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Certainly on M&A & the Nesting Place. Others please request.

「M&A」(マスターと弟子サイト)「巣ごもり場」には必ず収録されています。その他についてはご要望ください。

Q/O Angst, Whatever

クワイ=ガン/オビ=ワンの心理的葛藤もの、とでも何とでもご自由に。

NC-17

17歳以下は禁止。かつての「X指定」と同等(No One 17 And Under Admitted)。

Warnings
警告
Explicit sex between two hot guys. If it's not your cup of tea, leave the pot for the rest of us. No spoilers.

セクシーな男性2人による露骨なセックスシーンが描かれています。もしそれがお好み(one's cup of tea=好物)でなければ、召し上がらずにこのまま私たちのためにポットを置いていってくだいませ。ネタバレはありません。

Disclaimer
免責宣言
The characters are George Lucas's, bless him for having such a fevered imagination, even if it's not as fevered as mine. I should be so lucky as to make any money from writing stuff that's this much fun to write. Unfortunately, I'm not.

登場人物の権利はジョージ・ルーカスに帰属します。こんなにも熱狂的なイメージを創造してくれた彼に感謝します。たとえそれが私が抱いたイメージほど熱狂的なものではないにしても。私も幸せになれたらといいのにと思います。書くのが楽しい作品から同時にお金も儲けることができたならと。けれども私の場合は不幸にも、そうはいかないんですけどね(=この作品から利益を得ていないということ)。

Note
注意書き
This is story is a revision of an earlier version in what is now officially the Warrior's Heart series. Since I'm not keen on serials, I promise to keep the stories complete in themselves, sans cliffhangers. If you want to read them in story order, as opposed to the order I wrote them in, "Rightful Owner" comes first (no pun intended); then "Crime and Punishment"; "The Anger Exercises"; "The Geometry of Desire"; "But For Grace"; "Give and Take"; "Nomenclature"; then "Master & Apprentice." Bruck Chun, Obi-Wan's tormentor, is from the YA Jedi Apprentice series (great stuff!). I don't own him, either. However, if anybody'd like to sell me Qui-Gon, slightly used or otherwise, I have a platinum card waiting to be broken in. A trussed-up Obi-Wan wouldn't be amiss either. Home delivery requested.

この作品は当初のバージョンを改訂したものであり、正式には『勇者の魂シリーズ』に現在はまとめられています。話の順序にはあまりこだわらないので、一つ一つのストーリーがそれ自体で完結しているということを保証いたします。従って、続きを読まないと分からないような(cliffhanger=サスペンス連続ドラマ、最後まで結果の分からない競争)ことはありません。物語の時間経過順にお読みになりたい方は、私が書いた順番とは異なりますが、『正当な権利の持ち主』(駄洒落のつもりはありません[注:スラッシュなどファンフィックのライターは皆、原作の正当な権利者ではないため])を先頭に、次に『罪と罰』『怒りの修行』『欲望の幾何学』『神の慈悲なくば』『持ちつ持たれつ』『命名法(クワイ=ガンが「師」とは何か、「服従」とは何かなど師弟関係につきものの言葉の意味を探求する話)』そして『マスターと弟子』の順にお読みください。オビ=ワンの目の上のタンこぶである、ブルック・チャンはティーン向け(YA=Young Adult)『ジェダイの弟子シリーズ』(素晴らしい作品です!)(注:正当な著作権許可のもとに出版されているプロの作家が書いたスターウォーズ小説の一つ)に登場します。クワイ=ガンやオビ=ワン同様、ブルック・チャンの著作権も私のではありません。それでも、誰かが私にクワイ=ガン(ほとんど未使用同然だろうとそうでなかろうと)(注:暗に良からぬ目的などで酷使されたという意味をほのめかしている)の権利を売ってもいいと仰ってくださるなら、私はいつでもプラチナカードを使う覚悟があります。グルグル巻きに縛られた(=奴隷のように虐待された)オビ=ワンでも構いません。宅配を希望します

特記事項Summary
あらすじ
Thoughts in italics; telepathy in //.

斜体(訳文は斜体太字)は独白を、//はテレパシーを表します

Qui-Gon's relationship with Obi-Wan sets a bad example at the Temple.

クワイ=ガンとオビ=ワンの関係はジェダイ寺に悪い前例を残した

Feedback
お便り
The more I gets, the more I writes, so if you like what you read, please feed the writer. Warning: Proportion of writing to feedback may increase exponentially, unless I go up in flames shortly. E-mail only, please.

いただければいただくほど、執筆の励みになります。なので、お読みになって、お気に召されましたら、どうか作家にお便りをください。注意:お便りによって私が作品を書く量は指数級数的に増えるかもしれません。張り切りすぎてあっと言う間に燃え尽き(go up in flames=to explode)たりしない限りは。電子メールでのみお願いします。

BUT FOR GRACE
神の慈悲なくば

by Writestuff (Writestufflee@netscape.net)
ライトスタッフ著

注:題名の由来(最後に読まれる方がベターかもしれません)
"There but for the grace of God go I"=「神の慈悲なくば、他の者同様私とて、災厄に苦しんだことであろう」(自分が不幸に見舞われないことで決して奢ることの無いよう、常に謙虚に神の慈悲に対する感謝を忘れるな、自分が幸福なのはひとえに神の慈悲のおかげである)という古い格言に由来し、西欧の多くの叙情詩や歌の文句に使われている。聖フィリップ・ネリ(1515-1595)が言った言葉だと言われている。ここでいう「私」は「クワイ=ガンとオビ=ワン」のことであり、他の者は「レース・アステルとブルック・チャン」のことを表している。


Leth Astl checked the roster of in-residence Jedi once more, as she had twice a day every day for the last five, hoping she would find the name she was looking for. She would have checked it more often, every hour, had she not been a Jedi herself and thus supposedly able to control her impulses.
レース・アストルは滞在しているジェダイの名簿をもう一度チェックし直した。こんな風に最後の5日間というもの、レースは日に2回はチェックしていたのだ。探している名前が見つかりますようにと。もし(注:条件節のifを省略すると倒置が起きる。著者は本作品でたびたびこの倒置法を使用している)彼女自身がジェダイの騎士ではなく、その結果、「当然ながら」、このように高まる鼓動を抑えることができなければ、レースはさらに頻繁に、毎時間でもチェックをしたことだろう。

A bitter laugh crawled up her throat with that thought. "Supposedly" was indeed the operant word. Impulse control was one thing she was sorely lacking right now, one of the reasons she needed to speak with--
そんな感慨と共に、レースの喉からは苦笑いがこみ上げる。「当然ながら」というのはむろん自分にとって切実な言葉(operant word=key word)だ。というのも、今まさにレースが著しく欠けているのは、この動悸を抑える能力であって、そのためにレースは話を聞いてもらいたい衝動でいてもたってもいられないほどだったのだから。

He's back. Just in. Thank all the Lords of Light.Master Jinn and his padawan were back from their mission to Graffias, and much earlier than expected. Briefly, she wondered why, checked the sick-call list and found Kenobi's name on it.
が、とうとう彼は戻ってきた。今まさに到着したのだ。輝かしいすべてのフォースの統治者に感謝いたします。マスター・ジンとその弟子は予想していたよりも遥かに早く、グラフィアス星の任務から帰還した。一瞬、疑問に思ったレースは応診リストをチェックし、その中にケノービの名があるのを確認した。

So he had an injured or ill padawan on his hands. That meant he'd be down in the Healer's Hall. She straightened her tunic and ducked through the low lintel of the quarters she shared with her own padawan, who was in the practice rooms doing katas.
要するに、怪我を負ったか病に冒されたパダワンを、クワイ=ガンは連れ帰ってきたのだ。となると、クワイ=ガンは医療室(Healer=特に信仰療法を行う人)に閉じこもってしまったのであろう。レースは身なりを整えると、レース自身の弟子と生活を共にしている宿舎の、背の低い横木をくぐり抜けた。当の弟子は今頃、演習室でカタス(注:「Katas」=英語ではない。演習の一つ。日本語の「型」から来ているらしい。基本技の型取りのようなものだろう)をやっていることであろう。

Her own apprentice. The source of her problem.
レース自身の弟子。彼こそが、彼女の悩みの種であった。

She'd chosen Bruck Chun just a few months before his thirteenth birthday, seven years ago, knighted only a year herself when the Council first urged her to take a padawan.
レースがブルック・チャンを選んだのは、ブルックが13歳の誕生日を迎えるほんの数カ月前、今から7年前のことだった。その頃、レースは年に一度だけ与えられるナイト爵を授けられ、ジェダイ評議会の方から早く弟子を取るよう、レースは急かされていたのだった。

Not feeling at all ready, she had nevertheless done as she was asked, observing the crop of initiates with little idea of what to look for. Master Billaba had urged her to trust in the Force in her search, so she had attempted to do just that, letting it guide her, without much success for a time.
まったく心の準備ができていなかったレースは、それでも要請に従った。そして、どうやって自分の弟子を見付けたらいいのか、全く見当も付かないまま、新人の群れ(corp=group)をただ眺めていた。マスター・ビラーバはレースに対して、フォースを信じ、フォースが導くままに探すようにと励まし、レースは言われるままにそれを試してみた。フォースが彼女を導くままに。しばらくはいい首尾が上げられなかったとはいえ。

Then she had seen Chun spar desperately, angrily with Kenobi for Qui-Gon Jinn's approval, facing the same desperation and anger in his opponent. Yet the Jedi Master had chosen Kenobi, eventually, reluctantly, and not Bruck.
やがてレースは、クワイ=ガンの同意を得ようしたチャンが我を忘れたようなものすごい剣幕で、ケノービと口論になっているのを目撃した。同様にオビ=ワンもやけになったような怒りの表情を相手に向けていた。それでも最後には不承不承ながらも、ジェダイ・マスターはブルックではなくケノービを選んだ。

Like Master Jinn, she had sensed the fear and anger in the boys, but she had seen in Bruck the insecurity behind it, how jealous he was of his opponent's skills and accomplishments.
マスター・ジン同様、レースも若者たちには恐れと怒りを感じていた。だが、レースはブルックが心の中に不安を隠し、対峙している者が持つ能力と業績に対する激しい嫉妬に駆られているのを見抜いていた。

The source of Kenobi's anger was a mystery to her, but she had been unsure enough of herself at the beginning of her own training to recognize it in another, and to know that a kind master, one who loved and supported her padawan as much as her own had, could quell that sort of fear and the anger it gave rise to in a young one.
ケノービの怒りがどこから来るのか、レースには謎だった(注:オビ=ワンが怒っているのはこの作品の前段の作品に書かれているブルックとの確執のせいであるが、レースはそれを知らない)。だが、レースも修行を始めた当初は自分の能力に自信が無く、ブルックが(いいマスターに付きたいと)やっきになるのも分かるし、かつて自分のマスターがそうであったように、自分のパダワンを愛し、支えてくれるマスターこそが、この種の恐れとそれが若いパダワンに引き起こす怒りとを鎮めることができるということも分かっていた。

Bruck was strong in the Force and had great potential, as did Kenobi. She had felt she could help Bruck be the Jedi Knight he should be, so she had chosen him.
ブルックはケノービに劣らないだけの強いフォースを持ち、高い潜在能力を秘めていた。ジェダイ・ナイトになるのが当然なブルックが、そうなれるよう手助けするなら、自分にもできるだろうとレースは考えた。だからこそ、レースはブルックを選んだのだ。

He had more than repaid her efforts. He was a good student and worked hard to master himself and his lessons. He had grown from a rather sullen and angry boy with notable physical accomplishments in his training into a capable young padawan with a few flaws to iron out yet.
ブルックはレースの努力に報いる以上の成果を上げた。ブルックはよい教え子であり、己を知り、課題をマスターしようと一生懸命に修行に取り組んだ。どちらかというと無愛想で怒りっぽい少年だったブルックは、訓練によって堂々とした体格を獲得するにつれて、未だに改めるべき(iron out=困難・問題などを除く)欠点を多少は残しているものの、若き有能なパダワンへと成長を遂げた。

Bruck was a leader, comfortable with making decisions for others and with the responsibilities that attend to being the one to make them.
ブルックはいわゆるリーダータイプであり、まわりの者のために決定を下すことや、決定を下す者が背負う(attend on=伴う。to=>onが正しい)責任を厭わなかった(comfortable with=〜するのを嫌がらない)。

Once decided up on a course of action, she could depend upon him to follow through, and yet he was not inflexible, nor unleadable himself. He accepted her instruction and reprimands, even when harsh, with humility and gratitude.
一度方針を決めたら、最後までやり通してくれるブルックに、レースは安心していられた。だからといって、ブルックは頑固というわけではなく、言うことをきかせにくい(unleadable=cannot be led)というわけでもなかった。たとえ嫌なことであろうとブルックは、レースの教えや叱責を謙虚と感謝の心で受け入れた。

Like herself, Bruck was no diplomat. He was, instead, a warrior in what was increasingly a peacemaker's order, and the things he yet needed to learn she was not certain she could teach him: empathy, compassion, a greater degree of self-control.
レース同様、ブルックは駆け引きに長けたタイプではなかった。ブルックは、その手の策士というより、戦士であった。今後ますます和平調停者が必要とされる(in order=必要で)時代に生まれてしまった戦士だった。そして、これからも学ばなければならないブルックを、果たして自分が教えられるのかどうか、レースには自信がなかった。共感や同情心や、十分に自分を抑制する能力というものを……。

Yes, they were both severely lacking in the latter aptitude, she thought bitterly, her apprentice perhaps less than herself. It was an area of study in which she knew she could use a strict refresher course. As the master, so the apprentice.
確かに2人は共に、最後の才能を著しく欠いていた。レース自身、苦々しく思っているのだが、恐らく、弟子ともなれば、自分よりもさらに劣っていることだろう。この自制心を学ぶという点に関しては、もう一度基礎から厳しく勉強し直す必要があるのではないかとレースは痛感していた。マスターに欠けているなら、弟子はなおさらである。

Bruck was not, perhaps, the star among padawans that Kenobi was, with his brisk intelligence, effortless athleticism, and charm, but Leth's padawan was talented and gifted in his own ways. And equally handsome, she thought.
ブルックは恐らく、パダワンにおけるスター的存在ではなかった。旺盛な知性や生まれつきの高い運動能力や、人を引きつける力を持つケノービとは違って。しかし、レースのパダワンも有能であり、彼なりに天賦の才には恵まれていた。そして同じくらいハンサムだとレースには思われた。

Oh, yes. Bruck was very attractive, with his white-blonde hair, olive skin, and ice-blue eyes, the genetic traits of the K'Fhar Settlers. He had been a beautiful boy who had grown into a devastatingly handsome young man.
確かにそうだ。ブルックはたいそう魅力的であり、銀髪の髪の毛や、オリーブ色の肌、氷のような青い瞳といったクファー移民(注:この作品が発表された後、JA#7で実はブルックはザナトスと同じテロス星の出身であることが明らかになったという指摘あり)特有の遺伝的特徴を示していた。もともと美しい少年であったブルックは、今や誰もが驚くほどのハンサムな若者に成長したのだった。

And that was the crux of her problem.
そして、それこそがレースを悩みのタネだったのだ。

The constant proximity and emotional closeness shared by masters and padawans often led to feelings of desire in the younger of the pair, if their species were compatible, and much less often to the same feelings in the master.  
マスターとパダワンが始終間近にいたり、共感し合う機会が増えると、2人の分類種が一致する場合、年下の者の方に欲望に似た感情が芽ばえがちである。だがマスターの方はというと同じ感情に陥ることはそれほど多くはない。

The older of the two was expected to set the example of self-control, certainly never using the position of trust to take advantage of what was probably merely a crush on the padawan's part. Qui-Gon Jinn, unlike other masters in almost every aspect and this one as well, had chosen instead to take his padawan learner as a lover.
こういった場合、年上の者が自制心のお手本を示すべきだと思われていた。恐らくはパダワンの側の単なるのぼせあがり(crush=一時的にあこがれる)にすぎない感情につけ込もうと、全幅の信頼を寄せられる者という立場を利用するなど、間違ってもあってはならないことだと。だが、クワイ=ガン・ジンという男は、ほとんど全ての点で他のマスターたちとは違っているが、この点においても同様に、自制心を示すどころか、修行中のパダワンを自分の恋人として遇する道を選んでしまったのだ。

The Temple had been abuzz with the gossip for weeks now, since the two of them had retreated behind the closed doors of their quarters after reporting to the Senate on their mission, and not come out for four days.
ジェダイ寺はここ数週間というもの、ゴシップでもちきりだった(abuzz=full, busy)。ジェダイ評議会への任務報告を終えた2人が、その後、宿舎の扉を閉ざして、しけ込んだきり、4日間も外に出なかったからだ。

While they had been discreet in public once they had finally reemerged, Kenobi could not keep the swagger from his walk nor Master Jinn the small, satisfied smile from his lips.
初めは2人とも人前では畏まっていたのだが、ついに2人が姿を現してからは、ケノービはついつい自慢げに歩いてしまう自分を抑えきれなかったし(keep=control)、マスターのほうも密かに口元が満足げにほころぶのを禁じ得なかった。

Now, Leth somehow, disastrously, found herself faced with nearly the same problem Master Jinn had been confronted with, with one difference. She wanted Bruck, but her apprentice did not desire her.
レースは今、ある意味では不幸なことではあるが、マスター・ジンが対峙したのとほとんど同じ問題に、当の自分も直面している事実に気が付いた。たった一つの相違点を除いて……。それは、レースはブルックを欲していたが、彼女の弟子はレースに欲望を抱いていないという点である。

Every day, every hour, it became more and more difficult to accept that, quell her own feelings, and pretend to be nothing but his master. She hoped speaking to Jinn would help her find a solution. At least that's what she told herself.
一日ごとに、それこそ一時間ごとに、ますます困難になっていった。自分が愛されていないという現実を受け入れ、己の感情を鎮め、ただひたすらブルックのマスターの振りをするということが。レースはジンに打ち明け、解決の糸口を見つける手助けがほしかった。とにかくレースは自分自身にそう言い聞かせた。

She knew, however, that what she really wanted was his sanction.
それでもレースには分かっていた。自分が本当に欲しているのは、2人のことをジンに承認してもらいたいということなのだと。


"Master Jinn, might I have a word with you?"
「マスター・ジン、ちょっとお話したいことがあるのですが」

The voice was only somewhat familiar, but he recognized the face almost immediately upon turning in the Temple hallway.
声にどことなく聞き覚えがあるだけだったが、その顔が寺の玄関の方へ向けられるやいなやそれが誰なのか、マスター・ジンには分かった。

He and his apprentice were not long back from an aborted mission in which Obi-Wan had been injured, and Qui-Gon had just delivered his padawan to the Healers for their thorough inspection, indulging his newfound urge to fret over the young man, though he seemed well on his way to recovery.
オビ=ワンの怪我で中止のやむなきに至った任務からマスター・ジンとその弟子が戻って来るまでには随分時間がかかった。その上、クワイ=ガンはすぐに弟子を薬師のところへ連れて行ってしまい、すみずみまで検査させ、どう見ても弟子は快方に向かっているとしか思えないのに、若い男にやきもきするという新手の趣向にうつつを抜かしていた。

The woman who called after him now was Bruck Chun's master, Leth Astl. He had not seen her since their apprentices had tangled with each other a few weeks before, resulting in--among other things--a broken collarbone for Bruck and stiff punishments for both of them.
後ろから声を掛けてきた女性はブルック・チャンのマスター、レース・アステルだった。2、3週間前にお互いの弟子が取っ組み合いの喧嘩をして以来、マスター・ジンがレースに会うのは久しぶりだった。取っ組み合いの結果、--中でも極め付きなのが(among other things=数あるなかで)--ブルックの鎖骨が折れてしまったことと、そのせいで、2人にはきついお灸が据えられたことであった。

He knew her only by that brief encounter and her own reputation as one of the younger full Knights. She had been 24 at her trials and had a solid if undistinguished record of service.
ほんの短い間会ったことと、修行期間を満了した若い騎士だという経歴ぐらいでしかマスター・ジンはレースのことを知らなかった。彼女が挑戦したのは24才の時であり、それなりに頑張ってはいたが(solid=firm/well established)、飛び抜けて優秀だというわけでもなかった(service=ジェダイの騎士の任務)。

"Of course, Master Astl. I was just on my way to the gardens. Will you walk with me?"
「もちろんだとも、マスター・アステル。ちょうど庭に行こうとしていたところだ。付き合ってくれるかい?」

Bruck's master, a small woman in her early thirties, agreed but said nothing else until they were both settled on a bench in a secluded corner of the Temple's gardens.
ブルックのマスターである、30歳代前半のこの小柄な女性は、うなずいたものの、ジェダイ寺の庭の仕切られた一画に置かれたベンチに2人が腰を下ろすまでの間、黙り込んだままであった。

  Surrounded by trees and flowering bushes, this part of the gardens erased all signs of Coruscant's iron face from view and was scattered with many such private pockets where quiet conferences and meditations were carried out.
木と花の茂みに囲まれているため、庭園内のこの辺りはコルサント星(注:TPMでアミダラが向かった星。共和国が元老院議事堂を構える銀河宇宙の首都惑星であり、帝国支配時も新共和国でも政治の中心であった)特有の荒涼とした素顔を思い出させるいかなる兆候も視界から覆い隠され、人に聞かれたくない会合や瞑想を行うのにお誂え向きな隠れ場所が随所に点在していた。

"How may I help you, Master Astl?"
Qui-Gon said carefully, sensing the woman's distress through surprisingly slipshod shielding.
「私なんかがお役に立てるのかな? マスター・アステル」
クワイ=ガンは慎重に言葉を選んだ。この女性が抱えている苦悩が、驚くほど無防備なシールドを通して、伝わってきたからだ。

She turned startling green eyes on him, seeming to brace herself for a confrontation. Qui-Gon remained placid under her look.
レースはハッとするほど鮮やかな緑色の瞳をクワイ=ガンに向けた。その眼差しからは、ここまで来たらもう問題から逃げるまいという覚悟(brace oneself for〜=〜のために身を引き締める)が伺えた。クワイ=ガンはレースの視線を冷静に受けとめた。

"I'm afraid I need some advice, Master Jinn, and it's of a rather personal nature. If you find it too personal, please feel free to say so."
「申しわけありませんが、私はアドバイスがほしいのです、マスター・ジン。それもどちらかというと個人的な問題で……。あまりに個人的すぎると思われるなら、遠慮なく、そう仰ってください」

Qui-Gon indicated she should proceed, neither encouraging nor discouraging. She took a deep breath and plunged on.
クワイ=ガンは、励ますでもなく、かといって、たしなめるわけでもなく、ただ先を続けるよう、レースを促した。レースは深呼吸し、思い切ってこう打ち明けた。

"You see, I was wondering how you managed with your apprentice, managed to remain his teacher, before you knew how he felt about you."
「つまりそのぉ……私にはとても不思議に思えてならないのです。どうしてあなたは、そんなにも、ご自分の弟子とうまくやっていけたのか、師でありつづけることができたのかって……。弟子が自分のことをどう思っている分かるまでの間……」

Qui-Gon exhaled in a soft hiss, despite himself, even though her words came as no surprise. Her fear of discovery had been plain when they had met with Yoda and Mace to discuss their apprentices' punishment.
クワイ=ガンはわずかに息を飲んだ(注:多分大胆なレースの言動に戸惑って)。抑えようとしたにもかかわらず(despite himself=despite of his control)。クワイ=ガン自身は、レースの言葉に少しも驚かなかったいうのに。というのも、ヨーダとメイス(注:メイス・ウィンドゥ。ヨーダと同じく、ジェダイ評議会長。映画ではサミュエル・L・ジャクソンが演じている)が同席する中、自分たちの弟子に対する処罰を話し合おうと、クワイ=ガンとレースが顔合わせをした時点でもう既に、自分の思いがバレてしまうのではないかとレースがビクビクしていたのは、端から見ても明らかだったからだ。

