21.5分……47点(17+20+10)95.73%

トータル176.75点。88.375%。10日ぶりの模試のせいか、前回より実務は悪くなってしまいました。それにしても模試を3回分やってもまだまだ覚えていない項目があることに怯えます(汗)。また、英語についても語彙力がまだまだ不十分だと感じました。

2月23日(祝)……貿易実務 17分……130.75点(25.5+42.25+21+42)87.166%
          貿易英語 15分……45点(20+20+5)95.73%

10日も空けてしまった&そろそろ3月が迫ってきたので、同じ日にもう1回分、模試をやりました。トータル175.75点。87.875%。問3の為替手形でミスをしたため英語が前回より悪くなってしまいました。

2度目の解き直しで弱点メモを作る

結果、4回分の模試の正答率はあんまり変わらない(82.5%→87%→88.375%→87.875%)という悲しい結果に……。

これが自分の限界なのかもしれないと感じ、これ以上古い回の模試に手を付けるのはやめ、試験直前に、これまで解いた模試をもう一度解き直すことにしました。幸い試験日である3月7日(日)の2日前の3月5日(金)は休校日でした。

3月5日(金・休校日)……193.25点 96.6%
            196.25点 98.1%
3月6日(土)……195点 97.5%
        194.75点 97.4%

2回目なので1日に2回分ずつ解きました。2回目なので答えを覚えてしまっていましたが、それでも最後までケアレスミスが無くならず、何が弱点なのかメモを作りました。

・「正しいもの」はどれか? と聞かれているのに「誤っている」ものを聞かれていると
  取り違える
・最高と最低を取り違える
・TTS(電信売相場)とTTB(電信買相場)を取り違える
・後半をちゃんと読まずに答えてしまう(英文)
「取り違え」に関しては、設問に下線を引いて間違えないように注意したいところですが、オンライン試験ではそれができないので困りものでした。英文の後半読み飛ばしミスについては、TOEICの時にもよくやらかしていて、読んだ(聞いた)端から内容を忘れてしまう自分にとって「答案に要旨を書き込めない」型試験では克服しがたい弱点でした。最後に、理解がまだ不十分でミスってしまった箇所を反省し、テキストとまとめノートをしっかり復習しました。
 
・特例(輸入者)、特定(輸出者、保税承認者、保税運送者)、認定(通関業者)の3種類を
 混同してしまう
・保険者と期間について、船(60日)・飛行機(30日)・戦争(15日)の3種類あることが
 分かっていなかった
・荷為替手形の支払時期について、ユーザンス手形のうち「確定日後定期払い」の
 At○○days after △△dateについて、△△も○○同様、数字だと思いこんでいた
 (B/L dateなど一般名詞であることに注意)

3月7日の本番の試験では、十分深堀りしていなかった複合輸送人のところが多少怪しかったのと、英文の信用状問題(授業ではまだここまで取り上げていない時点だったので)がやや自信がなく、1、2問落としたかもしれませんでしたが、他は何とか正解にたどり着くことができました。

結果が出るまでにかなり時間がかかりましたが、4月2日、無事、合格したことをネットで確認しました。結構立派な合格証PDFがもらえます。

試験を受けるために丸暗記したものの、よく内容が理解できていない、具体的なイメージが持てない項目について、その後の授業で「なるほど!」と目からウロコの体験をしたり、それでもよく分からないところは休み時間に質問することによって、授業を十二分に活用することができました。なので結果的に早めに受験して良かったし、弊害も特になかったです。3ヶ月の間に就職が決まった人は中途卒業しなければならないので(同じ教室ではスタート前に再就職が決まって辞退した女性が1名、英語以外の第2外国語ができる女性が1名、元旅行会社の男性と貿易会社の男性が1名ずつ、再就職のため卒業されました。語学ができる若い人はコロナ禍でも転職しやすいのですね)、早めに試験を受けてしまうというのも良い手かもしれません。

世界の貿易ニュースが分かるようになる大満足の授業

とはいえ授業はとても楽しく、実際の船や飛行機などの豊富な写真資料もいただくことができたり、4月には実際の模試を解く時間も設けられたので、その後に試験を受ければ、かなりの高確率で合格できること請け合いの、大変素晴らしい授業でした。

途中で起こった国際貿易ニュース、例えば座礁した正栄汽船がスエズ運河を塞いだ事故などについて、実体験を交えて詳しく解説してくれたり、DHLと日本郵便の比較や、CLB(チャイナ・ランド・ブリッジ)の隆盛など、テキストに無い、業界の人ならではの最新情報も伺うことができて大満足でした。

何か恩返しはできないものかと思ったので、先生が「なぜ平均を表すAVERAGEが海損という意味なのか分からない」と仰るので、ネットで調べてみました。

貿易用語の共同海損(General Average) とは、船舶事故などに遭い、荷物を海に投げ捨てることで危機を脱した場合、その損害を荷主全員で共同負担することを指します。この謎、アラビア語の解説サイトで答えを発見しました!

実はたくさん!アラビア語由来の英単語

「平均」という意味の単語を「共同負担」という意味に当てはめたのではなく、「共同負担」という単語が「平均」という意味になったそうなのです!! なるほど~。国際貿易は、イギリスの時代よりもっと前、アラビアの時代から始まっていたのですね。

航空輸送が盛んな今、船による国際貿易なんて……と思いきや、今、コロナ禍で荷揚げ処理が追いつかず、コンテナ船が沖合に滞留し、コンテナ不足が生じ、製品の供給不足や物価上昇につながっているとか。

コンテナ不足問題に関する情報共有会合


今年の授業ではきっとそんな状況も解説されているのではないかと想像しています。

続く。

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