This was, in fact, the issue that had sparked the confrontation between Bruck and Obi-Wan, and begun his own affair--though he hated to call it that, it was such a tawdry, temporary word--with his padawan.
"You find yourself in the same position?" he asked, hiding his previous knowledge.
これが、実は、ブルックとオビ=ワンの衝突を招いた原因であり、そしてクワイ=ガン自身にパダワンとの情事 --クワイ=ガン自身は情事と呼ぶことを嫌っていた。安っぽい、その場限りな感じがする言葉だったからだが--が始まるきっかけにもなったのだ。
「君も私と同じ状況にいると……?」
クワイ=ガンは尋ねた。前から知っていたことをレースには隠したまま。 

"Yes."
「はい」

"Does the boy know?"
「坊やの方はこのことを知ってるのか?」

"Yes. He . . . has no interest. I'm his master only, in his eyes."
「ええ。でも、ブルックは……無関心です。ブルックにとって私はただのマスターなんだと、彼の目にはそう、映っているんです……」

"Can you remain so?"
「そのままの関係でこの先もやっていけそうなのか?」

She looked away from Qui-Gon's piercing blue eyes.
"I don't know," she said quietly. Then, fiercely, despairing: "How did you stand it?"
レースはクワイ=ガンの突き刺すようなブルーの瞳から目を反らせた。
「分かりません……」
蚊の泣くような声でレースは答えた。やがて、激しい絶望を露にしながらこう訴えた。
「一体、どうしてあなたは耐えることができたのです?」

"Leth," Qui-Gon laid his hand on her shoulder, alarmed at the strength of her pain, "calm yourself," he said, speaking to her as he would to an overwrought padawan, a little sharply but not without sympathy.
「レース……」
レースの肩に手を触れたクワイ=ガンは、彼女の苦痛の深刻さに危険なものを感じた。
「そう思い詰めないほうがいい……」
クワイ=ガンは言った。神経が高ぶってしまったパダワンにいつもクワイ=ガンがそうしてやるような、やや厳しいが、思いやりを欠かさない話し方で。

"You're a Jedi Knight, a good one, from everything I've heard. You know how to deal with this yourself. I don't believe you need my advice."
「君はジェダイ・ナイトじゃないか。それも優秀な。そういう評判はあちこちで耳にするよ。この問題にどう対処したらいいか、君自身も分かっているのだろう。いまさら私が忠告するには及ぶまい」

"How did you stand it?" she repeated.
"Please, tell me."
「どうしてあなたは耐えることができたの?」
レースは同じ質問を繰り返した。
「どうか、教えて……私に」

Qui-Gon wasn't sure he could.
"I've twenty more years of living with my feelings than you," he said slowly.
自分がその任にふさわしいのかどうか、クワイ=ガンには疑問だった。
「私は自分自身の感情と共に、君より20年以上、人生を生きてきたのだよ(=なので自分が何を欲しているかは自分でもよく分かっている)……」
ゆっくりとクワイ=ガンは語り始めた。

"Even so it is difficult. Love is a very powerful emotion, and a very powerful part of the Force. But it is only one emotion, not the whole of us. And yet, the truth is, there were times I was no more certain than you that I could stand it," he admitted.
「だとしても、たやすいことではないのだ。愛というのはとても強い感情であると同時に、フォースの力を高めるのに欠かせないものでもある。とはいえ、それは単なる感情の一つにすぎず、我々が抱く感情のすべてというわけではない。が、それでも、私が耐えてこれたのかどうか、正直な話、君以上に自信を失ってばかりだったよ……」
クワイ=ガンは自らそう認めた。

"But you must not--cannot--let it cloud your judgement. Do what's best for the boy, and for the order. There aren't enough of us to be able to indulge our own feelings selfishly."
「だが、だからといって恋愛感情に駆られて自分の決断を鈍らせるなど--君にそんなことはできまいとは思うが--決してすべきではないのだ。将来のある若者にとって、そして使命にとっての、最善を尽くすのだ。私利私欲で感情が赴くままに振る舞える余地など我々には残っていないのだよ」

"Yet you do," she said bitterly, immediately apologizing.
「なのにあなたはそうしているじゃないの……」
苦々しげにそうつぶやいた途端、レースはすぐさま謝罪した。

Qui-Gon almost laughed, but realized how it would sound to her in her pain. Would that he had such freedom with Obi-Wan and Obi-Wan with him! There was so much he wanted to share with the boy that had no place between master and padawan learner.
クワイ=ガンはもう少しで吹き出しそうになったが、それがどんなにレースを傷つけることになるのか思い至った。自分がオビ=ワンと自由に愛し合い、オビ=ワン自身も自分と自由に接することができれば、どんなにいいだろう(Would that〜=〜と欲する)! だが、マスターと修行中のパダワンとの間で行うのはとてもはばかられるものの(have no place=to be completely unacceptable)、その若者と一緒にやってみたいことはまだ山のようにあった。

Even making love, there was a part of him he held in reserve for now, only hoping he could one day let it go with a man who had become his equal as well as his lover.
セックスに関することでさえ、クワイ=ガンには、適当な時期が来るまで先延ばしする(注:このシリーズの前作にあたる『Ecstasies』ではすでにクワイ受けが描かれているので、ここでは「いまだオビ=ワンには明らかにしていない真の自分」のようなものだろう。ちなみにメイス・ウィンドウとは23年間も付き合っていたというのでそういう同等な関係の時のありのままの自分という意味合いもあるのだろうし、オビの前にとった弟子のザナトスとの間にあった関係・秘密事項のような意味もあるのだろう)ようなところがあった。いつの日かその若者が自分の恋人にふさわしい自分と対等な男へと成長し、先延ばししていたものを解き放つ日が来ることを、ただひたすら願いながら。

And there were times he worried that Obi-Wan desired him only because Qui-Gon was his master, not because he'd come to love the man who played that role. Always he sought the balance between his own desire and his duty to his apprentice, but with imperfect success. But how could she know that?
そしてしばしばクワイ=ガンは不安に駆られた。オビ=ワンが自分にあこがれるのは、単に自分が彼のマスターだからではないか、たまたまその役割を演じているただの男として好きになったわけではないのではないかと。弟子に対する欲望と義務のバランスを、クワイ=ガンは常に保とうと努めてきた。だが、それは十分な成功を収めたとは言い難かった。だが、どうしてレースにそんなことが分かるというのだ?

"Less than you might think," he told Bruck's master, waving aside her apology. "I walk a very fine edge, being lover and master to my padawan, especially to one who feels so passionately because of his age and his nature. It's not a course I would recommend. It's not one you can follow, in any case, if the boy doesn't return your feelings."
「君が思ってるほどじゃない……」
クワイ=ガンはブルックのマスターに語りかけた。謝罪など要らないとばかりに手を振りながら。
「私は極めて危うい崖っぷちを歩いているのだ。自らのパダワンの、恋人であると同時にマスターでもあり続けるなどという……。それも、その年頃と性格のおかげで、とりわけ激しいまでに熱烈な思いをぶつけてくるパダワンを相手にだ。そんな道を君に勧めたくはない。その若者が君の気持ちに答えてくれる気がない以上、いずれにしても、そんな道のりを歩むことなど、君には耐えられるまい」

"No."
Her voice was neutral, but misery radiated from her like heat.
「ええ(=私には耐えられないでしょう)……」
レースの声は抑揚がなかったが、それでもその惨めな様子はクワイ=ガンにも熱が放射されるかのように伝わってきた。

  "Have you spoken with the Council?"
「評議会に話してみたのか?」

"Yes," she replied, voice catching. She drew a deep breath and closed her eyes, visibly straining for calm.
"They have suggested I find him another master."
「ええ……」
そう答えるとレースは声に詰まった。レースは深く息を吸い込み、目を閉じた。はたから見てもそれとわかるほど、穏やかに振る舞おうと必死になりながら(strain for〜=〜を求めて懸命に努力する)。

"Do what you must, Leth. Do what's right for the boy, not for yourself. You've passed your trials, but he has much to learn, and a half-trained padawan is a danger to himself and others. Don't fail him."
「なすべきことをするのだ、レース。君にとってではなく、その若者にとって、適切な行動を取るべきだ。君は(ジェダイの騎士の)審査に合格したが、ブルックにはまだまだ学ばねばならないことが残っている。半人前のパダワンはその者にとっても、回りの者にとっても、非常に危険な存在なのだ。ブルックが道を誤まるようなことがあってはならない」

She was silent for a long space. Qui-Gon sat with her in her misery, his hand on her back, lending her his own strength, a warm touch of the Force, and his sympathy. He was lucky, so lucky that Obi-Wan had loved him in return, lucky his Padawan was no fool, lucky this had happened when Qui-Gon had learned his own lessons.
長い間レースは黙り込んでいた。打ちひしがれるレースの傍らに座るとクワイ=ガンは、その背中に手を回し、自分の力を、フォースの暖かい触れ合いを、そして、心からの同情をレースに送った。自分は果報者だ。自分の愛にオビ=ワンが答えてくれたという幸運、弟子が決して愚か者ではなかったという幸運、このような関係になったのが、自分が修行を済ませた後だったという幸運に恵まれたのだから。

And yet, was it luck or the will of the Force? Qui-Gon was never sure where one began and the other ended. He firmly believed there were no coincidences, but it was not always a comforting thought.
それでもそれは、たまたま幸運だったせいなのか、フォースの導きによるものだったのだろうか? どれが原因で、どれが結果だったのかなど、クワイ=ガンには知る由もなかった。偶然その2つが同時に起こるなんてことはあり得ないと、クワイ=ガンは自分に堅く言い聞かせた。だが、そう考えたところで、必ずしも慰めになるとは限らなかった。

"Thank you, Master Jinn," Astl said finally.
「ありがとう、マスター・ジン……」
アステルは最後にそう答えた。

"It's very difficult," Qui-Gon said quietly.
"I am sorry."
「けしてたやすい道ではあるまい……」
クワイ=ガンはそっとつぶやいた。
「気の毒だが」

She nodded.
"But the way is clear. As the Code dictates."
レースはうなずいた。
「だが、なすべきこと明らかだ。戒律の命じるままに従うのだ」

"Yes."
He felt a hypocrite agreeing with her. He'd never believed the Code dictated anything.
「はい」
クワイ=ガンはレースに調子を合わせようとする自己欺瞞に気付いた。クワイ=ガン自身はいかに戒律が定めようとも、決して鵜呑みにする男ではなかったからだ。

It was merely a set of guidelines, to his mind, if it were anything more than simply teaching aphorisms. But that was his own heresy and not one she needed to hear at this moment.
クワイ=ガンの頭の中では、戒律というのは単に、ガイドラインの寄せ集めにすぎなかった。もしそれがただ格言を教えるよりはまだマシな程度のものだとしても。だが、それはクワイ=ガンの持論にすぎず、今ここで、レースに話すべきことではなかった。

"Please," she said quietly, and he knew she wanted to be alone. He touched her once more, stroking her short, dark hair, and left her to herself in the gardens.
「どうか……」
儚げなレースの物言いから、クワイ=ガンは彼女が一人になりたがっているのを察した。そこで、もう一度レースに触れ、その短い黒髪を撫でるとクワイ=ガンは、レースを庭に残したまま立ち去った。

He'd thought at first to do his meditations there, but was in no mood for them now. What he wanted was his padawan's sunny presence to silence his own fears.
当初クワイ=ガンはそこで瞑想に耽るつもりだったのだが、今はもう、そんな気分にはなれなかった。今のクワイ=ガンに必要なのは、己の恐怖心を吹き飛ばすような太陽のように快活なパダワンの存在だった。


Obi-Wan was surprised to see his master when he left the Healers Hall, had indeed been surprised he'd walked his apprentice there in the first place. Yes, he'd been injured, but he'd also been back on his feet for several days.
医療室から出てきたオビ=ワンは、そこにマスターがいるのを発見して、たいそう驚いた。もちろんマスターが自分の弟子をここに連れてきた(walk=他動詞では「見送る」「同行する」)というのからして(in the first place=そもそも)驚きだったのではあるが。確かにオビ=ワンは怪我をした、が、この数日間は自分の足で歩けるまでに回復していたのも事実だった。

It wasn't like Qui-Gon to hover unnecessarily, even now that they were lovers. What might seem cold and uncaring for a lover was simply good training for an apprentice. He was expected to take care of himself.
2人が恋人同士になった今でも、必要もないのにこんな風にうろつき回るなど、まったくクワイ=ガンらしからぬ振る舞いであった。付き合っている相手にとっては、冷淡で、思いやりに欠ける行為であっても、弟子にとっては、単に本人のためになる恰好の試練だったりするものである。オビ=ワンぐらいの男なら自分の面倒くらい自分でみるのが当然であった。

So when Qui-Gon had turned him over to the Healers--odd enough in his doing it himself--he'd fully expected to meet his master for evening meal, but no sooner, and that was yet some hours away. But here was Qui-Gon waiting for him only a short time after he'd left.
なので、クワイ=ガンがオビ=ワンを薬師へ引き継いだ時点では--わざわざマスター自身が、引き継ぐこと自体が十分おかしいことなのだが--夕食の時にはマスターに会えると、だが今すぐではなく、まだ数時間先のことだと、オビ=ワンは端からそう思い込んでいた。だが、治療室を出てまだいくらも経ってないというのに、クワイ=ガンはここで、オビ=ワンを待っていたのだ。

"Master, is something wrong?"
「マスター、一体、どうしたんです?」

"I was about to ask you the same, Padawan. What did the Healers say?"
「私も今、同じセリフ(どうしてって聞くのはどうしてか)を言おうと思っていたところだよ、パダワン。で、薬師は何と?」

//Liar.//
"Very little. The breaks are knitted, the muscles and ligaments healed. The two days in the bacta tank seem to have done the job quite well."
//嘘つきッ//
「特に何も。傷も塞がりましたし、筋肉も靭帯も治りました。あと2日もバクタ・タンク(注:細胞を回復してくれるbacteriaの培養液である、バクタ溶液を満たした治療用水槽。ESBではルークがワンパにやられた怪我を治しているそうです)に浸かれば、首尾良く任務を遂行できそうです」

//Impudent padawan.//
"The concussion?"
//パダワンの分際で生意気な//
「脳震とうのほうはどうかね?」

//Only when you hide things from me. What's the matter?//
"No sign of it, or any lingering effects. Just the lung congestion, and it's not bad."
//僕に隠し事なんかするからさ。で、何があったんです?//
「その兆候は見られませんし、後遺症の類も見られません。ただ肺に充血があると言うですが、悪性のものではないそうです」

It was a game they played often, always had, these double conversations on two different subjects, spoken aloud and shared mind to mind, a variation on a training exercise Obi-Wan had delighted in as a young padawan.
それは2人にとって戯れるのが常となった、一種のゲームのようなものだった。2つの別々の話題について、一方では声に出して、もう一方は互いの心を分かち合って、同時並行的に会話するというのが。そしてそれはオビ=ワンが幼いパダワンだった時分に気に入っていた訓練の一つでもあった。

//What makes you think I'm hiding anything?//
"And how long are they expecting that to last?"
//なぜ、私が隠し事をしていると?//
「どのくらい長引きそうなのかね?」

//Because I know you. Do you think I'm blind? What's wrong?//
"Not long. A few days, if I spend some time in a healing trance. It may take me a little longer to get my wind back. Easy exercises for a while, they said. Slow katas, no sparring."
//あなたのことなら全てお見通しですよ。僕の目が節穴とでも? で、何か問題が?//
「ほんの2、3日ですよ。昏睡治療をしばらく続ければ。呼吸が正常に戻る(get my wind back=走った後などに上がった息が元に戻ること)にはもう少し時間がかかるかもしれません。しばらくは軽いトレーニングをするように、ゆっくりしたカタス演習程度に留め、対戦訓練は避けるようにと指示されました」

"Good. I forget sometimes, Padawan, how resilient you are," Qui-Gon said quietly, smiling and cupping Obi-Wan's cheek in an unusually public display of affection. "Go and do the trance. I want you well. Until evening meal, then."
「それは何よりだ。どうも私は時々忘れる癖があるようだよ、パダワン。お前の回復力が人並み外れだってことをな」
そうつぶやくとクワイ=ガンはニッコリと微笑み、人前では滅多に見せたことがないような愛情のこもった仕草で、オビ=ワンの頬をそっと包んだ。
「さあ、昏睡治療に励んでこい。お前には良くなってもらいたいからな。それではまた、夕食の時に会おう」

Obi-Wan watched his master walk away with confused amusement.
"Fusspot," he muttered finally, shrugging, and turned back toward their quarters.
去っていくマスターの姿をオビ=ワンは戸惑いつつも嬉しそうに眺めていた。
「大げさな人だな……」
オビ=ワンは最後にそうつぶやくと、肩をすくめ、自分たちの宿舎へと引き上げて行った。


Bruck's master sat for a long time in the gardens after Master Jinn's departure before finally going to her knees. She felt angry and betrayed, both of those emotions driving her to actions she knew were foolhardy and desperate.
マスター・ジンと別れた後、ブルックのマスターは長い間、庭に座り込んでいたが、ついには(地べたに)ガックリと膝をついた(注:go to one's knees=kneel)。レースは彼に憤りを感じ、また、彼に裏切られたと思ったのだ。その2つの感情が、やがて無謀で自暴自棄だとレース自身も承知しているある行為へと、自らを駆り立てようとしていた。

She was angry that Jinn had cautioned her as the Council had, angry that he had not sided with her, angry that he had taken what he wanted and denied her the right to do the same. How dare he suggest his own situation was different from hers?
レースは腹を立てていた。まるで評議会のように、ジンが自分のことをたしなめたことや、自分の味方をしてくれなかったことや、また、自分は欲しいものを手に入れておきながら、レースが同じこをことをするのはダメだというのが、憎らしかった。よくもまあジンは、自分とは状況が違うなどと言えたものだ。

What padawan wouldn't jump at the chance to bed Qui-Gon Jinn? What master wouldn't, for that matter? He was deluding himself if he thought Kenobi actually loved him. The boy was barely 20, hardly a man long enough to know his own mind when it came to the charismatic man who'd raised him, anymore than Bruck--
クワイ=ガン・ジンとベッドを共にするチャンスに飛びつかないようなパダワンなどいるのだろうか? また逆にオビ=ワンと寝られるチャンスに手を拱いているマスターなどいるのだろうか? ケノービが実際に自分のことを愛してくれているのだとクワイ=ガン・ジンが考えているとしたら、自分を偽っているのに(delude oneself=思い違いをする)すぎないだろう。その若者はやっと20歳になったばかりで、成人になってまだいくらも経っていない男が、自分を誉めてくれるカリスマ的な男に関してどう思っているかなんて分かるはずもない。ブルックとて……。

Anymore than Bruck did. How could she think that? For seven years she had seen Bruck at his worst and his best and knew him well enough to be certain he was no indecisive fool. Nor was her padawan a stranger to his own emotions.
いや、ブルックなら自分の気持ちが分かるなんてものではないだろう(=Any more than Bruck knew own mind about Leth=分かりすぎるくらい分かる)……。何を根拠にレースにはそう思うのだろうか? 絶好調の時も最悪の時も、7年間もの間、ずっとレースはブルックを見守り続けてきた。十分にブルックの人となりを知り尽くしていたレースには、ブルックが自分の心を決められないほど愚かな男のはずがないと確信していた。それにレースのパダワンは自分の感情に気付かないほど野暮な男でもなかった。

Like all the apprentices, he had been given ample opportunity to make friends and find sexual partners and had done so, and she had in fact been touched by the fact that Bruck seemed much to prefer serial monogamy to the promiscuity some of the other padawans--including Kenobi--practiced. He knew his own mind, and his own heart. How dare she assume otherwise?
他の弟子たちが皆そうであるように、ブルックもまた、友人を作ったり、セックス相手を見つけたりする機会には恵まれていたし、実際にそれを楽しんでいた。が、ブルックは他のパダワンたち--ケノービとて例外ではなく--が実践しているような、不特定多数を相手にするセックスよりも、相手を特定した一夫一婦制のほうがよっぽど好みらしいという事実に、実のところレースは心を動かされた。ブルックは己の考えや気持ちをよく理解していたのだ。なので、ブルックが自分の感情に気付いていない(otherwise=異なって)のだと推論できる道理がレースにはなかったのである。

Master Jinn was right. She could no longer remain Bruck's master. Her own feelings for the boy were making a complete fool of her. Somewhere, she would have to find the courage to do what was right for the young man she loved and let go of him.
マスタージンは正しかった。これ以上ブルックのマスターを続けることなどレースにはもうできなかった。若者を求めるレースの思いはレースをすっかり愚かな女にさせてしまったのだ。それでもレースは、愛する若者のためを思って行動し、ブルックを手放す勇気を何としてでも振り絞るべきだと思うのであった。


In the dark, blinded: the invisible blade coming from nowhere, everywhere--here; parry; dodge, but not into the tumble of stones to the left; deflect the remote's three rapid shots; sense your opponent's feelings, look for distraction; avoid the uneven and slippery patch of flooring; lunge in with a low sweeping cut at the opponent's legs, overleaped, followed by an upward cut blocked with a circular parry and lunge forward again, bringing the sabers hilt to hilt, locking them with a hiss and whine against each other; an opportunity to gauge the opponent's size and strength as you strain against each other (large, powerful, winded and tiring, fearful? faltering? focused? too many f's--pay attention!); a wrenching heave sending you over backwards, rewarding that inattention; tuck, roll, reach out to anticipate the next blow; cut the power as you come up inside the opponent's guard; leap, twist, power-on, come down with your blade on the other, follow it to the floor with your body weight, trapping it there, "Hold," the Saber Master said.
暗闇の中、視界は遮られていた:見えない刃が、ここ以外の--いたるところからやってくるぞ(注:オビ=ワンの独白);剣を払い、身をかわすんだ。だが、左方にある石ころに足を取られないようにしなくては;遠くから来る素早い3回の攻撃を反らすんだ;敵の感情を読みとり、動揺を誘うように努めろ;不規則で、滑りやすい床の継ぎ目を避けろ;敵の脚を払うよう低めの一撃を喰わせろ。かわされるだろうが、剣を回すようにブロックしながら、高めの一撃をすぐさま加えるんだ。そして、再度前へ突き出し、相手のライトセイバ−の柄に自分の柄を合わせるようにあてがい、互いを摩擦音やきしみ音が鳴るくらいにガッチリと合わせ、牽制し合うんだ。こうすることは相手の大きさや強さを測るいい機会だ。(巨大で、力も強いが、息も絶え絶えになるくらいに疲れ果ているぞ。相手は怖がってるのか? 身がすくんでいるのか? 集中しているのか? fで始まる単語ばかりだな--っと、注意を怠るなよ!);ねじるようなうねりがお前を後方へ投げ飛ばぞ、ボーッとしてるからしっぺ返しを食うんだ;突き、身を転がし、次の一撃に備えて距離を取れ;敵のガードに飛び込んだらセイバーのスイッチを切れ(注:見えなくして敵を欺くため);飛び、ひねったら、セイバーを点火するんだ。刃を相手の刃に振り下ろせ、自分の体重を使って相手の刃が床に付くまで。その場から動けないように。
「止まって……」
とセイバー教練担当マスターは声をかけた。

"End the bout. Very good, both of you. A particularly nice maneuver at the end, Padawan Kenobi. How would you defend against it? Show Padawan Kashkakkia when she has retrieved her weapon."
「試合終了(bout=1試合)。2人とも上出来よ。特に最後のほうの演技は素晴らしかったわね、パダワン・ケノービ。どうやったらそんな風に防御できるのかしら? セイバーを回収し終わったら、パダワン・カシュカッキアに見せてやってちょうだい」

Obi-Wan stripped off his blindfold and ran his sleeve across his forehead, chest heaving, muscles trembling. He was soaked with sweat, his practice clothes reeking after the two-hour workout. They hadn't stopped for more than three brief time-outs, when both of them were simply too winded to continue.
目隠しを外すとオビ=ワンは額を袖で拭った。胸は上下し、筋肉は震えていた。2時間にわたる訓練のせいですっかり汗まみれになり、練習着もドロドロになっていた。既に3回以上の小休止を返上していた2人は、これ以上続けようにも、肝心の息のほうが続きそうに(winded=息切れした)なかった。

In a free bout like this, stamina won in the end and that was really what Obi-Wan had over the Wookiee apprentice he faced. Her reach was longer than his, her saber proportionately longer, and she moved with a natural silence Obi-Wan envied.
このような自由形式の試合では、最後にはスタミナがものを言うが、その点ではオビ=ワンのほうが目の前にいるウーキー人(注:チュ−バッカの種族。出身惑星はキャッシーク)の弟子よりも勝っていた(have over〜=〜より優位に立つ)。腕の長さはカシュカッキアのほうが長く、彼女のセイバーもそれに比例して長かったが、それにも増して、彼女の動作は、オビ=ワンが羨むほど、よどみなく、物音一つ立てなかった。

But large as Kashkakkia was, she wasn't as supple and hadn't been training as long or as hard as Obi-Wan had and was, in fact, several years younger and so less experienced.
だが、カシュカッキアのほうが体格が大きい分、柔軟さの点では劣り、また、今もオビ=ワンが続けているような長時間で過酷な訓練を積んできたわけではなかった。実際、カシュカッキアのほうがいくぶん年下で、その分、経験も乏しかったのだ。

Because of his recent injuries, Saber Master Harza had paired him with the younger padawans for the past week, making him teach as much he as practiced, only today giving him a real opponent.
負傷して間もないオビ=ワンのために、セイバー教練担当のマスター・ハルザはこの1週間というもの、オビ=ワンの相手を年下のパダワンにさせた。年下に教えることでオビ=ワンの練習にもなるようにとの配慮だ。そして今日はようやく、その中でもオビ=ワンにとってまともに互角に張り合えそうな相手を選んだというわけだ。

The running and swimming had helped get his wind back in a short time, and the healing trances had taken care of the last of the infection he'd carried back from Graffias. Kashkakkia had given him a good workout, despite her age. In a few years, she'd be a formidable opponent. In a few years, he'd be--well, that remained to be seen, didn't it?
ランニングと水泳で鍛えているオビ=ワンは、わずかな時間で呼吸を整えることができるようになっていた。さらにいまだ残っていたグラフィアス星から連れ戻された時のダメージも瞑想治療のおかげで完全に払拭できた。年齢の割にカシュカッキアは、オビ=ワンのいい訓練になった。あと数年もたてば、彼女は相当手強い相手となるだろう。数年後、オビ=ワンが(注:ジェダイ・ナイトになって……と言いかけたがはばかられて)--まあ、それは見てのお楽しみというところだろうが。

The Wookiee removed her own blindfold and retrieved her practice saber from where Obi-Wan's disarm had flung it, deactivated, several meters away.
ウーキー人は自分の目隠しを取り練習用セイバーを回収しに行った。それは武器を放逐させるオビ=ワンの妙技によって跳ね飛ばされ(fling=勢いよく投げる)、光を失い、何メートルか離れたところに落下していた。

Kashkakkia grinned a feral Wookiee grin at him and called her saber to hand effortlessly. Still breathing hard, Obi-Wan smiled his own feral smile, ignited his practice saber and brought it up in salute.
オビ=ワンにウーキー人独特の野性的な笑みを投げかけるとカシュカッキアは、何の苦もなく自分のセイバーを手中に呼び戻した。オビ=ワンの呼吸はまだ苦しそうにだったが、独特の野獣のような微笑みで彼女に応えると、セイバーを点火し、刀礼の恰好に構えた。

The remainder of the lesson was mercifully short, which was just as well, as neither of them were capable of more sparring. The sabermaster let them go shortly with her usual pithy advice and a dose of infrequent praise.
残りの訓練は有り難いことに短時間で終わり、双方ともちょうど、これ以上の対戦を続ける体力が尽きた頃だった。セイバー教練担当マスターは2人に対して、いつもながらにテキパキと要点を突いた(pithy=簡潔だが含蓄のある)アドバイスを与え、まれにしか言わないが誉め言葉もちょっぴり掛けてくれた。

"You are becoming a fine swordsman, Obi-Wan," she told him.
"Master Jinn has trained you well."
「あなたは素晴らしい剣士になったわ、オビ=ワン」
ハルザは声を掛けた。
「マスター・ジンの訓練がいいのね」

"Thank you, Master."
While the praise pleased him, he still had doubts he would ever be as skilled as Qui-Gon.
「ありがとうございます、マスター」
誉められて悪い気はしないものの、自分がクワイ=ガンと同じ力量に達したのかどうかというと、いまだにオビ=ワンには疑問だった。

Turning toward the practice room egress, he realized they had been observed.
練習場の出口のほうへと目を転じたオビ=ワンは、さっきからこちらを見つめている視線があるのに気が付いた。

The figure looked familiar, but it wasn't until he was quite close that he fully recognized the young man, who was also wearing a Padawan braid and tail. With a shock, he realized it was Bruck. He looked, Obi-Wan thought, like he'd felt just out of the bacta tank: pale and drawn and not himself.
その姿には見覚えがあった。だが、直ぐ近くに迫るまで、その若者もまた、パダワン独特の編み毛を付け、髪を後ろに縛っている(tail=ponytail)ことに、オビ=ワンはまったく気付かなかった。驚いたことに、それはブルックだった。オビ=ワンの目にブルックは、たった今バクタ・タンクから出てきたばかりのように映った。ひきつった顔は真っ青で、およそブルックらしくはなかった。

Obi-Wan wondered how long the other apprentice had been standing there, why he hadn't been aware of him as he had been aware of both Kashkakkia and the sabermaster during the bout, and what he was doing here
オビ=ワンは自分たち以外の弟子が一体いつからそこに立っていたのだろうかと思案した。そして試合の間、カシュカッキアとセイバー教練担当マスターの存在には気付いていたのに、どうしてブルックには気付かなかったのだろうか、そしてブルックはそこで何をしていたのだろうかと疑問に思った。

Obi-Wan clipped the practice lightsaber to his belt and wiped his face and neck with the towel he'd left among his gear at the door. Kashkakkia paused on her way out to give him a questioning look.
//Walk with me?//
練習用ライトセイバーをベルトに挟むとオビ=ワンは、ドア付近に置いた手荷物からタオルを取り出し、顔と首を拭った。部屋を出ようとしていたカシュカッキアは立ち止まり、オビ=ワンに何か言いたげな顔を向けた。
//一緒に帰ってあげましょうか?//

Obi-Wan shook his head.
"I think I'm wanted, friend. Perhaps I'll see you at evening meal."
The Wookiee nodded her assent, passed Bruck with a curious blue-eyed look, and left the two of them alone.
オビ=ワンは首を振った。
「ヤツは俺に話があるんだろうよ。じゃあな、夕食のときにでもまた会おう」
ウーキー人の女性はうなずき、好奇心で溢れんばかりのブルーの瞳でブルックを一瞥しながら立ち去った。2人はその場にポツンと残された。

"Bruck," Obi-Wan acknowledged.
「ブルック……」
オビ=ワンは今初めてブルックに気付いたかのように声をかけた。

"Kenobi. Brilliant move, that last," the other apprentice told him in an almost-friendly tone.
"One of your master's?"
「ケノービ。見事な演技だったな、特に最後の演技は……」
もう一人の弟子はオビ=ワンにまるで親しい友人のような口調で話し掛けた。
「お前のマスターの直伝か?」

Here we go again,Obi-Wan thought disgustedly.More baiting. More jealousy.He and Bruck had had a nearly disastrous run-in with one another only a few weeks before that had resulted in Obi-Wan losing his temper and breaking Bruck's collarbone, using the Force.
そ〜ら、おいでなすった……
そう思うとオビ=ワンはウンザリした。
おいおい、またやる気なのか。また嫉妬してやがる。
オビ=ワンとブルックはつい数週間前、目も当てられない取っ組み合いの喧嘩をしたばかりだった。その結果、怒りで我を忘れたオビ=ワンはブルックの鎖骨を折ってしまったのだ。それもフォースの力を使って……。

He'd received a huge number of demerits on his record; been placed on a halfyear's probation, during which time he was subject to unappealable expulsion; and caught unholy what-for from his master, who'd made his life hell for a time with extra work and training.
オビ=ワンの記録は大幅に減点になり、半年間の保護監察期間が科せられ、その間、オビ=ワンは執行猶予無しの謹慎処分を余儀なくさせられたのだ。さらに彼のマスターから大目玉(what-for=大目玉)食らい、その期間中は居残り仕事と特訓を強いられるという地獄のような毎日を過ごしたのだ。

"No, as a matter of fact, Padawan Chun. One of my own," Obi-Wan said evenly. This time, nothing Bruck said was going to disturb him.
「違うんだ、実を言うと、パダワン・チャン。あれは俺が開発した技で……」
抑揚のない口調でオビ=ワンはそう答えた。この時、ブルックが黙っていたことがかえってオビ=ワンをムッとさせた。

"Really? I didn't think you were capable of independent thought, especially not now."
「本当かよ? お前が自分の頭でものを考えられるとは思えないぜ、特に今はな」

"Not now what, Bruck?"
Obi-Wan just managed to keep the uneasiness out of his voice.
「今は何ができないだと、ブルック?」
オビ=ワンは声に動揺が表れないよう懸命に努力した。

"Why, now that you're fucking him. Or he's fucking you, or whatever it is the two of you do."
「なぜかって? お前があいつと寝てるからさ。それともお前が掘られてるのかな、それとも、両方だったりしてな」

Obi-Wan smiled gently, not quite condescendingly.
オビ=ワンは和やかに微笑んだ。だからといってそう自分を卑下する様子でも無く。

"It won't work again, Bruck. It's not a secret anymore. The Council knows, my friends know, his friends know; frankly, anyone here with half an eye can probably tell we're sleeping together. I should probably be grateful to you for bringing it all, ah, to a head, shall we say? I'm still sorry about breaking your collarbone, though. No hard feelings?" 
「ブルック、そんなこと言っても無駄だよ。今じゃ、もう秘密でも何でもないんだ。評議会も知ってるし、俺のダチもあの人の回りの連中もみんな知ってるよ。はっきり言って、ここにいるヤツならどんななまくらな目をしていても(half=不完全な)、俺達が一緒に寝てる仲だって言い当てられるよ。土壇場に追い込んでくれた(bring ..to a head=事態を危機に追い込む)お前に礼を言うべきなんだろうなあ。だけども俺は、お前の鎖骨を折っちまったことを今でも悪かったと悔やんでいるんだ。もう、痛まないのか?」

"You shit, Kenobi," Bruck snarled.
"You do the damage and I get punished. Do you know how many demerits I got on my record? Six! Because you assaulted me."
「茶番は止せ、ケノービ……」
ブルックはどなった。
「いつだってお前の方が先に手を出すのに、罰せられるのはこっちなんだ。俺がどれだけ減点を食らったと思う? 6点だぞ。お前が急に襲いかかってきたおかげで」

"Well, that's four less than I got, Bruck, and a halfyear's probation too, which is why I'm not playing. Excuse me, Padawan Chun. I've a class and I'd like to shower first."
「ふーんそうか、なら俺より4つ少ないじゃないか、ブルック。おまけに俺は半年の執行猶予まで食らったんだぜ。というわけで俺はもうお前とふざけてる場合じゃないのさ。それじゃ、失礼するぜ、パダワン・チャン。教練が終わったばっかりなんだ。とにかくシャワーを浴びさせてくれよ」

Obi-Wan picked up his duffle and started to walk past Bruck. The other apprentice grabbed him by his practice tunic and would have slammed him into the wall, had Obi-Wan not been just as well-trained as Bruck was sloppy in telegraphing his intentions.
オビ=ワンは手荷物をつかむと、ブルックの前を通り過ぎようとした。が、もう一人の弟子は、オビ=ワンの練習着をひっつかんだ。もし(条件説のifを省略による倒置法)オビ=ワンが高度な訓練を受けてないばかりか、何を企んでいるのか易々と読みとれるほどブルックが隙だらけでなければ(sloppy=いい加減な)、オビ=ワンは壁に思いきり叩きつけられていたところであろう。

Qui-Gon's apprentice stepped into the other boy's attack, using Bruck's own momentum to swing him into an armlock, which Bruck in turn twisted farther into until he had extricated himself again, turned, and in doing so, kicked Kenobi's feet out from under him and fell hard with him as Obi-Wan grabbed Bruck and pulled him down with him as he fell, half-twisting yet again to make the other apprentice take the fall partially under him.
クワイ=ガンの弟子はもう一方の若者が仕掛けてきた攻撃に対して受けて立った。ブルック自身の勢いを利用して、腕でガッチリと押さえ込んでブルックを振り回した。するとお返しにブルックは更に身を捩り、再びケノービの拘束からスルリと身をかわした。振り向き様にケノービの脚を下から蹴り上げると2人ともしたたかに倒れ込んだ。というのも、オビ=ワンはブルックをつかんでいたため、自分が倒れると同時にブルックを引っ張ったからだ。それでもまだ倒れた時に相手の弟子を少しでも自分の下に組み伏せようと、半身をねじった。

Regardless, Obi-Wan's shoulder hit the floor hard enough to jar loose his grip and he had to scramble to cover his opponent's body with his own and pin him to the floor. It had been a quick and lithe dance that would have earned at least back-handed praise from the combat master.
にもかかわらず、オビ=ワンは肩を激しく床に打ちつけ、そのショックで思わず握っていた手が緩んだため、相手の体を自分の体で覆い、床に押さえつけようとやっきになった。少なくとも、この目にも止まらぬ程のしなやかな身のこなしに対してだけは、格闘教練担当マスターから皮肉たっぷりの褒め言葉が与えられたことだろう。

"I won't fight you, Bruck," he warned the other apprentice. Obi-Wan rolled away and crouched close to the floor, bracing himself for the beating he expected, as the other apprentice got warily to his feet.
「ブルック、お前と争うのはもうゴメンだ」
オビ=ワンは眼前の弟子にそう警告した。オビ=ワンは転がるようにブルックから離れ、次の攻撃に備えて身を堅くしながら、床にうずくまると、もう一方の弟子は用心深く(warily=油断なく)立ち上がった。

"I'll let you kick the shit out of me and we'll see who ends up expelled. Is that what you want?"
「煮るなり焼くなり好きにしたらいいだろう(kick/beat/knock the shit out of a person=人を叩きのめす)。? 最後に除名されるのはどちらか、これではっきりするだろうよ。お前は除名されたいのか?」

"I don't care, Kenobi," Bruck cried.
"I've lost my master. What difference does it make?"
「そんなこともう、どうでもいいんだ! ケノービ……」
ブルックは叫んだ。
「俺は自分のマスターを失ったんだ。いまさら除名が何だっていうんだ(What difference does it make?=どれがどうしたというのか)」

Bruck wheeled away from him with a cry of despair and fled down the hallway. Obi-Wan let himself slump back against the wall and sat for a moment, catching his breath and shaking off the residue of fear and anger Bruck had left behind him.
オビ=ワンに背を向けるとブルックは絶望に満ちた叫び声を上げながら、逃げるように玄関へと去っていった。崩れるように壁に寄り掛かるとオビ=ワンはしばらくの間、座り込んでいた。息苦しさとブルックが残していった恐怖と怒りの感情の名残に気圧されて……。

There was something else he'd felt in that briefly unshielded moment before Bruck fled: despair, and a bone-deep pain. Almost, Obi-Wan felt sorry for him. Almost.
ブルックが逃げ去っていく前、ほんの僅か、ブルックのシールドが外れた瞬間に、オビ=ワもう少しで同情するところだった……もう少しで。

The encounter left a bad taste in his mouth and a sense of foreboding in his heart. Quieting his mind, he let the Force flow around him, searching into the murky future. As usual, nothing was clear, but there was a sense of darkness in his search that made him uneasy.
この遭遇はオビ=ワンの口の中に後味の悪いものを、そして心に嫌な予感を、残した。気持ちを鎮めながら、オビ=ワンはフォースを自分の回りに漂わせ、陰鬱な行く末に何が待ち受けているのか探ろうとした。が、いつものように、何一つ明らかにはならなかった。だが探ぐるうちに不吉なものを感じたオビ=ワンは胸騒ぎを覚えた。

He wondered if he should go after Bruck, decided against it, knowing how precarious his own position at the Temple was right now. Let Bruck start and finish it; he would have none of it. He sighed and shook himself, wincing.
オビ=ワンはブルックの後を追うべきかどうか迷った挙げ句、思いとどまった。ジェダイ寺における自分の立場が今まさに、どんなに危ういものであるかを思い出して。すべてをブルックに任せよう。すなわち、自分は何も手出しはすまいと。オビ=ワンは溜息を漏らすと、身震いして、体をすくませた。

"I'm going to have a hellish bruise there," he muttered, rubbing his shoulder, then got to his feet, picked up his duffle and went to the showers.
「おかげでひどい痣になりそうだぜ……」
肩をさすりながらオビ=ワンはそうつぶやくと、やがて立ち上がり、所持品を拾い上げ、シャワー室へと向かった。


Bruck was on his knees, trying to meditate, to still the pain in his heart and mind, to accept, to endure, to exist in the moment, to . . . not hate. Not hate the Council. Not hate Kenobi. Not hate Qui-Gon Jinn. Not hate his life for taking this turn. Not hate his own master.
ブルックはひざまずき、瞑想しようと努めていた。胸と魂の痛みを抑え、受け入れ、耐え忍び、その瞬間をやりすごそうと。そして……憎悪はすまいと。評議会を恨むな。ケノービを憎むな。クワイ=ガン・ジンを憎むな。このような仕打ちを受けた自分の人生を呪うな。そして、己のマスターを厭うまいと。

How could he hate her? She had given him so much, seen what others had not seen, taught him his strengths, made him face his weaknesses, cajoled and cared for him for seven years, brought him to manhood.
一体どうしたらブルックがレースを嫌うことなどできるというのだ?(How could=反語。〜できるわけがない) ブルックはあまりに多くのことをレースから与えてもらった。他の者が見たこともない物をレースは見せてくれた。ブルックに己の強さを気付かせ、また同時に、己の弱さをも見据えさせてくれた。7年もの間、ブルックに励ましの言葉をかけ、世話をし、ブルックを一人前の大人の男に育てあげてくれたのだ。

And now they were being separated. She would not become a master; he would find himself with a new one he had not known since adolescence. They would not see each other again, perhaps until he was raised to knighthood. All because she had fallen in love with him.
そして今、2人は離ればなれにされようとしていた。レースはもう誰のマスターにもならないだろう。ブルックとて自分が思春期の頃から面識があるというわけでもない見ず知らずのマスターと組まされるのだろう。再び2人が出会うことはあるまい。恐らくブルックが騎士の位に昇進する日までは。すべてはレースがブルックを好きになってしまったのがいけなかったのだ。

The thought left him shaking with anger, that she was being punished, they were both being punished, for something Jinn and Kenobi had gotten away with.
考えるうちにブルックは怒りで体が震えてきた。レースは罰せられるのだろうか。2人は共に罰せられるのだろうか。同じ事をしたジンとケノービは咎められなかったというのに(get away with=罰せられないでやりおおす)……。

The door to their quarters opened and he heard his master enter. He knew her footfalls, the rustle of her clothing as she removed her cloak and her boots as she had hundreds of times before in this small space that had become home. He felt her presence as she entered his room and stood before him.
2人の宿舎へと通じるドアが開き、マスターが入ってくる音が聞こえてきた。ブルックにはそれがレースの足音であり、レースが外套やブーツを脱ぐ時の衣擦れの音であることが分かる。今やわが家同然のこの小さな空間でレースが何百回となく繰り返えしてきたように。レースが自分の部屋に入り、自分の前に佇むと、ブルックはレースの存在を感じた。

"Bruck. My Padawan," she said, stroking his hair.
「ブルック。愛しいパダワン……」
レースはそう言いながら、ブルックの髪の毛を撫でた。

The pain in her voice almost undid him. He looked up at her.
"My Master," he replied softly.
レースの声に滲む心の痛みは、ブルックの自制心を失わせた。ブルックはレースを見上げた。
「マスター……」
ブルックはそっと答えた。

"No longer," she told him quietly, her hand toying with his braid.
"Tomorrow I'll be gone, and the Council will find you a new master."
「もうおしまいね……」
レースはブルックに弱々しい声でつぶやいた。ブルックの編み毛を手で愛でながら。
「明日になれば私は出ていくわ。そして評議会はあなたに新しいマスターを選んでくれることでしょう」

"I'm sorry, Master--" he began. She stilled him with a touch.
「申し訳ありません、マスター……」
ブルックは言いかけた。レースはブルックをなだめるように愛撫した。

"This is not your fault, Bruck. If anyone is to blame, I am. I don't want you to feel that way. I should have found the courage to do this before the Council had to. I don't want us to part with you feeling guilty. I don't want us to part . . ."
「ブルック、あなたに落ち度はないわ。非難されるべき人物がいるとしたら、それはこの私よ。お願いだから自分を責めないで。評議会が決断を下さないうちに、こうする勇気が私にあればよかったのに。あなたに罪の意識を植え付けたまま、別れたくはないわ。私はあなたと別れたくな……」

Her voice choked off and Bruck reached for her, pulling her down on her knees in front of him and into his arms.
そこまで言うとレースは声に詰まった。ブルックは手を掛け、彼女を自分の前にひざまずかせると両手で抱き締めた。

"I don't either," he whispered in the same choked voice.
"It's not right."
「私もです……」
ブルックのささやきもまた、かすれ声になっていた。
「(別れたほうがいいなんて思うやつらは)何の権利があるっていうんだ」

He held her close as she had held him so many times, as they had held each other in sickness and injuries, for warmth, for comfort, for reassurance. She had always been affectionate with him, quick with hugs, easy with small touches. He sensed something different in her embrace now.
ブルックはレースをきつく抱き締めた。ブルックにレースが何度もそうしてきたように。病めるときやケガを負ったときに2人がそうし合ってきたように。互いの温もりを求めるように、癒すように、安心させるように……。いつだってレースはブルックには優しかった。すぐに抱き締めてくれたし、たびたび気軽に触れてくれた。だがブルックは今、レースの抱擁にいつもと違う何かを感じていた。

She leaned back and took his face in her hands, stroking his white eyebrows with her thumbs, looking at him in wonder, as though seeing him for the first time. She stroked his cheekbones the same way, then his lips. Then she leaned in and kissed him.
ブルックから身を離すとレースは、ブルックの顔を両手で挟み、その銀髪の眉を親指でなぞり、不思議そうな顔でブルックを見つめた。まるでブルックを初めて見るかのように。同じようにレースはブルックの頬骨を、そしてその唇を撫でた。やがてレースは前屈みになると、ブルックに口づけした。

More than warmth flooded into him through their bond, a bond soon to be broken.
熱情以上の何かが、2人の間の絆、もうじき引き裂かれる運命にある絆を通して、ブルックの中へと流れ込んだ。

"Do you think I can do that so easily?"
Leth murmured against his mouth between kisses he returned in a sort of stunned reflex.
「軽い気持ちでそんなことが、私にできると思って?」
レースはそうブルックの唇にささやきかけた。呆然とした様子でブルックがキスに応じる間を縫って。

"As though our bond were a switch to be thrown? That I could just stop feeling your presence, just stop wanting you through the fact of your absence from these rooms? As if that were enough to sever us."
「私たちの絆がまるで簡単にオフできるようなスイッチだとでも? この部屋からあなたがいなくなるという事実一つで、私があなたという存在を感じることを止め、あなたを求める思いに終止符を打てると?(このThatは"Do you think I can do that so easily?"のthatのこと) 私たちの仲を無理矢理引き裂くにはそれだけで十分だと言わんばかりに」

  Bruck didn't know what to say. The emotions washing over him through their wide-open bond-- hunger, need, desire, so much desire--lit a fire in his groin. He felt himself growing hard, started to let his master go, but she would not let him.
ブルックは何を言ったらいいのか分からなかった。開け放たれた絆を伝って押し寄せてきた感情の渦に、ブルックは押し流された--飢餓感や、渇望や、欲望、あまりに激しすぎる欲望が--ブルックの股間に火を付けたのだ。雄の部分に欲望が漲るのを感じたブルックは、マスターを引き離そうとした。だが、レースはブルックを離そうとはしなかった。

She moved onto his lap, straddling his legs, and continued kissing him, pressing against him, rubbing against him.
レースはブルックの膝の上ににじり寄り、脚にまたがり、キスしながら、ブルックにぴったりと寄り添うと、身体を擦り付け始めた。

As though watching himself from a distance, he was aware of his arms sliding around her, beneath her tunic to the bare strip of skin between the bottom of her sash and belt and the top of her pants. She shuddered against him.
まるで遠くから眺めているかのように、いつの間にかブルックは、レースの体を包むように絡めた腕が、レースの上着の下にある、サッシュベルトの下端とズボンの上端の間の帯状の素肌へ達していたことに気が付いた。ブルックにもたれるようにレースは身を震わせた。

"Bruck, Bruck, if this is the last we are to be together, please, take me to bed. Make love to me."
「ブルック、ブルック、2人が一緒にいられるのも、もうこれで最後だとしたら、どうか、お願い、私をベッドに連れていって。私を抱いて」

As aroused as he was by her kiss, the touch of her body, the warm skin against his hands, the idea of bedding his master had never occurred to him and didn't appeal to him now.
レースのキスや、レースの身体の感触や、ブルックの手に伝わる肌の温もりは、ブルックの欲望をかき立てはしたが(As+形容詞+as=譲歩)、自分のマスターとベッドを共にするなどブルックには思いも寄らないことだったし、今はとてもそんな気分にはなれなかった。

It wasn't that she wasn't attractive, or that he didn't love her--but she was his master. Though he knew she had fallen in love with him and it hurt him to see her suffering, this was not what he wanted, and he balked at the idea, as much as he cared for her.
それはレースに魅力がないせいではなく、レースのことを愛していなかったからでもない--ただただレースがブルックのマスターだったからなのだ。ブルックにはレースが自分に恋してしまったことを知り、そのせいでレースが苦しむのを見るのは辛かった。とはいえ、自分が本当に望んでいることはけっしてこのようなことではなかった。そして、レースのことを大事に思えば思うほど、ブルックはそうすべきかどうか躊躇した。

"Please, Bruck," she whispered, holding onto him.
"Just this once, forget what I am. Do this one last thing for me. Love me."
Her voice was low and pleading and it rent his heart.
「お願いだから、ブルック……」
レースはささやき、ブルックにすがりついた(hold onto〜=しがみつく)。
「一度だけでいいから。そうすれば私のことなど忘れてもいいから。後生だと思って私を抱いて」
か弱く、訴えるようなレースの声に、ブルックの心は千々に乱れた(rent=引き裂く。rendの過去形)。

He owed her that much, he thought. She had given him so much in the years they had been together. He could do this one thing for her.
ブルックはレースに並々ならぬ恩があった。一緒にいた何年もの間、レースは実に多くのことを自分に教えてくれた。自分がレースのために報いることができることといったら、これぐらいしかなかったのだ。


"Here, my love, what's this?"
Qui-Gon asked his padawan, gently stroking his back.
「おいおい、オビ=ワン。何だね、これは?」
弟子の背中を優しく撫でながら、クワイ=ガンは尋ねた。

"You're all bruised here. What have you done with yourself? Did you get this sparring?"
Qui-Gon kissed the tender black and blue area over his shoulder blade, lapping it with his tongue.
「この辺全体が痣だらけじゃないか。一体何をしたっていうのだ? スパーリングの訓練でもしてこうなったのか?」
クワイ=ガンは肩胛骨を覆うように黒や青に痛々しく変色した箇所にキスし、包むように舌で舐め回した。

"You could say that."
They were lying together in bed in the early evening, drowsy in afterglow, Obi-Wan on his belly and Qui-Gon propped on one arm beside him, running his large, strong hand over his lover's skin.
「イイ線いってますね」
まだ宵のうちから、2人はベッドで添い寝し合っていた。快感の名残(注:この前に既に1度セックスしていると判断した。afterglowには「夕映えの光」の意味もあるが後述の理由によりここでは訳文の意味のほうを採用した。なぜ最初の時にオビ=ワンの「痣」に気が付かなかったのかについては、多分、顔を見合わせていたからだと思われる)の中でまどろみながら。オビ=ワンは腹這いに寝そべり、クワイ=ガンはその傍らで片肘をつき、大きくて、力強い手で、愛しい男の肌を愛撫していた。

Long denying themselves this kind of curiosity or the permission to indulge it, they were now fascinated by each other's bodies, exploring and experimenting and forever touching one another when time and place allowed it. Obi-Wan's medical leave had allowed them a luxurious portion of both, as well as relative privacy.
互いの身体に対して好奇心を抱くことやそれを欲望のままに満足させることを、2人は長い間我慢してきた(deny oneself=自制する)。が、今や2人はお互いの肉体にすっかり魂を奪われ、まさぐり確かめ合い、時間と場所さえ許せば、いつまでもお互いの身体に触れ合っているといった有り様だった。オビ=ワンの治療休暇は誰にも邪魔されず2人っきりになれるという贅沢な機会をもたらしてくれた。

"Or not. Which is it?"
Qui Gon inquired.
「ではない。とすると、一体何だ?」
クワイ=ガンは問いつめた(注:Qui Gonハイフン抜け)。

"Involuntary sparring. I had a brief encounter with Bruck this afternoon. He returned the favor of my very sincere apology by jumping me."
「不本意ならずも一悶着ありまして。今日の午後、ブルックと一瞬、鉢合わせになってしまったんです。こっちは一生懸命誠意を尽くして謝ってみせたっていうのに、ブルックの方から飛びかかって来て」

"Padawan--"
「パダワン……」

"Before you go lecturing me, Master, I'll have you know I was ready to take a beating from him had he chosen to give me one, rather than violate my probation. I told him I wouldn't fight."
「マスター、お説教される前にこれだけは知っておいてもらいたい(have+目+動詞原型=弱い使役)のですが、僕はいつだってブルックに殴らる覚悟でいました。もし(倒置:条件節のif省略)ブルックが僕にそう望むのであれば。自分が殴って執行猶予違反になるよりはましですから……。だから僕は争いたくはないとブルックにもちゃんと言ったんです」

"As you should have done, Obi-Wan. What was it he wanted?"
「お前はすべきことをしたんじゃないか(注:asの前にYou didが省略されている)、オビ=ワン。で、ブルックは何が不満だというんだ?」

"To complain about his punishment. Apparently, the six demerits on his record are my fault."
「自分が食らった罰に文句が言いたかったんじゃないのかな。誰が見てもブルックの記録が6点も減点されたのは僕のせいだから」

Qui-Gon shook his head, wondering what Master Astl saw in her apprentice.
"I feel badly for his master, having such a student. I'm very lucky."
He leaned over and kissed the back of his padawan's neck, then started down his spine.
クワイ=ガンは首を振った。マスター・アステルが自分のそんな弟子を見たらどう思うだろうかと思案しながら。
「ブルックのマスターが気の毒だな、そんな弟子を持って。それに引き替え、私はとても運がいい男だな」
そういうとクワイ=ガンはパダワンの上にのしかかり、首の後ろ側にキスをし、やがてそのキスは背中へと降りていった。

"Yes, you are," Obi-Wan agreed, stretching sensuously under this master's lips and tongue and little nips.
"He said an odd thing, though."
「そうそう。あなたはつくづく幸せ者なんですよ……」
オビ=ワンはうなずくと気持ち良さそうに伸びをした。この運の良いマスターの唇や舌や甘噛みの雨を浴びながら。
「それにしても、ブルックのやつ、妙なことを言ってたな……」

"What's that?"
Qui-Gon murmured distractedly, having reached the small of Obi-Wan's back, now being preoccupied with whether or not to proceed lower, and just how.
「一体、何と?」
一瞬、気が散ったクワイ=ガンはそうつぶやいた。オビ=ワンの腰のくびれた部分に達し、これより下に進むべきかどうか、そして、どうしてやろうかということに没頭していたというのに。

"He said he'd lost his master. Do you suppose the Council's separated them for some reason?"
「あいつ、自分のマスターを失うとか何とか言ってたんです。何かの事情で評議会に引き離されたのかな?」

Qui-Gon sat up, chilled suddenly. "I hope not, Padawan."
ハッと身を起こすとクワイ=ガンは思わず身震いした。
「そうでないことを願うよ……パダワン」

"Hey," his lover protested.
"Don't stop. Why are you so worried about them separating Bruck and his master?"
「あのぉ……」
恋人は不平を漏らした。
「手がお留守になってますよ。でも、どうしてそんなに気になるんです? ブルックとマスターが引き離されるかどうかなんてことが……」

"You know she's in love with him, don't you?"
「お前だって、レースがブルックに入れあげてたことは知ってただろう?」

"Yes, after you pointed it out to me that night I'd hurt him, when she came to our quarters with Master Yoda and Master Windu. Why does that worry you?"
「まあ……あなたがそう指摘してからはね。ブルックをケガさせてしまったあの日の晩、マスター・ヨーダとマスター・ウィンドゥに同行してレースが僕らの宿舎に来た折りに……。でもそれがどうしてそんなに気がかりなんです?」

"Because, Padawan, he doesn't return her feelings. The Council already suggested she find him another master, which means it's obviously begun to interfere with her teaching. If they've been separated now, that doesn't bode well."
「それは……パダワン……ブルックがレースの気持ちに応えてないからさ。すでに評議会はブルックに次のマスターを探すよう、レースにほのめかしたのだ。それはすなわち、レースが教育することへの明らかな介入が始まったも同然なのだ。もし、もう、2人が別れさせられてしまったのなら、それは決していい兆候ではないな」

"And you're worried they'll think the same of us."
Obi-Wan smiled indulgently.
「で、評議会が僕らにも同じことをするんじゃないかと心配なんですね」
オビ=ワンはあやすようにニッコリと微笑んだ。

"You're such a fusspot sometimes, Qui-Gon. She's much less experienced than you are and not even a Master yet. He's her first apprentice, I'm your third. She's not all that much older than I am--"
「あなたって人は、時々、大げさに空騒ぎしすぎるきらいがありますよね、クワイ=ガン。レースはあなたほど経験が豊富なわけでもないし、ましてやマスターとしての経験などもっと無いのですよ。ブルックはレースの最初の弟子ですが、僕はあなたにとって3人目でしょう。レースと僕とでは、そう年だって離れているわけでもないんですから」

"--Whereas I'm old enough to be your father. All right, my love. You've made your point. 'Fusspot,' is it?"
He nipped at Obi-Wan's shoulder.
「--するとお前は私が父親ぐらいの年だと言いたいんだな。そうかそうか、オビ=ワン。お前が言わんとしていることは分かった(make one's point=議論などで主張の正しいことを示す)。が、『空騒ぎしすぎる』というのは聞き捨てならんな」
クワイ=ガンはオビ=ワンの肩をガブッと噛んだ。

"Stop talking and go back to what you were doing."
「おしゃべりはもういいから、さっさと続きをやってくださいよ」

"Tyrant."
Qui-Gon ran his tongue down the small of Obi-Wan's back, stopping just above the cleft and was rewarded with a shiver and moan.
「ったく何様のつもりだ」
クワイ=ガンの舌がオビ=ワンの腰のくびれから滑り降り、ちょうど尻の割れ目の上で止まると、オビ=ワンはわななき、うめき声でそれに応えた。

"Ah--yes, Fusspot. Just there."
His apprentice squirmed, tilting up his pelvis.
「ああっ--イイ。空騒ぎ屋さん。そう、そこそこ」
弟子は尻を高く掲げるようにしながら身を捩った 。

"'Master,'" Qui-Gon insisted, reaching under him and closing his hand around Obi-Wan's scrotum, tugging gently and stroking his thumb over textured skin. He watched his apprentice's face go slack, heard him exhale a shaky "O--" and smiled smugly.
「『空騒ぎ屋』じゃない、『マスター』と呼べ……」
クワイ=ガンは言い張った。腹側に手をやり、オビ=ワンの陰嚢の辺りに近づけると、優しく手繰り寄せ、親指でその手触りの良い皮膚を愛撫した。クワイ=ガンは弟子の顔の筋肉が緩み、声を震わせながら「オゥ……」という音とともに息を吐き出すのを聞いて、嬉しそうに微笑んだ。

"Oh, Master . . . Fusspot," Obi-Wan breathed, raising his hips again, almost purring.
「ああ、マスター……空騒ぎ屋さん……」
オビ=ワンは息を吸うと、再び尻を高くつき上げた。まるで猫が喉を鳴らすような声を出して。

Qui-Gon smacked a playful hand across his apprentice's ass. The crack sounded like glass exploding and left a red imprint. Obi-Wan jumped, but not too far as Qui-Gon still had hold of his balls.
クワイ=ガンのいたずらっぽい手が弟子の尻をパシッと叩いた(注:acrossなのは片方の尻からもう片方へと横切るように叩いたから)。まるでガラスが割れるような音の後には、みるみるうちに赤い跡が浮かび上がった。オビ=ワンは思わず飛び上がったが、依然としてオビ=ワンの双球がクワイ=ガンの手に握られ続けているところを見ると、さほど高く飛び上がったわけでもなさそうだ。

"Oh, again, Master," he murmured in that absurdly sultry voice Qui-Gon had never dreamed his padawan possessed.
"Please."
「ああっ、もっとぶって、マスター……」
オビ=ワンはつぶやいた。自分の弟子がこんな、恥ずかしいくらいにみだらな声が出せるなんて、クワイ=ガンは夢にも思っていなかった。
「どうか……」

Qui-Gon obliged, a little harder.
"Not enough of these when you were small?"
クワイ=ガンはややキツめな一発でそれに応えてやった。
「お前が子どもの頃はこんなもんじゃなかったかな?」

"Obviously not," Obi-Wan agreed, sighing.
「はっきり言って、まるで物足りませんね……」
オビ=ワンは頷き、大げさに溜息をついてみせた。

"That explains a few things about your behavior. More?"
「ははん。そういうことならお前の振る舞いも納得がいくな。もっとやってほしいんだな?」

"Please--ah!"
Qui-Gon paddled him again, and again, and again, each time with a resounding, stingingcrack but little real force, until his apprentice was squirming and grinding against the sheets, moaning.
「は、早く--ああ!」
クワイ=ガンは再び、オビ=ワンを叩いた。何度も何度も何度も。その度に、ピシャリという痛々しげな音を立てて。そして、とうとう弟子は身をよじるようにシーツに躯を擦り付け、うめき声を上げた。

It seemed rather silly, but the look of utter abandon on Obi-Wan's face made it worthwhile. He straddled his lover's legs, stroking the firm round globes of his ass, soothing the sting with kisses and licks.
一見ばかばかしく見えても、こんなにもあられもないオビ=ワンの表情が拝めるのなら、こうするだけの甲斐は十分にあることだった。愛しい男の脚にまたがるとクワイ=ガンは、その尻の引き締まった丸い双丘を愛撫し、ヒリヒリする痛みを唇と舌で癒した。

Then he gently parted them and leaned down and tongued the ring of muscle at that tight entrance, smelling musky sex and salt sweat from their earlier lovemaking. Half hard already, the scent made him rigid.
やがてそっと双丘から離れるとクワイ=ガンは、屈み込み、硬く引き絞った筋肉に輪状に取り囲まれた入り口のところに舌をあてがい、前回の睦み合い(注:既に1回セックスしていると解釈した。そのため前述のafterglowは夕映えではないと判断した)の賜である、ムスク臭のような性香やしっぱい汗を味わった。その香りに、既に半勃ち状態だったクワイ=ガン自身は、たちまちはちきれんばかりに硬く張り詰めた。

He licked and tickled the delicate skin between scrotum and anus until Obi-Wan was arching into him, then probed inside with his tongue, which made his apprentice shudder and cry out.
クワイ=ガンが陰嚢と肛門との間の感じやすい肌をくすぐるように舐めると、とうとうオビ=ワンはクワイ=ガンに向かって尻を突き出した。さらに探るように舌を差し入れると、弟子はガクガクと身を震わせて泣き叫んだ。 

"Please--" he begged in a strangled voice, nothing sultry about it, pitching Qui-Gon the tube of lubricant from the bedside table with a wild backhand. Qui-Gon caught it, smiling at his lover's eagerness.
「も、もうダメです--」
オビ=ワンはつぶれたような声で哀願した。その声は官能的と言うにはほど遠いものだったが(about it=to strangle)。クワイ=ガンは、ベッドサイドテーブルにある潤滑剤のチューブを無造作に後ろ手でつかんだ。手にするとクワイ=ガンは、愛しい男がおねだりしているのを見て、ほくそ笑んだ。

Coating his fingers, he slipped one inside, moving in and out, brushing Obi-Wan's prostate until each breath was one long moan. As his apprentice arched back to meet him, he inserted a second finger, which made him buck and tremble.
指に塗り付けるとクワイ=ガンは、1本だけ挿入した。抜き差しするように動かし、オビ=ワンの前立腺をこすり上げるうちに、おおげさなうめき声がひと息ごとに聞こえるようになった。弟子がねだるように腰を突き出してきたので、クワイ=ガンが指をさらにもう一本増やすと、オビ=ワンはビクリと跳ね上がり、身震いした。

"Now, please!" Obi-Wan rasped, barely articulate, but Qui-Gon took his time, stroking and probing and opening him with his slick fingers while he spread more lubricant on his own rock- hard erection. Then, with a deft movement, he rolled Obi-Wan onto his back and spread his apprentice's legs with knees and hands.
「も、もう、入れてッ!」
オビ=ワンは聞くに耐えない、何を言っているかほとんど聞き取れないような声を上げた。だが、クワイ=ガンはそんなことはお構いなしに、すべりのいい指でオビ=ワンの内部を擦り上げ、探るように潜り、馴らし続ける一方で、さらに大量の潤滑剤を石のように硬く反り返った自分自身に塗り付けた。すると実に鮮やかな手つきで、オビ=ワンを仰向けに転がすと、自分の両手、両膝を使って弟子の両脚を思いっきり広げさせた。

Obi-Wan cried out and clutched the sheets futilely as Qui-Gon roughly dragged his hips up onto his lap and fitted himself against the loosened ring of muscle, then drove himself inside, all the while watching Obi-Wan's face.
その瞬間、オビ=ワンは悲鳴を上げ、無益な行為とはいえ、シーツをギュッとつかんだ。クワイ=ガンに手荒に腰を引き寄せられ、腿の上に乗せられると、十分馴らされた輪状に引き絞られた筋肉の秘所に自身をあてがわれ、そして、奧へと貫かれる間……。その間、クワイ=ガンはじっとオビ=ワンの顔を観察し続けていた。

His apprentice thrashed convulsively, wrapped his legs crushingly around Qui-Gon's waist, gasping, eyes closed and head thrown back in pleasure and need.
"Fuck me, Qui-Gon. Come on, fuck me! Hurry!" he panted, shaking, arching into his master, arms thrown wide across the sheets, completely open and vulnerable.
弟子は身も世もなくのたうち回り、脚でクワイ=ガンの腰を思いっきり締め付けると、喘ぎ、目を閉じ、めくるめく快感と肉欲の中で頭を後ろへと投げ出した。
「イカせて、クワイ=ガン。もっと深く、もっと突いて! 早くっ!」
オビ=ワンはあえぎ、身を震わせ、マスターをより深く飲み込もうと身を反らせ、シーツの上に思いっきり両腕を広げる様は、完璧なまでに無防備で、すきだらけだった。

Obi-Wan had rarely said that word in Qui-Gon's hearing, and never in the heat of passion or anger. The sound of it shocked him and also ignited a coal of fire that sent a searing heat into his genitals and a tremble through his limbs.
クワイ=ガンに聞こえるようにそんなセリフを言ったことなどオビ=ワンにはめったになかったことだし、ましてやクワイ=ガンが燃えるような情熱や怒りに駆られているときには、決して口にしたことがなかった。だがこのオビ=ワンの声音はクワイ=ガンを驚愕させると同時に、体の中の欲望の熾きに火を付け、クワイ=ガンの股間に欲望の火をたぎらせ、その四肢を震えさせた。

It was crude and coarse and utterly carnal, conveying nothing but consuming desire. Obi-Wanwanted him, all of him. Holding his apprentice's hips in a bruising grip, Qui-Gon thrust into him hard and withdrew and thrust in again.
"Say it again," he demanded hoarsely.
それは露骨で、淫らで、ひたすら肉欲のみを求める物言いだった(注:crude, coarse, carnalで頭韻を踏んでいる)。欲望を貪る以外の何ものも伝えることのない……。オビ=ワンはクワイ=ガンを、彼のすべてを欲していた。押しつぶさんばかりの握力で弟子の尻をわしづかみにするとクワイ=ガンは、オビ=ワンを深く激しくえぐっては引き抜き、そしてもう一度、突き刺した。
「もう一度言うんだ」
クワイ=ガンは声を荒げて、そう命令した。

"Fuck me! Gods, don't stop now! Fuck me, Qui-Gon! Make me come! Fuck me!" Obi-Wan begged frantically, reaching for his own weeping cock, marking the rhythm for his master.
「無茶苦茶にして! ああっ、そこで止めちゃ嫌だ! じらさないで、クワイ=ガン! 行かせてよ! 僕を壊して!」
狂わんばかりにオビ=ワンは懇願した。涙を漏らさぬばかりの陰茎に自分から手で触れ、マスターを促すようにリズムを刻んだ

"Such a vocabulary, Padawan," Qui-Gon growled, complying, quickly building to a pounding pace as the sounds coming from Obi-Wan grew more excited and desperate and guttural until he was almost shouting.
「そんな恥知らずな口の聞き方をして、パダワン……」
叱りながらもクワイ=ガンは、オビ=ワンに応えるかのように、たちまちリズミカルな抽送を刻み始めた。それにつれてオビ=ワンの発する声は、興奮の度合いを増し、もうどうにでもしてほしいような、よがり声になり、最後には今にも叫び出してしまいそうなほどだった。

"Come for me, love," Qui-Gon rasped, near it himself..
"Let go."
「達くがいい、オビ=ワン……」
クワイ=ガンは荒々しい声で言い放った。自分自身も絶頂が近いのを感じて。
「解き放つのだ」

All language gone, all coherent thought extinguished, raw with the need for release, Obi-Wan climaxed, crying out like a man being tortured, arching up on his shoulders, cum arcing in a jet over his hand and stomach, and a moment later Qui-Gon filled him with his own orgasm in a deep groan, thrusting blindly as Obi-Wan closed around him.
すっかり言葉を失い、正常な思考力は消え失せ、解放への激しい衝動に我を忘れ(raw=desperate)、オビ=ワンは絶頂に達した。拷問される男のように泣き叫びながら。肩で支えるように身体を弓なりに反らし、精液が弧を描いて手と腹の上に噴射された。一瞬遅れて、クワイ=ガン自身も重低音のうめき声を上げながらオーガスムに達した。オビ=ワンにしがみつかれながら、無我夢中で腰を突き上げるうちに。

Released, shaken more than he cared to admit at the depth of their passion, Qui-Gon inhaled deeply and ran his hands over Obi-Wan's sweat-slickened body to center himself, rubbed his lover's cum into his own palms and Obi-Wan's skin, brought his hands up over his lover's hips, thumbs stroking his belly, fingers gently raking his lower back, around his narrow waist and over the broad chest flaring into wide, muscled shoulders, down his muscular arms to the heavy, agile hands turned palm-upward in surrender...
解放され、互いの深い情熱によって、己の許容範囲を超えるほど(care to do=〜したい)激しく翻弄されたクワイ=ガンは深く息を吸い込み、汗で滑りやすくなっているオビ=ワンの身体を両手で撫でさすり、気持ちを落ちつかせると(center=精神を集中させる)、恋しい男の精を自分の手のひらに取り、オビ=ワンの肌にも塗りつけた。恋しい男の腰骨の辺りに手を掛け、親指で腹を撫で、残りの指で背中側の腰の下の方を優しくかき鳴らすように愛撫すると、次にその腰のくびれの回りを、やがて筋肉の付いた広い肩へと広がる幅広の胸の上を、そして筋肉質の腕の上へと降り、降参のポーズで手のひらを上にむけているそのどっしりと力強い機敏な手を愛撫した。

Both of them could feel the energy flowing along Obi-Wan's body under Qui-Gon's hands. His apprentice made small contented sounds.
"So beautiful, so tight," Qui-Gon murmured.
クワイ=ガンの手を通り、オビ=ワンの身体に沿ってエネルギーが流れ込むのを2人は互いに感じ合っていた。弟子はそっと満足げな声を漏らした。
「なんて美しい、なんて引き締まっていることか……」
クワイ=ガンはつぶやいた。

"And so noisy."
Obi-Wan smiled faintly and sighed as Qui-Gon disengaged himself with another small groan of pleasure and lay down beside him, pulling him close.
「おまけに、うるさいったらありゃしない」
オビ=ワンは微かに微笑み、溜息を漏らした。快感のあまり再び切ないうめき声を上げたオビ=ワンをクワイ=ガンが手離し、脇に横たえ、近くに引き寄せると。

"Where did you get such a foul mouth, Padawan?"
Qui-Gon murmured in his ear.
「お前はどこでそんなはしたない口の聞き方を覚えたんだ、え? パダワンよ」
クワイ=ガンはそう耳元で囁きかけた。

"Hmmph, as though that's a word you've never heard before," Obi-Wan replied sleepily.
「フーン、まるであなたはそういう言葉を聞いたことが無いみたいな口ぶりですね……」
オビ=ワンは眠たそうに答えた。

"Not from you. Noisy as you are, you're not much given to talking smut."
He licked the curve of his padawan's ear.
「お前からはな。いくらうるさいといっても(形容詞+as=譲歩。いくら普段、セックス中に大声を上げるからといって)、お前は今まで(be given to〜ing=耽る)この手の卑わいな言葉をあまり言うほうじゃなかっただろう」
そう言うとクワイ=ガンはパダワンの耳のカーブに沿って舌を這わせた。

Obi-Wan opened one eye.
"Did you like it?"
オビ=ワンは片目を開けてみせた。
「お気に召しましたか?」

"Yes, oddly enough. I suppose it's a quirk, like your thing for paddling."
「ああ。案外楽しいものだな。思うに、新鮮だったからではないか。お前の尻を叩いたときのように」

His apprentice grinned.
"Well, there's another thing to thank Bruck for, then."
弟子はニヤリとした。
「へえ、それじゃあ、ブルックに感謝すべきことがもう一つあったってことになるな」

"What--the paddling?"
Qui-Gon looked startled. That was a rather unbelievable scenario.
「何だ?--それは尻叩きのことか?」
クワイ=ガンの顔色が変わった。それはにわかに信じがたいシナリオだったからだ。

  "No," Obi-Wan laughed.
"The new vocabulary. That's what he said we were doing, this after noon, fucking each other. It must have stuck in my head."
「違いますよ……」
オビ=ワンは吹き出した。
「新しい言葉を教えてもらったってことですよ。あれは今日の午後に、2人でやり合っていた時にブルックから言われたんです。僕らが犯り合ってるって。きっと、それが頭の隅に引っかかっていたからでしょうね……」

"You know it's more than that, don't you," Qui-Gon asserted in sudden fierceness, holding him tight.
"You know I love you."
「それだけじゃないだろう……」
いきなり乱暴にクワイ=ガンはオビ=ワンを力任せに抱き締めると断固たる口調でこう言った。
「私がお前を愛していることが分かったからだろう」

Obi-Wan was surprised by his master's reaction and leaned up to kiss him.
"Yes, I do know that, Fusspot. And I've trust enough in you not to question whether you know it of me. Qui-Gon, what's wrong? You're awfully sensitive suddenly."
思いがけないマスターの反応に驚いたオビ=ワンは顔を上げるとマスターにキスした。
「ええ、分かりましたよ、空騒ぎ屋さん。それに僕はあなたのことを信頼し切っているんですよ。僕も同じだってことを知っているかどうか、あえてあなたに聞くまでもないくらいにね。それなのに、クワイ=ガン、一体、どうしたって言うんです? 突然妙にオセンチになって」

He propped himself up on his master's chest and looked into the cobalt eyes. Usually clear and piercing, or cloudy with passion, they'd gone a murky, indeterminate color, like stirred-up water.
オビ=ワンはマスターの胸に身を預けると、そのコバルト色の瞳をじっとのぞき込んだ。普段は澄み切っていて、突き刺すように鋭いか、情熱の蒸気で霞がかかっている(注:欲望でメラメラしている状態。英語では「欲望の熱い蒸気で曇っている(=steamy)」と言った表現をよく使う。「When Memory Fades - part onew」参考)ほどの目が、今は霧に覆われたように暗く、色は曖昧に濁り、まるでざわめく水面のようだった。

"What's bothering you, my heart?" he said, holding Qui-Gon's face between his hands, kissing him gently.
"Tell me."
「何を悩んでいるの? かわいい人」
そう言うとオビ=ワンはクワイ=ガンの顔を両手で挟んで、そっとキスをした。
「言ってごらんよ」

"I suppose," Qui-Gon said after a longish, self-searching pause, "that I'm afraid of losing you."
「恐らく私は……」
しばしの間、自分自身を振り返った後、クワイ=ガンはこう答えた。
「お前を失うのが怖いのだ……」

"You're really worried the Council will separate us, aren't you? Because of Bruck and his master. What are you not telling me?"
He wondered uneasily if this was the darkness he'd sensed earlier this afternoon.
「評議会の連中が僕らの仲を引き裂くんじゃないかって、本気で心配しているんだね? ブルックとマスターが引き離されたから。で、僕に言えないことって一体何なんです?」
これが今日の午後、自分があの時に感じた重苦しい雰囲気の原因だったのかとオビ=ワンは不安なものを感じた。

"Nothing, love," Qui-Gon reassured him.
"I know nothing you don't. It's just my own fears."
He paused, looking vulnerable in a way that made Obi-Wan's heart clench.
"It took me so long to find you--"
「そんなことあるわけがなかろう、オビ=ワン……」
安心させようとクワイ=ガンは言った。
「お前には何も隠し事はできんよ(注:I know nothing you don't knowの略=お前の知らなくて私が知っていることは何もない)。私の取り越し苦労にすぎん」
そう言うとクワイ=ガンは黙り、儚げな表情でオビ=ワンを見つめた。オビ=ワンは心が締め付けられた。
「やっとお前に出会えたかとを思うと……」

"I was here all the time," Obi-Wan said softly, kissing him again.
"I'll always be here, Qui-Gon. No matter where I am, I'll always be here."
「私はいつだって側にいたでしょう……」
オビ=ワンはそっとささやくと、再びクワイ=ガンにキスをした。
「これからだってずっとあなたの側にいますよ、クワイ=ガン。どこにいようとも、心は常にあなたと共に」


When Bruck woke again, she was gone and he knew he'd made a terrible mistake. From the first, it had been wrong between them. Not just awkward in the way first-time lovers were always awkward.
再びブルックが目覚めた頃には、もはやレースの姿はなく、自分がとてつもない過ちを犯してしまったことにブルックは気が付いた。最初から、2人には気まずいものがあった。が、単に初めて愛し合うカップルが往々にしてぎこちないのと同じような、ぎこちなさとはわけが違っていた。

Not just hungry the way first-time lovers could be. Not funny or ridiculous or uncontrollably passionate or hesitant or even weird. Just wrong.
初めてのカップルが往々にして陥りやすいように、単に性急すぎたせいでもなかった。こっけいだからというわけでもなく、ばかげているからでも、手に負えないほどの情熱に我を忘れたわけでも、躊躇したわけでも、ましてや気味が悪かったわけでもなかった。ただ単にうまくいかなかっただけだった。

He'd had casual partners before and found it difficult to understand why anyone would want to. He needed a deeper connection between himself and the person he took to bed than most of his fellow padawans seemed to, to make it worth his while.
以前はブルックもお手軽なガールフレンドと付き合ってみたことがあったが、なぜ人がお手軽なセックスをしたがるのか、結局のところはよく分からなかった。自分がベッドに運んだ女性と自分との間に、より深い結びつきを築きたいとブルックは思っていた。仲間のパダワンのほとんどがその程度で満足している結びつきよりもずっと深い、自分がそれだけのことをする甲斐のある(worth one's while〜する価値がある)結びつきを……。

Otherwise, it seemed like so much gymnastics and there were better ways to get a workout. A five-klick run didn't leave him feeling empty inside the way just fucking did. The way sleeping with--fucking--Leth, his master, had.
そうでなければ、セックスはまるで体操にしか見えず、トレーニングするほうがよっぽどマシに思えたからだ。ただセックスするくらいなら、ブルックの心を決して虚ろにすることの無い5キロメートル走(注:klick=kilometerのこと。ベトナム戦争用語という説あり)のほうがよっぽどマシだった--こんな風に彼のマスターであるレースと寝たり--セックスをしたりするくらいなら……。

It wasn't even that he hadn't been able to perform, hadn't made her come, hadn't satisfied her. It was that she knew she didn't have his heart as well as his body, that he had known it too. It made the act just that, an act, nothing more.
ブルックが満足な首尾を修めることができなかったからでも(注:愚息が十分勃たなかったということ)、レースをイカせることができず、満足させることもできなかったからでもなかった。レースはブルックの身体ばかりか、心でさえも自分のものにできなかったことを知ってしまった、そしてブルック自身もそうなるを知っていたからなのだ(注:前文がIt wasn't even that...に対して次の文がIt was that...で、なぜ5キロメートル走のほうがマシだったのかについて理由を対比している)。2人にとってセックスは単なる行為にすぎず、それ以上の何物でもなかった(<=今回のできごとは、セックスを単なる行為以上の、有意義なものにはしてくれなかった)。

He'd been careful and considerate during and tender with her afterwards, held her close, tried to make her feel cared for and cherished, but they'd both known that too was an act. He loved her, but not the way she wanted him to, and how or how much he loved her was not enough.
ブルックはその最中においては、細心の注意を払い、配慮に溢れ、事後においてもレースに優しかった。レースを抱き寄せ、レースがさも大切に扱われ、愛されているかのように思わせた。だが、2人は知っていたのだ。それもまた単なる行為だということを。ブルックはレースを愛していたが、それはレースがブルックに求めたものとは違っていた。いかに、そして、どれほど、ブルックがレースを愛したところで、それは決して十分ではなかったのだ。

And now she was gone, in the middle of the night. He reached out across their bond for her, found her shields tightly closed to him but still sensed her somewhere nearby. In the gardens. She must be meditating, he thought.
そしてまだ、暗い内にレースは立ち去った。ブルックは2人の間の精神的な絆を通してレースに触れようとしたが、レースのシールドは固く閉ざされブルックを拒否していた。だが、同時にブルックはレースがまだこの近くのどこかにいるのを感じていた。彼女は庭の中にいる。そこで瞑想しているに違いない。ブルックはそう思った。

But why was she shielding herself from him, from everyone? Something wasn't right. He began to fear for her without knowing why, got up and dressed quickly, and left their quarters, heading for the gardens. He was halfway there when he knew he'd started too late.
だが、なぜレースは自分を、そしてすべての人たちを拒絶しているのだろうか? 何か納得がいかない。なぜだか分からないがレースに不吉なものを感じたブルックは飛び起きると、素早く服を身に付け、宿舎を飛び出し、庭へと向かった。その途中でブルックは駆けつけるのがもはや遅すぎたことを悟った。


Every Jedi--every master, every knight, every padawan learner, and most of the initiates--felt it when she died.
すべてのジェダイの者達--すなわち、すべてのマスターと、すべての騎士と、すべてのパダワン学徒が、そして、入門して間もないほとんどの者が--レースの死の瞬間を感じとった。

Obi-Wan was dreaming of Rue Dariat, the young woman who had died in the same mudslide that had almost killed him, felt her ripped away from him again in his sleep and knew she was dead.
オビ=ワンはかつて、自分ももう少しで死にかけるところであった土砂崩れで命を落とした若い女性、リュウ・ダリアット(注:前作『The Anger Exercise』でオビとグラフィアス星に派遣された外交官随行員。オビ=ワンの幼なじみ)の夢を見ていた。夢の中でオビ=ワンは、彼女が自分から引き剥がされていく感覚を再び味わい、彼女が死んでしまったことを思い知らされた。

This time, there was pain associated with it, something hot, burning its way through his chest into his heart, searing it, cauterizing the breath in his lungs--
その瞬間、当時の記憶に結びついた苦痛が蘇り、何か熱いものが、オビ=ワンの胸から心臓に向かって燃え広がり、焦がし、息をするだけで肺がヒリヒリと痛んだ。

He cried out and found himself sitting up in bed, tangled in sweaty sheets like so many nights before. But the pain was still there. His chest was on fire. He couldn't breathe. Beside him, Qui-Gon writhed and clutched at his chest, face contorted in pain, sheened in sweat.
叫び声をあげ、ベットから飛び起きたオビ=ワンは、まるで自分が何日も前から汗みどろのシーツの中で、もみくちゃになっていたような気分がした。が、依然として痛みは残っていた。オビ=ワンの胸は火がついたように熱く、息も出来ないくらいだった。オビ=ワンの脇では、クワイ=ガンがもがき苦しみ、胸をかきむしっていた。その顔は苦痛にゆがみ、脂汗でギラギラしていた。

"Master!"
Obi-Wan gasped, struggling to breathe, leaning over him in fear. Pain flowed down his left arm as he knew it was flowing down his master's.
「マスター!」
オビ=ワンは喘ぎ、空気を求めてもがき、恐ろしさのあまりクワイ=ガンにすがりついた。そして自分の左腕(注:心臓は左にあるから)へと痛みが走ると同時にマスターの腕も同じ痛みに襲われたのが分かった。

Qui-Gon's eyes flew open and stared past him, unseeing, or seeing into somewhere else beyond the darkened room. His hand found Obi-Wan's arm, closing on it in a crushing grip.
"Padawan--" he gasped.
突然クワイ=ガンの目が開いたが(fly+補語=突然〜になる)、その視線はオビ=ワンを通り越した。まるで何も見えていないか、あるいは、暮れなずむ部屋のどこか彼方を見つめるかのように。クワイ=ガンの手はオビ=ワンの腕を見つけると飛びつき、ギュッと握り返した。
「パダワン--」
クワイ=ガンは喘いだ。

"No! Qui-Gon!"
「イヤだ! クワイ=ガン!」

Abruptly, the pain stopped. Both of them sagged in its wake, drawing deep, shaky breaths.
突然、痛みは治まった。目が覚めた2人は憔悴し切っていて、震えながら深々と息をついた。

"Are you all right?" they said simultaneously, touching each other's chests in identical gestures. It would have been comical, Obi-Wan thought, without the memory of that agony. At that moment, they knew the source had been neither of them. Qui-Gon's apprentice nearly sobbed with relief.
「大丈夫か?」「大丈夫ですか?」
2人は同時に声をかけた。互いの胸に手を触れながら、鏡に映したようにそっくりな身ぶりで。2人が襲われた激しい苦痛の記憶がなければ(注:without=but for=if it were not for〜。仮定法と同じ意味で使われる副詞句)、それはさぞ滑稽な光景だったろうとオビ=ワンは思った。そして次の瞬間、2人は苦しみの原因が自分たちにあるのではないことを悟った。クワイ=ガンの弟子は安堵のあまり思わず涙がこぼれそうになった。

"I thought you--"
「あなたのことだと思って--」

"You were--but no. It's someone else," Qui-Gon said, closing his eyes again and sending his senses out into the web of life he was so closely connected to.
"Bruck's master," he said softly, a moment later. "In the gardens."
「私もお前のことかと思った--が、違った。別の誰かだ……」
クワイ=ガンは言い、再び目を閉じると、自分が固く親密に結ばれている、命の結束(注:the web of life=フォースによって一体となったジェダイ同志の精神の連帯)に向かって意識を飛ばした。
「ブルックのマスターだ……」
一瞬の間の後、クワイ=ガンはそっとつぶやいた。
「庭にいる」

"He's killed her," Obi-Wan said, horrified.
「まさかブルックがレースを殺したんじゃ……」
オビ=ワンはそう言うと自分でもゾッとした。

"No, Padawan," he shook his head, a deep sadness in his voice.
"I don't think so."
「いや、違う。パダワン」
クワイ=ガンは首を振った。深い悲しみに滲んだ声で。
「そうではないだろうよ」

They dressed and went to the gardens, as so many others had. None of them remembered anything like this happening at the Temple within their lifetimes, that a knight would kill herself, and for what reason? Mace Windu unerringly found them among the others who had come out of curiosity and horror.
服をまとい2人が庭に出た時には、すでに大勢の人が集まっていた。誰ひとりとして、生まれてこの方、これほど大変なことがジェダイ寺で起こったことを知る者などいなかった。ジェダイの騎士が自殺するなんて。一体、どうして? メイス・ウィンドゥは目敏く発見した。好奇心と恐怖心に駆られて飛び出してきた人だかりの中に例の2人がいることを。

"Qui-Gon," the council member called to him, his height making him clearly visible, even in a crowd including more than humans. It parted around Windu without effort, making a clear avenue to Obi-Wan's master. Master Windu looked ashen even in the half-light of the gardens' main path.
「クワイ=ガン……」
その評議会員はクワイ=ガンに声をかけた。クワイ=ガンのその高い身長は、人間以外の種族も集まっている群衆の中にあってもとりわけ際立っていた。労せずしてウインドゥの回りからはサッと人垣が離れ、オビ=ワンのマスターである男へ通じる道が開かれた。庭園のメインストリートの薄明かりの下でさえ、マスター・ウィンドゥの顔は青ざめて見えた。

"Did she say why?"
Qui-Gon asked without preamble. Scowling silently, Windu handed him a pocketholo. He flicked it on, flinched almost imperceptibly at the image of Leth Astl on her knees beside a garden pool, lightsaber hilt laid precisely in front of her.
「レースは理由について何か言い残しているのか?」
クワイ=ガンは単刀直入に尋ねた。険悪な表情のウィンドゥは黙ったまま携帯ホログラム機をクワイ=ガンに手渡した。スイッチを入れたクワイ=ガンは、庭園のプールのほとりにひざまずいているレース・アストルの姿を目にした途端、ほとんどそれと気付かれないくらいだが、ほんの微かたじろいだ。彼女の正面にはライトセイバーの柄がきちんと据えられていた。

"Master Jinn," she said in a calm voice, calmer than it had been when they had last spoken here.
「マスター・ジン……」
レースは穏やかな声で話し出した。ここで2人が最後に言葉を交わした時よりもずっと穏やかな声で……。

"I thought you of all people should know why I am doing this. I hold no one responsible for my actions, least of all my padawan, whom I love with all that I am, or you, but I see no alternative. I have neither your emotional strength nor your fortitude, nor the stomach for giving up my apprentice to another. The Council has decided to separate us and I find I am unable to sever the bond between us as I must if Bruck is to have a new master. I am following your advice, Master Jinn and doing what is best for my padawan."
The holo winked out.
「私はあなたがたすべての人たちに、私がなぜこのようなことをしようとしているのかを知らせるべきだと思いました。私の行いに誰一人責任はありません。少なくとも私がすべての愛を捧げて愛した私のパダワンにも、あなたにも……。でも私にはこうするより他に方法がなかったのです。私にはあなたのような精神的な強靭さや我慢強さもなければ、諦めて私の弟子を他の者に譲る(渡す=give up〜to〜)のに耐えられる力(stomach=tolerance/endurance)もありませんでした。評議会は私たちに別れるよう決定を下しましたが、たとえブルックが新しいマスターを見つけられるよう(注:be to do=予定、義務、可能、運命を表す。ここでは可能)にするのが私の当然の義務だとはいえ、2人の間にある絆を無理矢理断つことなど自分にはできないのだと悟りました。私はあなたの忠告に従います、マスター・ジン。そして私のパダワンにとっての最善を尽くすことでしょう」
言い終わると、ホログラム像は消滅した。

"I know that's not what you told her, Qui-Gon," Windu said archly. His tone angered Obi-Wan and he fought to calm himself, as it seemed to leave his master completely unaffected. The two were old friends, yearmates, former lovers, and their bickering went back years.
「君がレースに話したのがこういうこと(自らの命を断て)ではなかったことぐらい分かっているよ、クワイ=ガン……」
ウィンドゥはからかい気味にこう言った。その口調は暗にオビ=ワンを非難していたが、どうにか自分の感情は抑えるよう努めた。というのもオビ=ワンのマスターはまるで自分の相手をする余裕など無いといった様子だったからだ。ウィンドゥとクワイ=ガンは昔からの友人同士であり、同期生(注:M&Aではyearmatesではなくclassmatesになっていた)でもあり、昔は恋人同士だったこともある仲だったし(注:メイスとクワイ=ガンが付き合っていたという設定はslashに多い。このシリーズでは2人はオビ=ワンを弟子にとる3年前、いまから10年前に別れている)、長年お互いに議論(bickering=arguement)を重ねてきた。

Usually it was more good-natured, unless Council business was involved, but tonight, as it did on those occasions, it made Obi-Wan nervous and irritable.
普段の議論はもっと質のいいものだった。評議会がらみの問題でない限りは。だが、今夜は、まさにその評議会に関する問題であったゆえに、オビ=ワンは神経質になっていたし、怒りっぽくなっていた。

Qui-Gon shook his head, saddened and horrified.
クワイ=ガンは首を振った。悲しみとショックのあまり呆然となって。

"No, Mace. I told her not to let her feelings cloud her judgement, to do what was right for the boy. I thought she would find him another master. Not this. Had I suspected she was this desperate and unbalanced, surely you know I would have said something to you or someone on the Council. When did you tell her you were separating her from her apprentice?"
「いいや、メイス。私はレースに、一時の感情に流されて自分の判断を曇らせるなと言ったのだ。前途ある若者にとって正しいことをしろと。当然レースはブルックに、他のマスターを見つけてくるだろうと思ったのだよ。こんな方法(=自殺)などではなく。もし(倒置:条件節のif省略)これほどまでにレースが自分を失い、常軌を逸していたと分かっていたなら、君や評議会の連中に私が黙っているはずがないだろう(Surely=文頭に用いて、不信・確信の意味に)。一体、いつ弟子と別れるようにとレースに命じたんだ?」

"This morning. She seemed to take it well. Better than the boy. He was quite upset."
「今朝さ。レースは十分納得したように見えたよ。少なくともあの坊やよりはね。ブルックときたら、てんでうろたえてしまって……」

"Yes. He met my padawan in the practice rooms; Obi-Wan said the same thing."
「だろうな。練習室で私の弟子がその直後にブルックと出くわしてね。オビ=ワンもそんな風なことを言っていたよ」

"When did she come to you, Qui-Gon?"
「レースが君のところに来たのはいつだったんだ? クワイ=ガン」

"Immediately after we returned from Graffias. I had only just taken Obi-Wan to the Healers. She was distraught then. We only spoke for a few minutes. I've seen nothing of her since. Perhaps I should have sought her out again," he finished regretfully.
「私とオビ=ワンがグラフィアス星から戻って来た直後だったよ。ちょうどオビ=ワンを治療室に連れて行ったところだったんだ。レースはあの時、ひどく取り乱していてね。ほんの2、3分しか一緒に話していなかったのに。それがレースを見る最後の機会になってしまうとは。思うに私はあの時、どんなことをしてでもレースを捜し出して、もう一度会っておくべきだったのだ……」
無念そうに、そう言うとクワイ=ガンは黙り込んだ。

  Obi-Wan watched Qui-Gon and Master Windu attentively, sensing a bit of guilt in the former and deep misgivings in the latter. He was beginning to share some of his master's worry for their own future together.
オビ=ワンはクワイ=ガンとマスター・ウィンドゥとをじっくり観察した。前者からはわずかな罪の意識が、後者からは深刻な懸念が感じられた。自分たち自身の将来を心配する我がマスターの不安をオビ=ワンは少しでも分かち合おうとしていた。

"Master Windu," Obi-Wan said quietly, in part hoping to escape Windu's appraising gaze, in part to distract him, and in part because he felt it was the right thing to do, "I'd like to find Bruck. Is he with her?"
「マスター・ウィンドゥ……」
おずおずとオビ=ワンは申し出た。半分は値踏みするようなウィンドゥのきつい視線を反らしたい、自分から注意を反らせたいがために。そして、もう半分は、自分がそうする(面倒を見る)のは当然のことだとオビ=ワンも思ったがために。
「ブルックを探しに行かせてください。彼はレースのところに?」

Windu gave Qui-Gon's apprentice a skeptical look.
"What could you hope to say to him, Padawan? Do you think he'll welcome comfort from you?"
ウィンドゥはクワイ=ガンの弟子に疑い深げな顔を向けてこう言った。
「今さらお前に何が言えるというのだ、パダワン? ブルックがお前の慰めを素直に受け入れるとでも思ってるのか?」

"Respectfully, Master, we have known each other a long time. We've not been entirely friendly, but we are yearmates, and we have a history, as do you and my master."
「謹んで申し上げます、マスター。ブルックと私はお互い、旧知の仲です。全くの親友というわけではありませんが、同期生同士ですし、あなたとマスターとがそうであるように、私たちにも長いつきあいというものがありますから……」

"Go to him you should, young Obi-Wan," Yoda's voice piped up from behind them. The little Jedi Master had cleared another avenue through the crowd, arriving after Windu and other Council members. That seemed to settle the matter, as Master Yoda's opinion often did.
「ブルックの元に行くがよかろう、若きオビ=ワンよ……」
突然、彼らの背後からヨーダの甲高い声が聞こえてきた。ウィンドゥを含む他の評議会員達に遅れて到着したこの小さなジェダイ・マスターのために、人だかりの中にもう一本別の通路が開かれた。これでようやく、この問題も収まりそうに思えた。今までもしばしばマスター・ヨーダの意見によって問題が収まってきたからだ。

Obi-Wan bowed to all three senior Jedi, murmured "With your permission, Master," to Qui-Gon, who nodded assent, and walked toward the far end of the crowd, which parted around him and had formed a quiet, respectful crescent around the clearing where Leth Astl's body lay.
オビ=ワンは3人の先輩ジェダイ全員に礼をし、
「お許しいただけて感謝いたします、マスター……」
とクワイ=ガンに向かって、うやうやしく答えた。クワイ=ガンがうなずいて見せるとオビ=ワンは(自分たちとレースを隔てている)人垣の向こう側と歩き出した。するとオビ=ワンを遠巻きにするように人垣は分かれ、レース・アステルの遺体が横たわる空き地(clearing=森林の中の開拓地)を静粛で厳かな三日月状形に取り囲んだ。

He was surprised to find Bruck kneeling beside her with her head in his lap, stroking her hair, his eyes glassy with shock. Somehow, he hadn't imagined the other apprentice would react to his master's death with anything but anger.
ブルックの姿にオビ=ワンは愕然とした。レースの傍らにひざまずき、彼女の頭を膝に載せ、その髪の毛を撫でているブルックの目からはショックで生気が失われていた。自分のマスターの死を前にして、怒り以外の感情を抱く弟子の姿なんて、どういうわけか、オビ=ワンには想像もできないことだった。

He'd rarely seen Bruck in any other mood but angry or boisterous. It was painful to see him like this, painful to see him alone. Had he so few friends? Were all of them away?
怒っているか、陽気にしていないブルックなど、めったにお目にかかれるものではなかった。こんなブルックは端から見ても痛々しく、一人で会うのは辛いことだった。それにしてもブルックはこんなに友人が少なかっただろうか? 友人たちは皆どこへ行ったというのだ?

No, there were Davrin and Aalto, both hanging back as though they didn't know Bruck when the three of them had always been inseparable. What's the matter with them? Obi-Wan wondered. Can't they see he's hurt?
いや、ダブリンとアルト(注:『ジェダイの弟子シリーズ』にブルックの友人として登場する)はいた。2人ともまるでブルックなど知らぬとでもいうように遠巻きにしていた。どんなときでも3人は一緒につるんでいたというのに。
一体どうしたっていうんだ? あいつら。
オビ=ワンは訝った。
あいつらにはブルックが傷ついていることくらい分からないのだろうか?

It was painful as well to see Bruck's master's body, her spirit so unsettled that it had left her corporeal form behind, instead of dissolving all of her into the Force. Her face had contorted into a rictus of pain that Obi-Wan suspected was more than physical.
その光景はブルックのマスターの遺骸と同じくらい見ていて辛かった。レースの魂はとても安らかだとは言えず、肉体をそこに留めたままでいた。すべてをフォースに溶け込ませずに(注:通常は魂と肉体が共にフォースと一体となって消失するものらしい)。その顔は苦しみのあまり口を開けたまま歪み、レースの受けた苦痛が肉体に受けた以上に激しいものだったことを、オビ=ワンは察した。

The wound itself was surprisingly small but perfectly aimed into her heart; she hadn't lived long after inflicting it. Her lightsaber hilt lay beside her, deactivated as she died. There was still a stench of burned cloth and flesh in the air.
その傷自体は驚くほど、小さかったが、ちょうどレースの心臓のど真ん中に当たっていた。この分では刺してから死ぬまでの時間はそう長くはなかっただろう。レースのライト・セイバーは彼女の生命同様、その光を消し、彼女の傍らに添えられていた。服と肉が焦げる嫌な匂いがいまだに辺りに漂っていた。

Obi-Wan went to Bruck and touched his shoulder, then knelt beside him. Bruck seemed not to notice his presence. He stroked his master's hair with a genuine tenderness that surprised Obi-Wan. Settled beside him, Obi-Wan touched his shoulder again, laid his hand there, brought the Force to bear and probed delicately.
ブルックに近付き、肩に手を触れるとオビ=ワンは、傍らにひざまずいた。ブルックはオビ=ワンの存在に気付きもしない様子だった。自らのマスターの髪の毛を撫でるブルックの、純粋なまでの優しさにオビ=ワンは息を飲んだ。ブルックの脇に腰を下ろすと、オビ=ワンはもう一度その肩に触れ、そのまま手をそこに置くと、フォースを送り込み、慎重にブルックの心の内に侵入し(bear=押し入る)推し量った。

Bruck's shields were completely gone, his mind and heart wide open and radiating pain and guilt. The power of those emotions was almost nauseating and very difficult to shut out. Obi-Wan had to strengthen his own shields to keep from being swept into his old enemy's horror and confusion.
ブルックのシールドはすっかり消失していた。その精神と心は無防備なまでにさらけ出され、溢れんばかりの痛みと罪の意識を辺りに発散させていた。それらの情念の迫力たるや、ほとんど吐き気を催すほどで、逃れることなど到底できそうになかった。オビ=ワンは旧敵の恐怖と混乱に押し流されぬよう自らのシールドを強化しなければならなかった。

Any animosity he had ever felt for the other apprentice fell away like an old cloak, discarded for empathy. Opening himself to the crowd around them, he tried to channel their warmth and support through himself into Bruck... "I'm so sorry," he said.
その心情を思いやると、まるで古い外套を脱ぎ捨てるかのように、かつて目前の弟子に対して抱いていたいかなる敵意もオビ=ワンの心からは消えていった。2人を取り巻く人々に己の心を開くようにして、オビ=ワンは人々の温情と支持を自分を通してブルックに伝えようとした……。
「気の毒に……」
とオビ=ワンは声をかけた。

The other apprentice looked up then, although Obi-Wan wasn't sure he knew yet who was beside him.
"It's my fault," he said in a dazed voice.
"I didn't love her enough."
すると、もう一人の弟子は顔を上げた。傍らにいるのが誰なのかブルックが分かっているようにはとてもオビ=ワンの目には思えなかったとはいえ……。
「俺のせいなんだ……」
ブルックは呆然とした声でつぶやいた。
「俺がマスターを愛し足りなかったからだ」

"That's not true," Obi-Wan told him gently but with all the conviction and sincerity he could muster.
「それは違うよ……」
オビ=ワンは優しく、だが、持てるだけの信念と誠実さを振り絞って、ブルックに語りかけた。

"She loved you too much, Bruck. It's not your fault at all. She was the master, not you. You're not responsible for her actions; she was responsible for yours."
「レースはお前をあまりに愛しすぎたんだよ、ブルック。お前は少しも悪くない。マスターだったのはレースだ。お前じゃない。レースの取った行動にお前は何の責任もないよ。お前の行動に責任があるのはむしろレースの方じゃないか」

"No, you don't understand," Bruck said, in a calm voice that worried Obi-Wan.
「それは違う。お前には分からないよ……」
ブルックの穏やかな口調がかえってオビ=ワンの哀れを誘った。

"We slept together tonight, for the first time. She knew they were going to separate us and she wanted it so badly that I agreed. But it was just--fucking. I didn't feel anything. And she knew it. I hurt her. Look how I hurt her," he said, touching her cold, grimacing lips.
「今夜、初めて一緒に寝たんだ。あの人は俺達が別れさせられることを知ってたし、あんまりそれを望むものだから、俺もそれに応えたのさ。けれど、それはただの……セックス行為に過ぎなかったんだ。俺は何も感じなかった。彼女にもそれが分かったんだろう。俺はマスターを傷つけたんだ。見ろ、俺がどんなにレースを傷つけたか……」
ブルックはそう言うと、冷たく歪んだレースの唇に触れた。

Words failed Obi-Wan. It seemed impossible that anything he could say would assuage that kind of guilt, misplaced as it was. What Bruck's master had done was selfish and cruel. She had used her padawan for her own pleasure and needs, and in doing so, wounded him, perhaps beyond repair.
オビ=ワンは言葉も無かった。どんな言葉をもってしても、こんな風に誤って植え付けられてしまった罪の意識を癒すことなど、自分にはできそうになかった。ブルックのマスターの犯した行為は身勝手で残酷なものだった。レースは自分のパダワンを己の快楽と欲望の犠牲にしたのだ。そうすることで、ブルックを傷つけ、恐らくは一生癒えることのない傷を残したのだ。

He was saved from having to say anything by the appearance of the Healers, two of whom took charge of the body, and two more of Bruck, who went with them listlessly.
医師団の登場によって、発言を迫られるというのっぴきならない事態をオビ=ワンは免れた。医師団の内、2人はレースの遺体を調べ、残りの2人はブルックの手当に当たった。抜け殻のようにブルックは彼らに伴われながら去っていった。

With that, the crowd began to disperse to their own quarters until at last only he and Qui-Gon and the Council were left in the gardens. Obi-Wan gave Master Astl's saber to Master Windu.
これを契機に、野次馬たちは散り散りになり、それぞれの宿舎へと帰っていった。最後にはオビ=ワンとクワイ=ガン、そして評議会員だけが庭に残された。オビ=ワンはマスター・アステルのセイバーをマスター・ウィンドゥへと手渡した。

Qui-Gon laid his hand on his padawan's shoulder, squeezing it reassuringly. Obi-Wan wanted to lean against him, feel his master's arms around him, but knew that would have to wait until they were in private.
クワイ=ガンは手をパダワンの肩に乗せると、励ますようにグッと握り締めた。その手に身を預るとオビ=ワンは、マスターの腕の中にいっそ抱かれてしまいたかった。が、さすがのオビ=ワンにも、それは2人っきりになるまでお預けだとわきまえるだけの分別は残っていた。

Here, it would feel both defiant and crude to be so casually affectionate in the face of the enormous failure of a relationship that might have been their own.
こんな風に、途方もないまでに崩壊してしまった2人の絆を目の前にして、当てつけるように熱々ぶりを見せびらかすなどということは、互いに傲慢で、はしたない振る舞いだという気がした。この悲劇が自分たちにも起こり得たかもしれなかったのだから……。

"I still think you're a fool, Qui-Gon," Master Windu said, continuing the part of their conversation Obi-Wan had missed.
"And you've set a dangerous precedent. You see the results of it."
「今だに私は君のことを愚か者だと思ってるのだよ、クワイ=ガン……」
とマスター・ウィンドゥは言った。オビ=ワンがいなくなってからも2人の会話はまだ続いていたのだ。
「そして君は危険な先例を残してしまった。その結果がこの様というわけだ」

"I've always respected your opinions, Mace, even when I don't agree with them," Qui-Gon replied mildly.
「私は常に君の意見を尊重してきたよ、メイス。たとえそれが自分の意に背くことであっても……」
クワイ=ガンは穏やかな口調で答えた。

"But I think what you really mean in this case is that I've set a bad example, and I can neither respect nor agree with it. You have nothing to complain of in my behavior with my padawan, nor has his training suffered for it. Whether you like it or not, the relationship is a fact now and it's harmed no one. I know your feelings about it. Please don't reiterate them. I've said before this is not a discussion I'll have with you, especially not in the presence of my apprentice."
「だが、この件に関して君が真に言わんとしていることは、私が悪い先例を残したということだろう。だったら、私は君の意見を尊重することも同意することも出来ないな。自分のパダワンに何をしようが君に文句を言われる筋合いは全くないし、それによってパダワンの訓練が損なわれる謂れもない(nor has…=否定文の倒置)からな。君がそれを好ましく思う、思わないにかかわらず、我々がそういった関係にあることは事実だし、その事で誰かが被害を被るわけでもない。それに対して君がどう思っているかぐらいは分かっているさ。だが、これ以上蒸し返さないでくれ。前に言ったはずだ。この件で君と話し合う余地は無いと。特に私の弟子がいる前では」

"Let's hope, Qui-Gon, that we never have to discuss it for reasons like this. Make sure you do your job here. It's the least you can do."
「私もそう願いたいところだ、クワイ=ガン。こんな話題で話し合わなくても済むようにな。今は自分の責務を果たすことに専念したまえ。君にできることといったらそれくらいがせいぜいだろうから」

Windu replied, distaste evident in his expression, and turned on his heel. Mild anger flickered around him like heat lightning. The remaining Council members departed with him, leaving only Yoda behind.
明らかに刺のある言い方で、ウィンドゥはそう答えると、きびすを返した。熱い夜の稲妻(heat lightning=thunderを伴わないほの暗い雷の光)のように、ウィンドゥの回りには微かな(mild=small/slight)怒りが揺らめいていた。残っていた評議会員たちもクワイ=ガンに別れを告げ、ヨーダだけがそこに残された。

"Right Mace is, Qui-Gon," the little Jedi Master told him.
"A dangerous precedent you have set. Live up to it few can. Sure you should be that you do."
「メイスの言う通りじゃよ、クワイ=ガン……」
小さなジェダイ・マスターはクワイ=ガンにそう告げた。
「危険な先例をお前は残したのだ。だがその先例に習う(live up to=主義などに従って行動する)ことができる者など、そうはおるまい。お前ならそうしてくれる(=マスターとパダワンが愛し合っても修行の妨げにならないという模範を示すこと)にちがいないと確信しとるよ」

Yoda turned his gaze on Obi-Wan. It was like being under a high-intensity spotlight and Qui-Gon's apprentice fought down the urge to squirm under it.
"Both of you."
ヨーダはその睨むような視線を今度はオビ=ワンに移した。強いスポットライトを当てられたような感覚に襲われたクワイ=ガンの弟子は身がすくんでしまいそうになるのを必死に堪えた(fight down=抑える)。
「2人とも」

"Yes, Master Yoda," Obi-Wan murmured, bowing.
「はい、マスター・ヨーダ……」
オビ=ワンは頭を垂れてながら、小声で答えた。

"Hear me did you, Qui-Gon?"
Yoda demanded when his master said nothing, There was, beneath the annoyance, some amusement in his voice, as though he were speaking to a sullen but beloved child.
「私の言うことを聞いていたかね(注:作者はマスター・ヨーダの口調を東洋の賢者のように見せたいため語順をわざと変えている)、クワイ=ガン?」
黙ったままのマスターに向かってヨーダは問い質した。その口調には、いらだっている反面、どこか楽しんでいる様子が伺えた。ふてくされているものの、可愛くて仕方ない子どもに話し掛けるかのように……。

"Yes, My Master," Qui-Gon replied, sounding very like that. Obi-Wan suppressed a smile.
「はい、敬愛なるマスター殿……」
クワイ=ガンはいかにもそれらしい(ムッとした子どものような)口調で答えた。オビ=ワンは思わず顔が緩みそうになるのをグッと堪えた。

"Good. One tragedy too many this is. See it repeated I would not. Make it right you will. Good night, Qui-Gon, Padawan."
「よろしい。このような悲劇は一度っきりでたくさんだ。2度と御免被るよ。お前は事態を正さねばならん。おやすみ、クワイ=ガン、パダワン」

"Good night, Master Yoda," Obi-Wan said. Qui-Gon murmured his own reply, looking into the grove where Leth Astl had ended her life, and they were left alone.
「おやすみなさい、マスター・ヨーダ……」.
オビ=ワンはそう答えた。クワイ=ガンも真似してつぶやいた(own=後者も同じことをする、同じ感情を抱くこと)。レース・アステルが命を絶った木立のほうに目を遣りながら。そして、2人だけがその場に残された。

After a moment, Qui-Gon shook himself and touched his padawan's cheek with rough fingertips.
"Are you all right?"
一瞬間を置くと、クワイ=ガンは身を震わせ、その荒々しい指先でパダワンの頬に触れた。
「大丈夫か?」

Obi-Wan nodded, rubbing against his master's hand, seeking warmth and reassurance and love in the touch.
"They slept together, Bruck told me. He thinks her death is his fault because he didn't love her."
オビ=ワンはうなずいた。マスターの手を擦り付けるように、その触れ合いの中に温もりと励ましと愛とを求めるかのように。
「2人が一緒に寝たとブルックから聞きました。ブルックはレースが死んだのは自分のせいだと、自分がレースを愛さなかったからだと言うんです」

Qui-Gon closed his eyes, obviously pained, and drew Obi-Wan into his arms.
"Gods, Padawan, maybe Mace is right. Maybe I am a fool--"
クワイ=ガンは目を閉じた。見るからに悲痛な面もちで。そして、自分の腕の中にオビ=ワンを引き入れた。
「ああ、パダワン。多分にメイスの言う通りなのかもしれぬ。恐らく私は、愚か者なのだろうよ--」

Obi-Wan pushed his master away and looked up at him angrily.
"You are if you think our situation is the same. I love you, Qui-Gon Jinn. That's what makes this work. We're not just fucking each other. You'd never ask that of me; I'd never give it, not with you. What she did to him was wrong, so wrong--"
オビ=ワンはマスターを押し遣ると、怒った顔でマスターを見上げた。
「僕らが置かれた状況もこれと同じだと思っているんなら確かに愚か者だよ。あなたのことを僕は愛しているんだよ、クワイ=ガン・ジン。だからこうなったのに(=今の関係が成り立っている)。僕らはただ体だけの関係じゃないはずだ。あなたはそんなこと一度だって僕に求めたりはしなかった。僕は身体だけを許したりしない、特にあなたには(not with you=あなたは大切なので〜しない)。レースがブルックにやったことは間違ってた……あまりに間違ってたよ」

Qui-Gon touched his fingers to his apprentice's lips, silencing him.
"Hush, Padawan. She was still a Knight and your superior. Before you earn the right to criticize, you must learn your own lessons."
クワイ=ガンは弟子の唇に指を当て、その口を封じた。
「シーッ、パダワン。それでもレースはナイトであり、お前の先輩だ。批判する暇があったら、自分の修行に励むべきではないのか」

"You think what she did was all right, then?"
「なら、あなたはレースのやったことが正しかったとでも仰るのですか?」

"Did I say so, foolish Padawan?"
Qui-Gon rebuked him sharply, teacher and Jedi Master emerging.
"I merely remind you of your rank and status. See you don't forget it, Obi-Wan."
「私がそう言ったとでも? なら、お前こそ愚かなパダワンだ!」
激しい口調でクワイ=ガンはオビ=ワンを叱りつけた。師であり、ジェダイ・マスターである素顔を露にして。
「私は単に己の分際というものをお前にわきまえさせただけのことだ。そのことを忘れぬよう肝に命じることだな(see that=のように気を付ける)、オビ=ワン」

Chastened, he dropped his gaze.
"Yes, My Master. Thank you, Master."
オビ=ワンはシュンとして目を伏せた。
「はい、マスター。ありがとうございます、マスター」

Qui-Gon raised his chin with a finger.
"That said, no, it was not right, and no, I would never ask it of you, and I hope you would never give it, even if I did. I hope you think more of yourself than that. What I want from you must be freely given and freely returned or it is without value."
クワイ=ガンは指でオビ=ワンの顎を上に向けさせた。
「私はさっきそう(=パダワンごときがマスターを批判すべきではない)言ったがお前の批判は的を得ている(That said=What I have said, but)、間違いだとも。あれは正しい行いではなかったのだ、決して。私はお前にそんなことを求めたりはしない。そして、お前も安易に応じたりしないようにと願っているよ。たとえ私が求めたとしてもだ。そんなこと(=愛の無いセックスで応じること)より、お前には自分自身をもっと大切にしてほしいのだ。私がお前に求めるものは、お前の自由な意志でもたらされるべきだし、自由な意志で報われるべきものなのだ。そうでなければ何の価値もない」

He took Obi-Wan in his arms again and kissed him, a little hungrily. His apprentice gave it back gladly, wanting some of his master's heat to warm himself with.
クワイ=ガンは再びオビ=ワンを腕の中に抱くと、どこか貪るようにその唇を奪った。嬉しそうに弟子はキスを返した。マスターの熱い体で自分を温めてほしいとねだるかのように。

When they broke it, Obi-Wan remained in his master's arms, listening to the comforting sound of Qui-Gon's calm and steady heartbeat.
2人は口づけを解いたが、オビ=ワンはそのままマスターの腕の中に身を預け、穏やかだがしっかりと脈打っているクワイ=ガンの心臓が奏でる心地よい鼓動にじっと耳を傾けていた。

"If I hadn't felt the same about you, if I hadn't loved you just as much, in the same way, what would you have done, Master? Would you have let them separate us?"
「もし僕があなたに同じ感情を抱いていなかったとしたら、もし僕が同じくらいあなたを愛していなかったとしたら、あなたならどうしました? マスター。 あなたは評議会が言うままに僕と別れたんでしょうか?」

Qui-Gon was silent and remained so. As it stretched into minutes, Obi-Wan felt himself first chilled then angry.
クワイ=ガンは黙ったままじっと佇んでいた。それが何分も続くにつれて、初めは不安でおののいていたオビ=ワンも、しまいには怒りすらこみ上げてきた。

"My Love--" Qui-Gon began, feeling his apprentice's emotions shift.
「かわいいやつめ--」
弟子の感情の変化に気付いたクワイ=ガンはとうとう黙っていられなくなった。

"You would, wouldn't you?"
Obi-Wan burst out, incredulous.
「まさか、そうするつもりなんじゃないでしょうね?」
オビ=ワンは信じられないといった様相で叫び声を上げた(burst out=急に大声を出して〜する)。

"You'd listen to them. You'd do the same now, wouldn't you? Everything else you'll fight the Council about down to the last atom, but I don't matter enough--"
「評議会の意見をあなたは受け入れるつもりなんだ。今のあなたは、同じことをすると言うんですね? どんな時でもあなたは、評議会と闘ってきた、どんなに細かい点(atom=極小なもの)でも妥協せずに。だけど、僕にはそうする価値もないと言うんですね--」

"Padawan!"
Qui-Gon's voice was like a whip and Obi-Wan jerked away from it reflexively. His master held him out at arm's length, shaking him a little.
「パダワン!」
まるで鞭に打たれたように、オビ=ワンはクワイ=ガンの声に反射的に飛び上がった。オビ=ワンのマスターは思いっきり腕を伸ばしてオビ=ワンを引き離すと、そっと揺さぶった。

"Be silent! If you cannot speak wisely, say nothing, fool. Would you have us repeat everything that just happened here? Yes, I would give you up if the Council demanded it. I would not do so without a fight, not now, because I know you love me and how much, and I believe--I *know*--we can make this work on all the levels it must. But I would let you go rather than make them tear us apart. That would hurt us both too much.
「黙れ! 聞き分けないことを言うくらいなら、もう一言も喋るな、愚か者めが。お前は今まさにここで起こった悲劇をそっくりそのまま繰り返したいというのか? ああ、そうだ。評議会の命令とあらば、私はお前を諦めるだろう。だが、私が闘わずにそうするはありえないし、ましてや(お互いがこれほど愛し合っている)今は絶対に。お前が私のことを愛していることを、そして、どれだけ深く愛しているかを、私は知っているからな。それに私は信じて--いや、私は知っているのだ--我々なら、自分たちの使命を、すべての点で満足の行くよう、果たすことができるだろうと。それでも私は評議会の手によってお前と引き裂かれるくらいなら、むしろ、お前のほうから別れたくなるように仕向けるだろう。無理矢理引き裂かれるのは、どちらにとってもあまりにも酷いことだから(末尾のコーテーション抜け)」

"If you had not shared my feelings," Qui-Gon went on, "I would have continued to conceal them from you, and if that were no longer possible, I would have found another master for you before the Council needed to. You are that important to me that I would sacrifice having you near me for your own sake. There is nothing more important to me than your life and your training--and they are one and the same. Do you understand that? The young man I love will be a great Jedi someday. I am not selfish enough to stand in his way, nor to get him killed through my own negligence."
「もしお前が私と気持ちを通じ合えないのならば……」
クワイ=ガンは言葉を続けた。
「私は自分の気持ちをお前に隠し通しただろう。そして、将来もそれが適う見込みがないのなら、評議会が命じる前に私は他のマスターをお前のために見つけてきただろうよ。私にとってお前はこの上もなく大切な存在だ。お前のためになるというのなら、お前の側にいることを諦めてもいいとさえ思っているくらいだ。私にとって、お前の人生とお前の修行ほど大切なものはないのだ--その2つは1つであり、同じ事なのだ。お前にはそれが分かるか? 私の愛した若者はいつの日か偉大なジェダイ・マスターになる。私はその途に立ちはだかるほど尊大ではないし、ましてや己の怠慢でその者の前途を閉ざすことなどもってのほかなのだ」

Obi-Wan felt deeply ashamed. His master was right to call him a fool.
"I'm sorry, Master. I, I let my feelings--"
オビ=ワンは深く己を恥じた。マスターが自分を愚か者と呼ぶのも当然だと。
「申しわけありません、マスター。じ、自分は感情が先に立ってしまって--」

"You let your fear run away with your good sense, Padawan. It's precisely this about which I worry."
Qui-Gon rubbed his apprentice's arms and shoulders through the layers of fabric, soothing the bruises he knew he had left there.
「お前のその良い気性で恐怖心など吹き飛ばしてしまうのだ、パダワン。私が案じていたのは、まさにこのこと(=ネガティブな感情に囚われること)なのだよ」
クワイ=ガンは服の布地越しに弟子の腕や肩を撫でた。いまだにそこに残っているであろう傷を癒すかのように。

"I think both of us have some work to do in that regard. I think it's time we went through the fear exercises together. You're ready for them."
「恐怖心をやりこなす能力に関していうと、我々は共に、いまだにかなりの課題を抱えているのではないかな。共に力を合わせて恐怖心に打ち勝つ修行をするべき時期が来たということなのだろう。お前にはもう、それをこなすだけの力が十分にあるのだからな」

"Yes, Master," Obi-Wan said contritely, looking away. He anticipated doing that about as much as he'd anticipated the anger exercises, but he knew his master was right. There was a great deal of fear in him, centered on losing Qui-Gon. It was both gratifying and disquieting to realize his master felt the same way.
「はい、マスター……」
オビ=ワンは悔い改めるようにそう言うと、彼方を見つめた。オビ=ワンはかつて自分が怒りを抑える修行を前に不安を覚えたのと同じように、今度の修行にも不安なものを感じた。だが、オビ=ワンはマスターの言うことは正しいのだと分かっていた。クワイ=ガンを失うことを恐れるあまり、オビ=ワンの心は恐怖で押しつぶされそうになっていた。自分のマスターも同じ思いに駆られているのを知り、嬉しさと同時に言い知れぬ不安感を覚えた。

"But not tonight."
Qui-Gon cupped his cheek in one hand, leaned down and kissed him carefully, as though it were their first, before either knew how the other felt. Surprised, Obi-Wan returned it with more passion, but Qui-Gon broke away then.
「だが、今夜は、まだ始めなくてもいい」
片手でオビ=ワンの頬を包み込むように覆うとクワイ=ガンは、身を屈め、慎重にキスをした。まるで、初めての時のように、相手がお互いをどう思っているか2人ともまだ知らなかった頃のように。驚いたオビ=ワンは、それを上回る情熱を込めてキスし返そうとしたが、クワイ=ガンはすげなく避けた。

"Slowly, my love. We have work to do, and it should be done with care and mindfulness, not your usual wild abandon, much as I love that quality in you."
「そう焦るな、オビ=ワン。我々にはまだやりおおすべき任務があるし、そのためは細心の注意と集中力を駆使して事に当たらなければならない。いつものお前のように、ただがむしゃらに向かっていくのではなく……。そんなお前の気性を大事にしたいのはやまやまなのだが(much as=大いに〜はするが)……」

"Master? I don't--"
Obi-Wan began, not comprehending.
「マスター? 僕は一体どうしたら--(注:understandが略されている)」
オビ=ワンは切り出したものの、まだ何か納得がいかないという様子で。

"You don't feel it? There's been a death here, a violent, fearful, angry death and it's stained this place with the Dark Side. It's colored our own conversation just now. Something like this cannot be allowed to remain within the Temple precincts. Mace and the Council expect us to cleanse it, since they seem to hold us ultimately responsible for it."
「お前は感じないのか? 辺りに漂う死の、獰猛で、恐ろしく、憎しみに溢れた死の気配を。そうして、この場所はもう、ダークサイドによって汚されてしまった。今しがた我々が交わした会話さえも、その悪しき色に染まってしまったように。寺院の境内をこの状態のまま放置するなどもってのほかだ。メイスと評議会は我々にこれを清めてもらいたいのだろうよ。こうなった最終的な責任を我々に負わせようとしている以上は(hold a person responsible for=〜に責任を負わせる)」

"Oh," Obi-Wan said stupidly. He did feel it, now that his master had pointed it out, wondered why he had missed it before.
//Because you were already afraid, my love. The Dark Side is fear, first,// Qui-Gon told him.
"What are we to do, Master?"
「ああッ……」
愚かにもオビ=ワンは声を上げた。オビ=ワンはようやく実感したのだ、マスターが指摘したことを今。そして、なぜ以前にそう感じられなかったのか疑問に思った。
//それはお前がすでに不安に取り付かれていたからだよ、オビ=ワン。ダークサイドはまず、恐れることから始まるのだ……//
クワイ=ガンは語りかけた。
「我々はどうしたらいいのでしょう? マスター」

"What would you think, Padawan? Life to balance death. Certainty of heart to balance fear. We'll make love here, with care and joy and mindfulness, without reservations about each other, like the first time."
「お前はどう思うのだ、パダワン(注:一種の反語。答えを実は要求していない)? 死を贖うのは生命だ。そして恐怖心にかなうのは、信じる心だ。我々はここで愛し合おう。真心を込め、楽しみ、何をすべきか常に意識して。懸念を抱くことなく、まるで初めて愛し合うかのように」

  "Not quite so awkward though, I hope," Obi-Wan smiled the slight, lopsided, wryly mischievous smile Qui-Gon loved.
「とはいえ、ぎこちなくなりすぎても困りますけどね……」
そう言うとオビ=ワンは、クワイ=ガンがこよなく愛する、口元を片方だけ捻る、皮肉げでいたずらっ子のような微笑みをフッと浮かべた。

"No, love," Qui-Gon agreed, remembering it with his own amusement.
"But a little more formal. Follow my lead."
「そうはなるまい、オビ=ワン……」
クワイ=ガンは頷き、初めての時のことを思い出して同じ様にニヤニヤした。
「だが、少しだけ畏まるとしよう。私が手本を示すから(fellow one's lead=〜に倣う)」

"Yes, Master."
//With pleasure.//
「はい、マスター」
//喜んで//

Qui-Gon smiled and again leaned down to kiss him almost chastely, touching him nowhere else, and again, Obi-Wan returned it, but just as chastely this time. After a few moments, his master traced his lips with his tongue and Obi-Wan opened his mouth to him, letting Qui-Gon explore, find the ticklish spots, taste him, before he did the same, pushing into his master's mouth in a gentle riposte.
ニッコリ笑うとクワイ=ガンは再びかがみ込み、まるで処女のような口づけをオビ=ワンに施した。唇以外はどこにも触れずに。するとまた、オビ=ワンもキスを返した。ただし今度のはまるで処女のようなキスであった。しばらくすると、マスターはオビ=ワンの唇を舌でなぞってみせた。すると、オビ=ワンはマスターに向かって口を開き、その侵入を許すと、マスターはオビ=ワンの感じやすい箇所を見つけ、丹念に味わった。オビ=ワンは同じように舌を挿入すると、甘い報復を食らわすかのようにマスターの口の中へと侵入した。

They fed their pleasure back to each other until it became a closed loop between them, kissing attentively, mindful of the sensations it created all by itself, how it made their pulses race, their breath short, their hands tremble. Obi-Wan had never felt himself aroused so quickly by nothing more than a kiss.
2人は互いに歓喜という滋養を与え合った。それは最後には途切れることのない応酬合戦へと発展した。入念な口づけを交わし合い、口づけるだけで生じる感覚、それがどんなに2人の鼓動を高め、2人の息を早め、2人の手を震わせるものなのかを改めて気付いた(mindful=aware)。ただキスしただけ(nothing more than=〜にすぎない)なのに、たちまち感じてしまうなんて、オビ=ワンには初めてのことだった。

//Slowly, love. We've a long way to go.//
Qui-Gon stepped back and slid his apprentice's cloak from his shoulders, folded it, and lay it on the grass.
"Take mine and spread it out. The ground's cold. We can use yours for cover, if need be."
//むやみに急くものではない、オビ=ワン。先は長いのだから//
一歩退くとクワイ=ガンは弟子の肩から外套を外し、折り畳んで草の上に置いた(注:layの過去形はlaidが正しいが、現代アメリカ英語ではlayが常用されている)。
「私の外套を脱がせて、広げるのだ。地べたは冷たいからな。必要とあれば、お前の外套を上から掛ければいい」

Obi-Wan did as he was told, following the curves and muscles of his master's shoulders and arms as he slid the heavy material from them. Qui-Gon shivered under his hands and reached for his apprentice's belt, unclasping it deftly.
オビ=ワンは言われた通りにした。マスターの肩や腕の曲線や筋肉を手でなぞりながら、重たい衣服をするりと脱がせた。その手の下で震えているクワイ=ガンは、弟子のベルトに手を伸ばすと、巧みな手つきでその止め金を外した。

It took Obi-Wan a little longer to remove his master's, his hands were shaking so by then. Qui-Gon guided him then kissed him again.
//Slowly, slowly, love. Think of it as an exercise in control.//
いざマスターのベルトを外す番になると、オビ=ワンはどうにももたもたしてしまい、その手は今もまだ震え続けていた。なのでクワイ=ガンは手助けしてやり、再びオビ=ワンにキスをした。
//焦るな、ゆっくりやればいいんだ、オビ=ワン。理性を駆使する訓練だと思えばいいのだから//

"I've so little where you're concerned," he murmured, smiling wryly again.
「その理性とやらが、ほとんど残って無いみたいなんです……」
とつぶやくと、オビ=ワンは再び皮肉げな微笑みを浮かべた。

"So I've noticed, my Padawan."
Qui-Gon returned the smile, untucking Obi-Wan's sash and slowly unwinding it, brushing his groin up against him with each pass around his back, until it was all Obi-Wan could do to not reach for his master's erection or his own.
「そんなこと一目見れば分かるよ、私のパダワン」
クワイ=ガンは微笑み返し、オビ=ワンの帯を引っぱり出し、ゆっくりと解いた。背中に手を回す度に、股間をオビ=ワンにこすり付けたおかげで、オビ=ワンにとっては、マスターの昂ぶりにも自分自身のそれにも手を触れずにいるのは至難の技だった(it was all one could do to=〜するのがやっとだった)。

Qui-Gon folded the long piece of cloth with precise movements and placed it with Obi-Wan's belt, then put his hands on his apprentice's shoulders and let him remove his own. Each time his hands met behind Qui-Gon's back, Obi-Wan pressed a kiss to a different spot: his mouth, the pulse in his neck, the hollow of his throat. He folded the sash just as carefully and placed it with Qui-Gon's belt.
正確な動作でクワイ=ガンは丈の長い衣服を折り畳み、オビ=ワンの帯と一緒に置いた。次に弟子の肩の上に両手を乗せ、自分の帯をオビ=ワンに解かせた。オビ=ワンの両手がクワイ=ガンの背後で交差する度、オビ=ワンはあちこちにキスを落とした。クワイ=ガンの唇に、その脈打つ首筋に、その喉のくぼみにと。オビ=ワンはクワイ=ガンがしたのとまるで同じように慎重にクワイ=ガンの帯を畳み、ベルトと共に並べた。

His master leaned in and kissed him again, a little more aggressively, and slid the tunic from his shoulders, backing off to fold it just when Obi-Wan had begun to return the kiss in earnest, losing himself in the texture and heat and taste of his master's mouth on his.
マスターは身を屈めると、再びオビ=ワンにキスをした。今度は少しだけ積極的に。自分の唇に触れるマスターの唇の感触や、暖かさや、味わいに我を忘れてしまったオビ=ワンは真剣な口づけでそれに応じようとした。ところが、オビ=ワンの肩から胴着を外し、折りたたもうと後ずさりしたマスターに出鼻をくじかれてしまった。

But in a moment Qui-Gon was back, leaving a trail of heat from his lover's mouth down his throat and across his shoulder and collarbones while Obi-Wan stripped him of his own tunic. This time, when he stepped away to fold it, Qui-Gon looked after him hungrily.
"Patience, my heart," his apprentice smirked, sensing the turnabout.
が、すぐさま、クワイ=ガンはオビ=ワンの唇を迎えに行った。クワイ=ガンが愛しい男の唇から熱い軌跡を描きながら離れ、その喉元へとすべり降り、その肩と鎖骨を横切る間、オビ=ワンはクワイ=ガンから上着を脱がせていた(strip one of〜=から〜を脱がす)。折り畳もうとオビ=ワンが一歩退くと、今度はクワイ=ガンが物欲しげにオビ=ワンを目で追っていた(look after=見送る)。
「辛抱なさい、いい子だから……」
形勢が逆転したのが分かると弟子はニヤリとした。

"You," Qui-Gon said, sitting down on his cloak and starting to remove his boots, "are maddening."
「お前というヤツは……」
クワイ=ガンはそう言うと、外套の上に座ってブーツを脱ぎ出した。
「まったく小憎らしいやつだ」

  "Let me."
Obi-Wan pulled off his master's boots and socks, then turned and pushed Qui-Gon down on his own cloak, straddling him, running his hands slowly up from his waist, over the hard muscles, sensitive skin, and scars, tracing the contours and pale lines with his fingers.
「僕にやらせて」
オビ=ワンはマスターのブーツと靴下を脱がせると、向き直り(背を向けて脱がせたのか?)、クワイ=ガンを外套の上に押し倒した。そして、その上に跨り、腰の辺りから、その固い筋肉や、感じやすい肌や、傷の上へと両手をゆっくりと這わせ、指で筋肉の曲線と傷の輪郭をなぞった。

Before he got very far, Qui-Gon grabbed his wrists, wrapped one long leg around his waist, and flipped his apprentice onto his back, reversing their positions.
"Patience yourself, Padawan," he admonished, proceeding to remove his apprentice's boots and socks.
オビ=ワンがエスカレートしすぎないようにと、クワイ=ガンはオビ=ワンの手首をつかみ、腰にその長い脚を巻き付けると、弟子を仰向けにひっくり返し、お互いの位置を逆転させた。
「辛抱が必要なのはお前の方だ、パダワン……」
たしなめるようにクワイ=ガンは言うと、次々と弟子のブーツと靴下を脱がせ始めた(proceed=続けてする)

"I can't believe everything's folded so neatly," Obi-Wan laughed, watching his master set their boots side by side.
"It's usually all over the room, or in a trail from the door."
「全部キチンと畳むなんて信じられないよ……」
マスターが2人の靴を並べて置くのを見て、オビ=ワンは笑った。
「いつもは部屋中に脱ぎ散らかしているか、ドアから点々と脱ぎ捨ててるのに……」

"It may yet come to that," Qui-Gon replied with mock gravity.
「そうなる(=残りの衣服を脱ぎ散らかすこと)可能性がもう無いとも言えぬが……」
クワイ=ガンは真面目くさった振りしてそう答えた。

"It may," Obi-Wan agreed.
"It always seems to deteriorate at about this point in the process. And I believe it's my turn. It's easier if you're either lying down or standing up."
「かもしれないね……」
オビ=ワンは同意した。
「この辺の段階にくると、いつもだらしなくなっちゃうんだよね。さあ、今度は僕の番だ。横になるか立つかしてくれると助かるんだけどな(注:お互いの衣服を脱がせ合い、オビ=ワンがマスターのパンツを脱がせる段になったので、オビ=ワンを脱がせるのに上になっていたマスターと体勢を入れ替えるよう頼んでいる)」

"Which would you prefer?"
「どちらがお好みかな?」

Obi-Wan drew a deep breath.
//Now who's maddening?//
"I don't really care. I just want them off you. But lying down will do."
オビ=ワンは深い溜息をついた。
//ったく、どっちが小憎らしいんだか//
「僕のほうはどちらでも全然構わないんですよ。もうあなたにお任せします。とはいえ、寝そべってもらうほうがありがたいかな(will do=十分である)」

Obliging, Qui-Gon rolled off him, flinging his arms outward invitingly, looking expectant. Obi-Wan smiled again, shaking his head.
//Tease, that's what you are.//
"Look at you. Did you stuff a loaf of bread down your shorts?"
申し出に応じたクワイ=ガンはゴロリと転がってオビ=ワンを解放すると、誘っているかのようにその両腕を勢い良く広げ、わくわくした表情を浮かべた。再び微笑むとオビ=ワンは首を振った。
//そそるね(tease=性的な刺激を与えること)、その恰好//
「見てご覧よ。ショーツの下にパンの塊でも突っ込んだの?」

Qui-Gon laughed aloud, a sound Obi-Wan loved to hear and didn't often enough. His master's laugh was rich and deep, but soon turned to a low moan as Obi-Wan rubbed first his cheek then his lips against Qui-Gon's groin, the pressure and friction leaving a damp spot over his erection.
クワイ=ガンは大声で笑った。オビ=ワンにはそれを聞くのが楽しみなのに、めったに耳にすることがないその声で。マスターの笑い声は低音で声量豊かだったが、オビ=ワンがまずは頬を、次に唇を、クワイ=ガンの股間に擦り付けると、それはすぐに低いうめき声に転じ、押されるのと摩擦のおかげで、その立ち上がった部分に染みが浮かび上がった。

"I thought you were going to take these off?"
Obi-Wan's lover said a little breathlessly.
「脱がせてくれるんじゃないのか?」
オビ=ワンの愛する男は少し息を乱しながらそう言った。

"When it's time. What were you saying about an exercise in control?"
「その時がくれば。あなたはさっき、自制心の訓練についてどう仰ってましたっけ?」

"Don't make me do it myself," he warned.
「私に訓練させるつもりじゃないだろうな……」
クワイ=ガンは警告した。

"All right, all right. You know we both have chancy control from here," he reminded Qui-Gon, unfastening his lover's pants and easing them down over his hips, along with his underclothing. Qui-Gon raised himself off his cloak and sighed as Obi-Wan freed his cock from the tangle of fabric.
"Not a loaf of bread," the younger man observed.
「はいはい、もういいですよ。お互い、これから先は、押さえがきかないことくらいよく分かっているはずでしょうから……」
そう念を押すとオビ=ワンは、愛しい男のズボンを弛め、下着ごと尻の位置まで引きずり降ろした。上半身を起こして外套を脱いだクワイ=ガンは、オビ=ワンがもつれた服の中からようやく一物を解放してくれたのを見てホッとした。
「あれ、パンが入っていたんじゃなかったんだ……」
若い男はしげしげと観察した。

"No comparisons to food, please. Too vulgar."
「食べ物と比較しないでくれ。頼むから。あまりに下品すぎる」

"I thought you liked vulgar. Or is it raunchy you prefer?"
「おや、あなたはてっきり下品なのがお好きなんだとばかり思ってましたよ。それとも淫らなのがお好みだったりして?」

Qui-Gon touched his cheek.
"Not here. Not tonight."
クワイ=ガンはオビ=ワンの頬に触れて言った。
「ここでなく、そして今夜でなければ、な」

Obi-Wan looked embarrassed.
"No, of course not. Sorry. I let myself get distracted."
オビ=ワンはばつが悪そうな顔をした。
「ええ、もちろん、そうでしょうとも。申しわけありません。つい調子に乗りすぎました」

"You're doing fine," Qui-Gon encouraged, lying back as his apprentice slowly pushed the last of his clothing downward, exploring as he went, stroking the insides of Qui-Gon's thighs, over and behind his knees, down his calves and ankles and finally over his feet, hands trailing fire and leaving shivers behind. Obi-Wan had managed to almost complete folding the trousers before his master grabbed his waistband and pulled him down beside him.
「いや、お前はなかなか健闘してるよ……」
そう励ますとクワイ=ガンは仰向けに横になり、最後の一枚となった衣服を弟子はゆっくりと引き下ろし始めた。引き下げる端からまさぐっていく。クワイ=ガンの太ももの内側の愛撫から始まり、膝の上や裏側、ふくらはぎ、足首を通り、ついには足先へと。辿る手は興奮(heat=性的な快感)を引き起こし、後に戦慄を残していった。オビ=ワンがやっとズボンを畳み終わるか終わらないかの内に、マスターはオビ=ワンのベルトをつかんで、自分の隣へと引き倒した。

"I thought you had more patience, Master," his apprentice said sadly.
「あなたはもっと辛抱強い人だとばかり思ってましたよ、マスター……」
弟子はさもがっかりとこうつぶやいた。

"More than you know," Qui-Gon said in a gravelly voice, turning him onto his belly, kneeling astride him, and opening the fastenings at his waist.
「お前が思っている以上に私は辛抱強いと思うが……」
掠れた声でそう言うとクワイ=ガンは、オビ=ワンを腹這いにし、その上から跨ぐようにひざまずき、弟子の腰の留め具を外した。

Large hands that could almost circle his waist eased the cloth over his hips, down his ass, around his throbbing erection and down his legs in a smooth, continuous movement, tossing them aside unfolded, until they were both naked at last. Then he moved aside and touched Obi-Wan's back.
"Up," he said.
"Face me."
オビ=ワンの腰がすっぽり収まるほどの大きな手によって、オビ=ワンの腰を包んでいた衣服は弛められると、尻まで降ろされ、脈打ちながら立ち上がっているオビ=ワン自身を回り込むようにして、淀みのない動作で一気に足元へと引き抜かれ、くしゃくしゃのまま脇に放り投げられた。ついに2人は互いに一糸纏わぬ姿となった。クワイ=ガンはオビ=ワンの傍らに寄り添うとその背中に手を触れた。
「起き上がって……」
クワイ=ガンは言った。
「よく顔を見せてごらん」

Obi-Wan rose up on his knees again and turned to his lover, who traced a finger down his cheek and across his mouth. Obi-Wan opened his lips and touched his tongue to Qui-Gon's finger, caught it between his teeth and then sucked it, rolling it over his tongue like candy as his master's other hand trailed down across his chest.
オビ=ワンは再び起き上がってひざまずくと、愛しい男へと顔を向けた。男の指がオビ=ワンの頬から口元へと辿る。唇を開くとオビ=ワンは、クワイ=ガンの指を舌で確かめ、歯で挟み込むと、キャンディーのように吸い上げては、舌の上で転がした。その間、マスターのもう片方の手に胸を撫で降ろされながら。

Obi-Wan mirrored the motions with both hands, stroking Qui-Gon's skin as if he needed to memorize how the texture changed from his nipples to the scars over his ribs, across his stomach, and around his back.
オビ=ワンは両方の手を合わせ鏡のように対称に動かし、クワイ=ガンの肌を愛撫した。腹の回りや背中の回りを、マスターの乳首から肋骨の上に残る傷跡にかけて、その手触りがどんな風に変化していくのかをまるで脳裏に焼き付けようとでもするかのように。

Qui-Gon moaned softly and closed his eyes, his hand coming to rest over his lover's heart. They were breathing in time now, slow and deep, holding the arousal down with effort.
微かにうめき声を漏らしたクワイ=ガンは、目を閉じ、手を伸ばすと恋人の心臓の上にそっと載せた。2人は息を合わせ(in time=調子が合って)、ゆっくりと深呼吸し、たぎる欲望をなんとか抑えようと努めた。

Obi-Wan spread his hands over Qui-Gon's chest, the thumbs meeting over his breastbone, fingers wide, feeling his master's energy roiling under them as Qui-Gon stroked the wet finger up his spine.
クワイ=ガンの胸の上で、オビ=ワンは両手を広げた。胸骨の上で親指を突き合わせ、手の指を一杯に広げ、マスターの中でたぎるエネルギーをその手の下で感じていた。クワイ=ガンの濡れた指(注:その前にオビの口腔内に入れていたと思われる)に背骨を愛撫されながら。

He shivered, feeling his own energy rise up that column of nerve and bone, following the touch. They leaned in for another kiss, this one slow and deep. Obi-Wan shuddered, gooseflesh rising all over him, hair on the back of his neck standing up.
オビ=ワンは震えた。マスターの手が触れる端から、力が漲り脊髄(column of nerve and bone=spine)へ伝わっていくのを感じて。2人は改めてキスしようと身を寄せ合った。今度はゆっくりと濃厚なキスを。オビ=ワンの体は震え、全身に鳥肌が立ち、首の後ろの毛が逆立った。

"It's never been like this before," Obi-Wan gasped as they pulled a little away from each other.
「こんな風になるなんて初めてだ……」
やっとのことで2人の体が離れると、喘ぎながらオビ=ワンはそう言った。

Qui-Gon's eyes seemed to glow in the darkness.
"No, love. It will never be the same again, after this night."
He slid his hands down Obi-Wan's back, over the hard muscles of his ass, digging his fingers into them and pulling his lover tightly against him, cocks grinding against each other's groins.
闇の中にクワイ=ガンの目が輝いているように見える。
「無かっただろうよ、オビ=ワン。そして今夜を境に、2度と再び、昔には戻れないだろう」
オビ=ワンの背中の上を、クワイ=ガンの両手が滑り降り、尻の固い筋肉の上に達すると、指をギュッと食い込ませ、愛しい男を自分にきつく引き寄せると、互いの股間に自らの昂ぶりを擦り付け合った。

Obi-Wan's hands repeated the pattern and their mouths locked on each other's again, tongues tasting and pushing and slipping around one another, hips making almost involuntary thrusts against each other. Qui-Gon bore him to the ground then pulled away again after some moments, inhaling deeply.
オビ=ワンの手は一定の動作を繰り返し(注:マスターと同じくマスターに指を食い込ませて引き寄せる行為)、2人は再び互いの口をピッタリと合わせた。互いの舌を、じっくり味わい合うように、突っ込んでは絡ませ合い、いつの間にか2人は腰を動かし合っていた。クワイ=ガンはオビ=ワンを地べたに押し倒し(bear〜to=連れていく)、しばらくしてから慌てて(注:このまま達ってはマズイと思い直して)再び身を離し、深々と息を吸い込んだ。

"Wait, love, wait," Qui-Gon gasped, moving back and turning his lover onto his belly again.
「はあはあ、いい子だから、ちょ、ちょっと待ってくれ……」
クワイ=ガンは喘ぎながら後ずさりすると、愛しい男を再び腹這いにさせた。

Breathing like a runner, Obi-Wan shivered a little in the garden's cool air and tried not to think about the fact that they were in a courtyard of the Temple, covered only by an environmental field and the shade of the foliage. Anyone with a set of macrobinoculars in the upper rooms would be getting a good show.
散々走った後のように息を切らせながらオビ=ワンは、庭園の冷気の中で、僅かに身震いすると、今自分がどんな状況に置かれているのか考えまいと自分に言い聞かせた。2人がいるのはジェダイ寺の中庭であって、2人が張り巡らせた環境フィールド(注:超能力によるバリアーのようなものか)と葉陰でしか遮られていなかった。高層階の部屋から大きな双眼鏡で覗いたなら、さぞかしいい眺めだっただろう。

//Does that matter to you? Are you embarrassed, Padawan?//
//どうした? 恥ずかしいのか? パダワン//

Surprised with himself, he found he wasn't, nor was it titillating, as it might have been.
//No, it just feels--right.//
自分でも驚いたことに、オビ=ワンは恥ずかしいとも思わなかったし、ましてや、人に見られて興奮するということもなかった。以前ならそう感じたかもしれないが。
//いえ、単にそう思ってるだけですよ--当然のことだと(注:浄化の儀式なのだから、衆人環視のもとにあるという今の状況は当然のことだと)//

//Because it is, my love, whether Mace recognizes it or not.//
Qui-Gon knelt between Obi-Wan's legs and placed his hands over the small and center of his back, not quite touching the skin.
//当然のことだからこうしているのだ、オビ=ワン。たとえメイスがそれを当然のことだと思おうと思わなかろうと//
クワイ=ガンはオビ=ワンの脚の間にひざまずき、腰と背中に手をかざした。肌には一切手を触れることなく。

He let them hover there until the warmth of his power and connection to the Force spread across his lover's skin like another cloak.
//Meet me, love. Reach out to me.//
クワイ=ガンはそこで両手をかざし、自分のエネルギーによる温もりとフォースとの絆を、まるで外套のように、愛する者の肌の上に覆い被せた。
//私にも向けるのだ、オビ=ワン。私に届かせるのだ(注:クワイ=ガンが与えたものをオビ=ワンにも返すよう求めている)//

Under his touch, Obi-Wan relaxed and closed his eyes, opening himself to the Force, to Qui-Gon's presence in it. Outside that, he could feel the pain and despair of Leth Astl's death still lingering in the grove like a heavy shadow.
クワイ=ガンの手の下で、オビ=ワンは安心したように目を閉じ、フォースを、その中に存在するクワイ=ガンを受け入れようと心を開いた。一歩外に出れば、レース・アステルの死が招いた苦痛と絶望がオビ=ワンを待ち構えていた。木立の中に重苦しい影のごとく未だ留まり続けながら。

He felt Qui-Gon's lips on the back of his neck, working their way down and across his shoulder as his hands flowed down his back, full of warmth and love and the power of the Force.
オビ=ワンは首の後ろにクワイ=ガンの唇を感じた。それは下に降ると、肩を横切っていく。同時にクワイ=ガンの両手がオビ=ワンの背中を漂いながら降りていった。精一杯の温もりと愛と、そしてフォースの力を込めて。

He sighed under the touch, reached out to his master and felt the solidity and brightness of his presence driving that shadow away.
//It's the two of us and what we have that makes us more powerful than the darkness, not me alone.//
マスターの手の下で、吐息を漏らし、マスターに迫ろうとしたオビ=ワンは、しっかりとした、闇をもけちらす、まぶしいくらいの存在感を感じた。
//我々が共にいること、2人が育むもの(=愛)こそが、私独りでは適わぬ闇に打ち勝つ力を我らに与えるのだ。//

     Obi-Wan opened himself to his master physically and through their training bond as Qui-Gon pulled him back by his hips until he was on his hands and knees, feeling his lover's excitement and also the fullness of love in his heart as he reached around and grasped his apprentice's cock, stroking the fluid already leaking from the tip down over the shaft in a lazy, sensuous movement.
クワイ=ガンに腰を引き寄せられ、とうとう四つん這いにさせられたオビ=ワンは、肉体と修行の果てに培われた互いの絆の両方で、マスターを受け入れようと自らを開放した。秘所へと手を近づけ、弟子のペニスをつかみ、すでに先端から滴らせている先走りを、ゆっくりとした心地よい手つきで、塗り広げるにつれて、マスターは愛しい男の昂ぶりを感じると同時に、溢れんばかりの愛で心が満たされていくのを感じた。

Obi-Wan moaned and thrust into his master's hand, wanting more of that touch, needing it, sending out that desire and the love that went with it to him.
オビ=ワンはうめき、マスターの手の中に自らを埋め込んだ。もっと触れてほしいと願い、激しく求め、欲望とそれに伴うthat went with it=desireに付随する)愛を伝えようと。

Warm, slick fingers ran over the sensitive flesh and muscles in the cleft of his ass as the other hand continued to stroke, maddeningly slow, just enough to steal coherent thought from him.
温かく、ぬるっとした指がオビ=ワンの尻の隘路に潜む敏感な皮膚と筋肉の上を這い回り、それと同時に、もう片方の手が気も狂わんばかりにノロノロと、それでもオビ=ワンの頭からまともな思考能力を奪うのに十分な早さで、(前を)愛撫し続けた。

"Now, Qui-Gon," he begged in a hoarse whisper. Slowly, his lover drove one finger inside past the tight ring of muscle, drawing a soft cry and a long shudder from Obi-Wan.
「こ、これ以上じらさないで、クワイ=ガン……」
オビ=ワンは蚊の泣くようなかすれ声で哀願した。恋しい男が輪状の固い筋肉の中にゆっくりと1本の指を差し込むと、オビ=ワンは甘い叫び声を上げ、したたかに身を震わせた。

"I love this. Don't stop," Obi-Wan gasped, now thrusting back against his master's hand. Qui-Gon twisted the finger inside him and stroked the sweet spot over his prostate, while the other hand released his cock and instead grasped his scrotum and squeezed and tugged gently.
「ああッ……イイ。止めないで……」
オビ=ワンは喘ぎ、今度は自分からマスターの指に身体を押し付けた。クワイ=ガンは中で指を曲げ、前立腺の上にある感じやすい部分を刺激すると共に、オビ=ワンのペニスを握っていたもう片方の手を陰のうに持ち変え、優しく握ったり、引っ張ったりした。

//Tell me how much.//
//どれくらいいいのか、口に出して言ってごらん//

"More than sleep--more than--Ah! There! Yes!--more--Oh!--more than food, more, more, than breathing, Qui-Gon," Obi-Wan panted, writhing.
"I want you--inside me--more than--anything."
「寝るよりも--食べ--あんっ! そこッ! そう、そこだよ!--もっと--ああ!--食べることよりも、い、息、息をするよりも好きだよ、クワイ=ガン……」
オビ=ワンはあえぎ、のた打ち回った。
「あなたが欲しい--僕の中に感じたい--他に--比べるものがないくらいに」

"A little longer, love," Qui-Gon murmured, stroking his lover's spine and the small of his back then down into the cleft again as two fingers slid inside, gently spreading him. It drove a tremor through him, forcing out a tortured moan.
「そう焦るな(文頭のwaitが省略されている)、オビ=ワン……」
そうつぶやくとクワイ=ガンは、愛しい男の背骨と腰のくびれを愛撫し、やがて尻のクレバスへと再び手を降ろすと同時に、今度は挿入する指を2本に増やし、優しく押し広げ始めた。それはオビ=ワンを痙攣させ、拷問にも似たうめき声を絞り出させた。

The other hand caressed his balls and left them pulled up tight against his body in arousal. Qui-Gon's fingers moved in and out, widening the passage into his body.
//Tell me why.//
もう片方の手はオビ=ワンの睾丸を撫で回し、欲望でたぎった双球は身体のほうへギュッと引っ張られた(注:日本の男性数人に聞いたところでは、睾丸自体が興奮して形が変化するということはなく、単に温度が上がるとだれるし、下がると縮こまると言う。ところが向こうの人に聞いてもらったところによれば絶頂直前に硬化し上半身側に近付く感覚あるという。この件については調査結果をコラムに書く予定)。一方、クワイ=ガンの指は抜き差しを繰り返し、オビ=ワンの躯の中へと至る通路を確保し始めた。
//なぜなのか(なぜそう感じるのか)説明してほしいね//

The power of speech was gone now. He answered the only way he could.
//Because I love you. Gods how I love you! You're part of me. The best part of me. You made me who I am.//
言葉を発するだけの力はもはや残っていなかった。オビ=ワンは最後の力を振り絞ってこう答えた。
//あなたが好きだからだよ。どんなにあなたを愛していることか! もはやあなたは僕の躯の一部だ。最もかけがえのない部分なんだよ。あなたがいたから今の僕があるんだ//

"Do you remember the last time you said that to me, love?"
Qui-Gon's voice was ragged around the edges, his own control finally slipping.
「この間そのセリフを言った時のことを覚えてるかね?、オビ=ワン」
クワイ=ガンの声は切れ切れになり、彼の自制心はついに崩壊した。

//In anger. This time with gratitude. With love.//
"Please, Qui-Gon--" he groaned, limbs trembling.
//怒ってたよ(注:前作『The Anger Exercises』では怒りながらオビはこのセリフを言っている)。でも今は感謝してる。そして愛してる//
「どうか、クワイ=ガン--」
オビ=ワンはうめいた。太ももを痙攣させながら。

Qui-Gon arched over him, kissed his neck, breathed into his ear.
//You made yourself, my love. I only helped.//
"A little assistance, please?"
He held his hand cupped beneath Obi-Wan's chin.
クワイ=ガンはオビ=ワンの上に覆い被さり、その首筋にキスし、耳に息を吹きかけた。
//お前は自分の力でお前になったのだ、オビ=ワン。私はそれを手助けしただけだよ//
「(お返しに)少々手伝っていただけるかな?」
クワイ=ガンはオビ=ワンの顎の下に手を据えた。

Obi-Wan laughed giddily and spat into his master's hand, heard Qui-Gon do the same, and shivered in anticipation.
//Now. Please now. Nownownownow--//
ひきつったように大笑いするとオビ=ワンは、マスターの手の中に唾を吐いた。そしてクワイ=ガンも同じようしたのが聞こえると、これから起こることへの期待に身を震わせた。
//もう我慢できない。お願いだから、さあ。早く、早く、早くッ//

He felt the fingers withdraw from inside him, his master's spit-wet cock pressed against the loosened muscles and made himself relax, though it was the most difficult thing he'd ever done in this pitch of excitement.
中から指が引き抜かれ、十分ほぐされた筋肉に、唾液で濡れたマスターのペニスがあてがわれるのを感じると、オビ=ワンは気持ちを落ちつけた。これほどの興奮に駆られながら、そうするのは、今までの人生の中で最も過酷なことだったとはいえ。

Qui-Gon drove himself inside as Obi-Wan cried out, until his belly was tight against Obi-Wan's ass. His apprentice shook and moaned, muscles contracting hard around him.
//Slowly, love. We'll make it last.//
クワイ=ガン自身がズッと押し入ってくるなり、オビ=ワンは悲鳴を上げた。そしてついにクワイ=ガンの腹部は、オビ=ワンの尻にぴったりと押し付けられた。弟子は身を震わせてうめき、収縮した内部の筋肉がクワイ=ガンを思いきり締め付けた。
//慌てなくてもいい、オビ=ワン。じっくりやればいいのだ(last=continue)//

Qui-Gon rubbed his back and reached around to stroke his cock again, brushing soft lips, his raw-silk beard, and the spun silk of his long hair over his lover's shoulders.
クワイ=ガンはオビ=ワンの背中を撫で、手を伸ばすと再びオビ=ワンのペニスを愛撫した。その柔らかい唇や、生糸のようになめらかな髭や、絹糸のような長いその髪の毛で、愛しい男の肩を撫でながら。

//I want this joining with you more than my own life, Obi-Wan. And I would give that to you, for you. In an instant, a heartbeat. Without reserve.//
//自分の命よりも、こうやってお前とひとつになることのほうが私にとってはかけがえのないことなのだ、オビ=ワン。お前になら、くれてやる。お前のためなら。いますぐ、この場で。お前が望むままに//

  "No!"
Obi-Wan recoiled. The idea alone was too painful, and yet he felt the same himself. How could he deny his lover that willing sacrifice?
「そんな!」
オビ=ワンはひるんだ。その思いつき自体はあまりに痛々しいとはいえ、オビ=ワン自身も思いは同じだった。これほどまでに愛する男が身を捧げてくれるというのに、どうしてオビ=ワンにそれを拒むことができようか。

"Yes, my love. I will, when the time comes, as it does for all of us.
//Now I can only give you this joining in the Force.//
「ああ、オビ=ワン。私はそうするだろうよ。その時が来れば。すべてのマスターに等しく時が訪れるように(後ろの引用符抜け)」
//今、私がお前に与えてやれるのは、フォースに守られたこの契りだけだ//

Qui-Gon began to move in him, and at the same time, Obi-Wan felt his master's presence and his own--caught up in it with him--filling the grove with light. For once he could see, actually see, the light they served and walked in surrounding and flowing through them, their joined bodies a nexus of power and beauty and heat and light.
クワイ=ガンがオビ=ワンの中への侵入を開始すると、オビ=ワンは同時に、マスターの存在と自分自身の存在を感じた--2つが混ざり合う感覚に襲われて--木立を光で満たしながら。一度だけオビ=ワンには見えた。実際にその目で見たのだ。2人が放った光を。そしてその光が、強さと美しさ、熱と光が綾なすごとく、一体となった2人を包み込み、通り過ぎていく中を歩いた。

Together they lit the night and charged the air around them, and Obi-Wan knew that when they climaxed, every person in the Temple who had felt Leth Astl's death would feel this, too.
2人が共に、夜を照らし、周囲の大気を満たすと、オビ=ワンは気付いた。2人が絶頂に達すれば、ジェダイ寺の人たちが皆、レース・アステルの死を察知したくらいだ。2人が達すれば、きっと今度もまた人々の知るところになるであろうと。

They moved in unison, breathing together harshly as passion mounted, feeding their pleasure back to one another, voices crying out at the same time as Qui-Gon drove himself deep into Obi-Wan's body and they sought one another like lightning seeking ground.
感情が高ぶるにつれて、2人は互いの動きに合わせるように身体を動かし、かすれがちな息を合わせて、互いに快感を与え合った。クワイ=ガンがオビ=ワンを奧まで満たし、稲妻が地面を這うかのように互いを求め合う度に、悲鳴のような嬌声が同時に上がった。

"Oh, gods, oh gods, Qui-Gon!"
Obi-Wan wailed, almost as though he were in pain.
「もうヤダ、もう助けて、クワイ=ガン!」
オビ=ワンは泣き叫んだ、まるで苦痛に苛まれているかのように。

//Here I am, love,// he answered, and opened himself completely to his lover, all the shields he had ever built in his life vanishing like mist in sunlight.
//私はここにいるじゃないか、オビ=ワン//
クワイ=ガンは答え、愛しい男を受け入れようと、完璧なまでに自分自身を開放した。今までの人生で培ってきたあらゆる障壁は、日の光にさらされた霧のように消え去った。

It was enough to break his rhythm, to stop him cold, that view into his Master's soul.
//Qui-Gon-- I never knew--//
It was like being blinded and learning to see again.
マスターの魂を覗くという体験は、オビ=ワンのリズムを崩し、動きをピタリと止めてしまうほどの衝撃があった。
//クワイ=ガン--こんな風に見えるなんて……僕は……知らなかった--//
今まで視力を失っていた者が、まるで再び見えるようになったかのように。

All the familiar things he loved were there, but subtly changed by the emotions passing between them. Even the darkness they carried in them was not so much evil as a poignant weakness in this light.
オビ=ワンが愛した全てのものがそこにはあった。だが、2人の間に交わされた思いによってそれは、以前のものとは巧妙に違って見えた。2人が心の中に抱いた闇でさえ、この光の下では、それほど邪悪なものではなく、人間なら誰しも持つであろう弱点にすぎなかった。

//You needn't--//
Qui-Gon began, moving slowly inside him again, bridging the gap in their climb toward ecstasy.
//お前までシールドを開放するには及ばんよ--//
再びクワイ=ガンはオビ=ワンの内部でゆっくりと律動を開始すると、2人は頂点を目指し始めた(注:bridge a gap=断絶を埋める)。

//I want to.//
His own carefully built shields dropped, leaving him wide open and broadcasting. Behind him, Qui-Gon trembled and gasped, "Oh, love," he murmured and rubbed his cheek against Obi-Wan's hair.
"What a great heart you have, my Padawan."
//いいえ、僕がそうしたいんです//
丹念に張り巡らされた自らのシールドも放棄するとオビ=ワンは、無防備なまでに己を解放しさらけ出した。オビ=ワンの背中で、クワイ=ガンは身を震わせ、喘いだ。
「ああ、オビ=ワン……」
クワイ=ガンはつぶやき、オビ=ワンの髪の毛に頬を寄せた。
「なんと気前の良い男なのだろう、私のパダワンは」

//No greater than my master's.//
"Please, Qui-Gon," he said in a voice heavy with desire, "Let's finish it."
//僕のマスターに適う者などおりませんよ//
「どうか、クワイ=ガン……」
欲望でかすれ気味な声でオビ=ワンはそう訴えた。
「もう達きましょう」

//Yes. It's time.//
//ああ、そろそろだな//

They rocked in unison again, rebuilding the rhythm and urgency, Qui-Gon stroking his cock. It took only moments to bring them both to the edge.
再び2人は呼吸を合わせて切迫したリズムを刻みながら躯を動かし合い、クワイ=ガンの手はオビ=ワンのペニスを攻め続けた。2人が頂点へと導かれるのにそう長くはかからなかった。

  Obi-Wan felt as though he were looking down from a great height, and then Qui-Gon thrust into him and he was falling from it, lights exploding against his eyelids and in his head, his pleasure and his master's both, their voices echoing through the grove, in unison, in ecstasy, in love.
遥か高みから見下ろしているかのような錯覚にオビ=ワンは襲われた。そして、クワイ=ガンに最後に穿たれた瞬間、その場所からオビ=ワンは堕ちていった。瞼の上へ、そして頭の中へと、光が降り注ぎ、自分自身の喜びとマスターの喜びを共に感じ、2人の声が木々の間にこだました(注:He feels、He hearsを略すことでより主観的な文章になっている)。斉唱するかのように、絶頂を迎え、愛に包まれて。


  Mace Windu, Master Jedi and Senior Council Member, watched the flickering Force light from his window overlooking Courtyard Grove, felt it, as did everyone else, when Qui-Gon and his apprentice reached their climax in the ritual, felt their deep love for one another and delight in each other's body dissolve the lingering darkness and pain Leth Astl's death had left behind. Perhaps he'd been wrong about them, he thought. Only time would tell.
ジェダイ・マスターにして評議会上級メンバーのメイス・ウィンドゥは、中庭の木立を見晴らす窓の彼方で、チラチラとフォースの光が輝く様を見つめていた。そしてメイス以外の全員がそうであったように、メイスもまたそれを感じていた。この儀式の最中にクワイ=ガンとその弟子が絶頂に達した瞬間を。そして、互いに求め合う2人の深い愛情と、互いの肉体が与え合う歓喜こそが、レース・アステルの死が残した、未だ辺りに漂う暗黒と苦痛をけちらしてくれるのだということを。2人のことに関しては恐らく、自分の方が間違っていたのかもしれないと、メイスは思った。が、すべては時が明らかにしてくれることであろう。

#END#
終わり

Endnote:
あとがき:

I didn't plan on revising any of these but Master & Apprentice, but it was kindly pointed out to me by Kath Moonshine that Leth is a walking, talking stereotype of the worst kind in the original story, and I was ashamed of myself for resorting to such sloppy writing. With her tremendously astute feedback, great encouragement and prodding, I did this rewrite and I like the story much better now for the contrasts.
私は『マスターと弟子』以外、このシリーズのどの作品に対しても改訂を行うつもりはありませんでしたが、ケイス・ムーンシャインから、レースのすべてが(walking, talking=なにもかもが)原作の最悪のステレオタイプ化だという有り難い指摘を受け、そのようなベタベタした書き方に甘んじてしまった自分を恥ずかしいと思いました。彼女の非常にてきぱきした指摘によって、私は大いに励まされ、奮起させられ、これを書き直したのです。おかげで、今となってはむしろ、この作品を前よりずっと好きになりました。

I'd be interested in hearing anybody else's opinions one way or the other.
私は様々な視点から見た意見をあらゆる人から伺うのを楽しみにしています。

お世話になった方々へ
これらの対訳ページを作成するにあたって、快く翻訳の許可を下さった作者様、作品の選定及び英語表現を解説してくださったKamen様並びにJeanne様、訳文の誤りを指摘くださったなるみ様、TPMファンならではの丁寧で暖かいご指摘をくださったヨゴレ犬BBSの皆様に深く感謝いたします。


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